カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769778

感想・レビュー・書評

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  • なかなか面白いコンゲーム小説。過去を引きずり、詐欺を働く二人組の中年が、ひょんなことから若い女性二人と男一人と同居を始めるが…

    五人が企てた人生逆転を賭けた大勝負。傑作映画『スティング』ほどのスカッと感は無いが、日本人らしい結末。

  • いや〜まさに「やられた!!」となった快作です。
    本当にやってくれました…
    もう大した感想が出てこないですが、本当にスカッとします。しかもスリルが半端ないのも最高な点。緻密な伏線にも気づけませんでした!
    私の昨年のNo.1作品です!!
    心を込めてオススメするので、ここまで私のくだらなくて内容の薄い感想を読んだあなたに、ぜひ読んでもらいたい✨

  • ほんと中盤、いやラスト前まではううーってなりながら読んでたらもうラストにうええ!?ってなりました笑
    やられましたね。いやー良かったー。
    道尾秀介さんのを今まで何冊か読んだのですが、いまいち私の好みではなかったので今回もかなと思ってたらこちらの作品は良かったです。

  • 苦手な裏社会かぁ。。。詐欺師かぁ。。と
    途中で何度かやめかかってますが、
    好きな人が多い作家さんだし、元気な日に耳読してます。
    憎めないふたりの軽妙なやりとりがいい感じ。

  • 最初から最後まで面白かった。
    ページ数が多い小説は物語に入り込むまでぼーっと流し読んでしまう事が多いが、
    この作品は最初から物語にのめり込ませてくれた。

    最後の展開は全く予想もしなかった。
    すっかり騙された...
    そしてほろりと感動した。

    とてもよい気分だ。

  • こんなにいい話だったとは。闇金業者にどん底に落とされた中年男、武沢とテツさん。2人はショボい詐欺を繰り返して生計を立てていたが、かつての闇金業者からの復讐に怯えることとなる。読んでいて、これ何の話??と着地点が見えないこともあったが、テンポも良いし文章が面白いのでグイグイ読み進める。そして英単語が得意でイルカ顔のテツさんが何だか可愛らしくてニヤリ。多少のご都合主義・怒涛のどんでん返しも安っぽく感じられなくて良かった。私の中ではミステリーというよりヒューマンドラマかな。面白かった。

  • すごくおもしろかった。エンタメ小説を極めたような内容とその充実度で、道尾秀介さんの作品の中では1番好きな作品になった。
    無理矢理話の都合を合わせたような描写もなく、すべての結果に納得できる要因があり、その緻密さに驚いた。
    「向日葵の咲かない夏」という振り切ったイヤミスものから、読後に爽やかになれるこのような中身の本までの振り幅がすごい。

  • 「アナグラム」
    私にとって、この本は、「どんでん返しがすごい」なんてことを楽しめる本ではなかった。

    読後感が爽やか?
    どこをどう読めば、そうなるのか。
    なります。
    アナグラムさえ考えてしまわなければ。
    笑えますね、各所で。
    私は笑えなかった。
    色んなシーンがそれぞれに重く、最後は、爽やかさではなく、哀しさが一層強調されて、強調されたがゆえに、私という読者はふっと少し重さが軽減された。

    駄作であると、貶しているのでは決してありません。
    この本は、読む人それぞれで、違う本になり得る。
    読む人それぞれで、違うジャンルに分類され得る。
    作者の意図は、寧ろそこにあるのではないかと思ってしまう。
    こういう本は、たまにあります。
    こういう本を書けるのは、まさに作者の才能、異能。
    皮肉ではなく、道尾秀介という作家は、本当にたいしたものだと思います。
    出会えて良かったと思います。

  • 久しぶりに達成感を感じる読後感でした。
    借金取りに追われて家族を失い、詐欺師として生きてゆくことにした主人公のもとに、不思議な縁で同じように苦しめられた人たちが集まります。
    もう、負けたままでいるのは嫌だ、とばかりに闇金業者に逆襲を計画します。暴力では決して敵わないので、「頭」を使う詐欺師ならではの方法で。

    実は登場人物たちの過去にはそれぞれに因縁があったり、「あっ」と驚くようなどんでん返しがどんどんと続いたりと、決して短くない小説ですが、ページをめくる手が止まらず、一息に読み切ってしまいました。

    こんなに気持ちよく「騙された」のは久しぶりかもしれません。復讐劇の展開は爽快ですし、迫りくるピンチは緊張感があります。そして結末も見事でした。

  • カラスの、親指。
    by rule of crow’s thumb…
    タイトルの意味で見抜けないかなと思っていたが、読み終わってタイトルを見たら全く違って見える。すごい〜

    昔読んだ「向日葵の〜」以来だったが、つらい過去の描写、トサカの描写…じめっとして気味の悪いこの雰囲気、思い出した。
    字面だけでこのリアリティ、さすが道尾さんだ…と思った。その正体が何だったにせよ…

    “アルバトロス作戦”にて、逃げから騙す方に変わる瞬間、ぐっと引き込まれる感じがあったが、すっかり丸ごと騙されていたとは。

    記憶を消して、テツさん目線のストーリーでも読んで驚きたい。

    種明かしが最高に気持ちいい作品でした。
    すでに、未読の「カエルの小指」のもつ意味に想いを馳せつつ…。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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