ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2012年4月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772242

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ああなんて恐ろしいものを読んだのだろう。なんて恐ろしいものを書いたのだろうこのひとは。そう思った。こんなにしんどーい気持ちになったのは、少なくとも、本を読んでということになるとはじめてかもしれない。
    「ぼくのメジャースプーン」で描かれた「悪意」と「勇気」の物語の根底にみつかる「どうしようもないこと、よのなかにあふれている悲しみ」がこの物語にも、ファンタジー要素なく描かれている。
    チエミはわたしのまわりに、いる。こんな子、多少の個性のちがいはあれど、ありふれている、つまり私自身でもあるし、親友である彼女でもある。
    みずほが「なぜわたしではなかったのか」と問うが、母との関係から救われない世の中の女にとってそれは、切実な叫びだ。
    最後に救われるという表現の帯なのだが、…救われないよ?なんら救われないよ? と思う。決して物語が嫌いなのではないのだけれど。物語を通してみた現実は、あまりに暗澹としている。

  • 母親を殺し行方不明となった幼なじみを捜すみずほ。かつて彼女と関わりがあった人物を辿り話を聞いて行く。女性同士ならではの力関係、辛辣さ、それぞれの現状。母と娘の複雑な関係性と愛情。表面的に受け取る犯罪の裏側にはこういった事があるのかもしれない。

  • アラサーの女性は全員読むべきです!(断定w)
    幼馴染みとこの本を読んだあと、本作をおかずにお互いの母親との関係の悩みについて何時間も語り合いました。
    答えは出ませんが、この本に救われた気がします。

  • 圧倒的な女性の世界を舞台にした小説。
    ここで描かれた世界は女性なら共感できるのでしょうか?

    妬みや僻み、恐れ、そして計算。思惑の渦があちこちに潜んでいて、でも一方で男性にはない強い繋がりが生まれたりもする女性の世界。
    その渦が生んだともいえる悲劇は予想もしなかった結末を迎えます。

    「何もない」と思ってしまう弱さと、他人のために走りきれてしまう強さを持っている女という性。比べると、男性は単純だなぁと思ってしまいます。

    女性コミュニティの特徴がゆえにもたらされた悲劇ともいえるのに、読了後は感動に似たような、なにか込み上げるものがありました。
    惜しいのは、私が男だったこと。年月は違っても女性として生きてきたならば何倍も楽しめる作品なのではないかと思います。

  • この本は、家族とは何か、普通とは何か、というのがテーマなのかな。
    チエは、お母さんとの関係変だよって言われ続けるわけだけど、みずほは、意外とその親娘関係を否定していない。それは、おそらく自分のような親娘関係に比べたら羨ましいものだったからかな。
    私はどちらかというとチエに近い親娘関係だと思うけど、まぁまた違うよね…あそこまでは従順ではないからな(笑) でも、ほんとに普通の家族なんてないよなって思う。

    もうひとつテーマだったのが、自分自身についてだったのだけど、これに関しては、なんていうか、ずっと都会で育って当たり前のように打算的に生きてきた私にはなんか共感のしようがないって感じかな…!
    チエみたいなタイプは逆に純粋培養すぎて羨ましいけど、仲良くはなれないなぁ。一方、及川亜里紗や神宮寺みずほも、打算的だけどなんか純なところがある感じ。
    これ読んでると、自分自身は純粋培養の打算な人間なんじゃないかって思う。そんなことにいちいち心病んでらんないよ〜って、自分がこの場にいたら多分何も感じないだろうなって場面がいっぱいあった。
    でも、最後の参考文献を読むと、これって書いた当時の風刺的な部分があるのかなって思った。大学で勉強したことが多かったし。(負け犬とかね。)
    だから、私が打算的な人間すぎるっていうよりは時代の流れ?今時そんな結婚にとらわれないっしょ。まぁでも地方だとまた違うか。

    翠ちゃんはよかったなぁ。羨ましい。こういう人好き。
    でも、私はこういう人には好かれないんだろうな。

    そして、私はこの話が今までの話とどこがリンクしてるのか全然気づかなかった…!(笑)

  • 辻村さんらしく、
    女性の内面を描き、
    それでいて読みやすい書き方で、とても楽しめました。

    らしさの例をあげると
    1つの言葉に対しても、それに隠された意味、解釈の仕様をいくつも並べていたりとか。
    それでいて主人公が、そこ言動の意味を裏の裏まで気づいた上で、また表と裏を分けて行動するところとか。

    文章力がないのでうまく説明はつきませんが、この作品を理解するには、きっとまだまだ私は幼いなぁと感じます。

    また、緊張しているシーンはこちらも息を呑み、胸がキュッとなるくらい生々しく、臨場感あふれます。強弱があって飽きることがありません。

    この作品で重要な1つが「母娘」でした。
    読んでるうちにどうしても自分の環境と比較してしましたね。いい機会でした。

    最後は希望を持てて終わります。青空を見上げるようなすっきりさが残ります◎


  • 文庫で久しぶりに積み読み。
    辻村さんの書く女は何故ここまでもリアルなのだろう。女同士の友情と常に紙一重である嫉妬、勝ち負け、煽て。
    自分の過去にも今にも当たり前にありすぎる感情を事細かに文章として、小説として見せつけられていっそ清々しい。
    女同士じゃ計算高い悪女より、計算なんかなく無垢で通している女の方が悪女より何故か疎まれると解説に島本理生さんが書いてたけどまさにその通り。
    それでも無垢な子をいい子なんだよね…と女同士で囲んで話す矛盾。でもそこに友情は存在する女の不思議。男性はこの小説をどう感じるのだろう。

  • 女性同士の難しい関係性がとても鮮烈にうまく描かれていた。
    それは本当に嫌になるほど覚えのある感情で、女性の心の醜さをすべてさらけ出した物語だなあと。
    もう少し歳を重ねて読み返すと、また違った感じ方をするかもしれないので、またきっといつか。

  • 女心を全く理解できないことを痛感した。

    裏表紙に書かれてあった
    「彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、
     全ての娘は救われる」
    を期待して最後まで読んだが・・・

    私の感性がズレているのか、
    全く救われた気がせず、ただただ哀しかった。

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)の作品紹介

事件を起こすなら、私のほうだと思ってた。

母を殺してしまった娘と、母との確執を抱える娘。どんな母娘(おやこ)にも起こりうる悲劇。

地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。

辻村深月2009年書き下ろし作品が待望の文庫化。

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