カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
- 講談社 (2011年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062769778
感想・レビュー・書評
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「人間はどれだけ騙されて酷い目に遭っても、人間を信じて生きていかないといけない」このセリフが最後の方で語られる。ある日突然お金と家族を犯罪者に強奪されるという、近年割と身近な恐怖と復讐劇が二転三転として主人公が更生していく物語。
社会の闇の部分(超昭和)なんて知らないで済めばそれに越したことはない。今の世の中もっと明るく楽しい書籍やアニメ、映画などいくらでもある。知って苦しむくらいなら読まなくていいと思う。読書共感力高めの方にはおすすめしない。コメディ風だが、内容はヘビーで落ち込む。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少し前のブクログ通信にあった「どんでん返しが見事な小説5選」から1冊買ってみた。
タケさんにテツさんが加わって、それからまひろ、やひろに貫太郎と5人が揃って色々あるまでに300頁が費やされ、実際に相手を引っ掛けていくのが残り200頁って何だかおかしいと思っていたが、そういう訳だったのね。
まあ、ああと思わされたのが実はこうだったというのが大小連なり、まずまず倦まずに読んだけど、全体的に何だかいじましくて、“コン・ゲーム”に期待した痛快爽快さや知的さみたいなところはもうひとつ。
テツさんがヒグチを嵌めて6,000万円せしめた手口のほうを読みたかったな。 -
3年ほど前に職場の先輩に勧められて映画を観ました。
が、内容を全く覚えておらず小説を手に取りました。
カラスの親指ってそういう意味だったんだ!と納得した記憶はあるのですが。
おかげで主人公だけは阿部寛で脳内再生され続けました。
こんなにはらはらどきどき、もどかしい気持ちになりながら読んだ本は初めてかも知れません。
勘がいい人は、この本のカラクリが分かってしまうのでしょうか?わたしは最後の最後まで、完全に騙されてしまいました。
結末を知った上でもう一度読み返したら、また新たな発見があるのかもしれません。
カラスの親指、タイトルに改めて納得です。
伏線回収して最後にすっきり、みたいな本が好きな方におすすめです! -
道尾秀介先生、かなり好きになりました。
4作連続の好評価。
基本的に、暗かったり重かったりしないので、軽い気持ちで手に取れる。けど、読み応えはあるところが良い。
この作品は、解説に書かれていたご本人のインタビューにあるように、読み手によっていろんな読み方ができる気がする。例えば、作品中に散りばめられた100の情報のうち、90とか100読み取れればもちろん面白いけど、それが80でも70でも、なんなら60や50でも、楽しく読めるのではないでしょうか。
それ即ち、最高のエンタメ小説だと思います。
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秀逸の作品。普通に読んでも面白いのに、最後にそんなトリックが待っているとは。
コンフィデンスで某ドラマから何かあるのかな、とは思ったけど、忘れた頃にやられた^_^ -
ラストまでの駆け抜け方、終わらせ方めちゃ満足
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騙されましたねー!
優しい詐欺だった。 -
それぞれ違う詐欺師が結託し、闇金に仕返しを挑む話です。他人なのに家族のような空気感にとっても心が温まりました。終盤はコロコロ転がされるような、どんでん返しに読む手がとまらなくなり、、
読了後すっきり、ほっこりする作品でした。