ハヅキさんのこと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765060

感想・レビュー・書評

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  • 過去に関わりを持ったひとたちへの想い。
    満たされているようないないような。居心地が良いような悪いような。
    妙に曖昧な感じがいいです。

    ささやかな掌小説の中に、いろんな思いがぎゅぎゅっと詰まっていて、温かさが溢れてきます。

  • 書き始めの一行から、何気ないちょっとした生活の中に入って、淡々とした物語が始まる。
    すっと終わりがくるけど、その余韻がたまらない。
    作品の中では「琺瑯」「浮く」「森」が好き。

  • 短編でありながら、行間の余白というか、語らずして語られていることが多く、空気感が伝わってくる作品ばかり。特に気に入っているのは、「琺瑯」「かすみ草」「床の間」「白熱灯」「動物園の裏で」「吸う」。すべてを語りきらない余白が、人間の世界の認識のしかたってこうだよなと、逆にリアリティをもって迫ってくる。引っかかったり、急にとんでもないところへ飛んだりする筋運びも、現実はたしかにこんな感じだと、腑に落ちる。作品の世界に浸った後で、自分自身の現実が、これまでとは違う見え方をしていることに気付いた。

  • ありそうでなさそうな日常がありそうに綴られる。
    そこはかとないデジャヴに寂しくて柔らかな気持ちがこみ上げる。
    かなり好き。

  • 川上弘美が好きだ。どうしても好きだ。

  • やっぱり好きです 川上弘美さんはほっこりします。

    26編もの短編集ですが どの話もすぐそばに あるような気がするはなしです

    わたしは「かすみ草」がすきです。
    何年も夫婦やってきて わかっている分かり合っているはず…でもね秘密がね あってもいいよね

    「吸う」は とっても色っぽかった

  • 2013 2/21

  • どのお話も、切ないにおいがする。
    それでも悲しみに溺れるわけでもなく
    かといってガハハと笑い飛ばすわけでもない。

    微妙な心持を絶妙に言葉に漂わせている素敵な短編集です。

  • 川上弘美の真骨頂。
    「吸う」がいい。
    登場人物が、みんな、ほんの少し、あちら側に足を突っ込んでいる、そんな感覚。
    (2011.6)

  • 短編集。
    ひとつひとつの物語が本当に短くて、ちょっと時間ができたときにも読める本。

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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