- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062765060
感想・レビュー・書評
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過去に関わりを持ったひとたちへの想い。
満たされているようないないような。居心地が良いような悪いような。
妙に曖昧な感じがいいです。
ささやかな掌小説の中に、いろんな思いがぎゅぎゅっと詰まっていて、温かさが溢れてきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書き始めの一行から、何気ないちょっとした生活の中に入って、淡々とした物語が始まる。
すっと終わりがくるけど、その余韻がたまらない。
作品の中では「琺瑯」「浮く」「森」が好き。 -
短編でありながら、行間の余白というか、語らずして語られていることが多く、空気感が伝わってくる作品ばかり。特に気に入っているのは、「琺瑯」「かすみ草」「床の間」「白熱灯」「動物園の裏で」「吸う」。すべてを語りきらない余白が、人間の世界の認識のしかたってこうだよなと、逆にリアリティをもって迫ってくる。引っかかったり、急にとんでもないところへ飛んだりする筋運びも、現実はたしかにこんな感じだと、腑に落ちる。作品の世界に浸った後で、自分自身の現実が、これまでとは違う見え方をしていることに気付いた。
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ありそうでなさそうな日常がありそうに綴られる。
そこはかとないデジャヴに寂しくて柔らかな気持ちがこみ上げる。
かなり好き。 -
川上弘美が好きだ。どうしても好きだ。
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やっぱり好きです 川上弘美さんはほっこりします。
26編もの短編集ですが どの話もすぐそばに あるような気がするはなしです
わたしは「かすみ草」がすきです。
何年も夫婦やってきて わかっている分かり合っているはず…でもね秘密がね あってもいいよね
「吸う」は とっても色っぽかった -
2013 2/21
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どのお話も、切ないにおいがする。
それでも悲しみに溺れるわけでもなく
かといってガハハと笑い飛ばすわけでもない。
微妙な心持を絶妙に言葉に漂わせている素敵な短編集です。 -
川上弘美の真骨頂。
「吸う」がいい。
登場人物が、みんな、ほんの少し、あちら側に足を突っ込んでいる、そんな感覚。
(2011.6) -
短編集。
ひとつひとつの物語が本当に短くて、ちょっと時間ができたときにも読める本。