カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

著者 : 道尾秀介

• 講談社 (2011年7月15日発売)

感想・レビュー・書評

[しゃちちちさんの感想 · 2020年5月2日]

いやぁ～。『向日葵の咲かない夏』が合わなかったので、ず～っと敬遠してましたが、情熱大陸に出ていたのをみて、ちょっと読んでみました。この本は面白かった。これも詐欺師の話なんだけど、主人公は冴えないおっさん二人です。まぁ、残酷な過去から解き放たれるための大計画を実行していくんですが、若干『えっ！？そんなのいけるの？』的な思いもあるけど、大計画過ぎて、読み終えた後はよかったですね。ちょっと他のも読んでみようかと思ったりした。そんな作品でした。

[samさんの感想 · 2020年3月2日]

主人公は他人の戸籍で生活している中年詐欺師。ひょんなことで知り合った素人の相棒と詐欺を繰り返すことで暮らしているが、ある日、スリの少女を助けたことで彼女と彼女の姉とその彼氏との同居生活が始まる。共同生活をしていくうちに共通点があることが判明する。それは恨む相手が同じということだった。
その恨む相手に一矢報いようと一世一代のペテンを仕掛ける。そしてその先にはさらに大きなペテンが待っているのだった。

なんと言っても最後の展開には、そう来たかと唸らせられた。あちこちに散りばめられた伏線やミスリードを誘う場面などが最後にはきちんと回収されかつ不自然さがない。さすがにペテラン作家だと思った。
なんかわからないがストーリー自体はあんまり好きではない。と言うか、ヤクザが出てくるのが好きじゃないのかも。

[あでにんさんの感想 · 2024年4月1日]

面白すぎて一気読みしてしまった作品だった。

詐欺をしてお金を得ている二人組のタケさんとテツさん。
そして不思議な縁で一人の少女まひろと出会う。
そこから同居人は五人と一匹に増える。
各々の過去が絡み合い読書中はドキドキしっぱなし。
特に最後のどでかい仕掛けは頭を抱え２度読んでも心を落ち着かせるのに足りなかった。

道尾秀介先生の作品は向日葵の咲かない夏」しか読んだことがなく、作風が全然違っていたので正直舐めて読みかかっていたら、圧倒的仕掛けとストーリでボコボコにされた。
これはまさに万人におすすめできる作品だと感じた。

[asano910さんの感想 · 2024年3月9日]

以前『向日葵の咲かない夏』を読んで、道尾秀介先生苦手かも...と思っていたけど、ミステリー界隈だと道尾先生の作品が好きな方が多くて、もう一作くらい読んだ方がいいかもしれないと思って手に取ってみた本作。
ガラリとイメージが変わった！『向日葵の〜』の後味の悪さや不気味さ(＝私が苦手だった部分)は、綺麗さっぱりなくて、どんでん返しの鮮やかなところだけを残したような爽やかさすら感じる作品だった！
ただ、詐欺師が主人公であり共感しづらく前半は少し退屈だった。後半のどんでん返しの部分は楽しく読めて良かった。

[えりさんの感想 · 2024年3月7日]

途中暗い話もありつつ、ラストは前向きで良かった。（物語の仕掛けには最後まで全く気が付かず...）

[Mor^^さんの感想 · 2024年1月21日]

ラストを楽しみに、スイスイ読めました。どうなるんだろうと思ったけど、見事でした。

[ベルガモットさんの感想 · 2024年1月1日]

T図書館 2008年 再読
映画化 2012年
第62回日本推理作家協会賞受賞

詐欺師の武沢とテツに、ひょんなことから同居人3人+1匹が増えた
債務整理屋から執拗に嫌がらせ
逆に仕掛けてやろうと画策する…

《感想》
軽く読める文体
くすっと笑えるジョーク
主人公の武沢をはじめ、みんなが悲しい過去を背負っている背景もバッチリだった
コンゲームのエンターティメントだった

あれもこれもあの人が仕組んでいたというのが、あまりにもきれい過ぎて少し脱力感があった
しかしよく考えると、あの小さな詐欺も全部騙していないとまとまらない
結果論としてこれが最善なのかも

本から思い浮かべた武沢像は華奢な人
映画は見てないが阿部寛さんではないな
詐欺師なんだから目立ってはダメでしょう

[ライオンBOOK(ミステリー)さんの感想 · 2023年12月31日]

面白かった
最後はどんどん伏線を回収していくのだけど
少し信じがたいこともあるけど
エンタメとしてすごく楽しめた作品

[りんごさんの感想 · 2023年12月23日]

まんまと騙された！
最後伏線回収していく流れがスピード感あっておもしろかった。

登場人物同士の会話のテンポも良くて、途中途中でクスッと笑える。

最高のエンタメ小説。

[よたさんの感想 · 2023年12月20日]

道尾秀介さん、大好きな作家さんです。
読んでいる途中に感じる、ほんの些細な違和感が、最後に全部回収されるこの感じ。たまらないです。
500pという厚みがゆえに、買ったまま積んでいたこの本でしたが、読んで良かった。
ミステリってやっぱり面白い！そう再確認させてもらいました。最近読書から離れていたけれど、またぐっと本の世界に引き戻されそうな気がしています。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。