ゼロの王国(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772730

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の滑稽なまでに心が清く純粋なことに、ただただ驚いた。
    彼を取り巻く人物たちが、ひどく屈折して見えてしまう。だけれども、彼らの方が一般的とされる感情、思念を持つ人種のような気もします。
    純粋で鈍感なことは、ここまでいくと罪だと思った。
    人間の愛は、清いだけじゃなくドロドロとした穢らわしさもある。
    それは、仕方のない真実です。

    会話の多い文体は慣れないですが、テンポよく読めました。

  • ほぼ会話文だけかつ独特な文体でおもしろかったけど上巻だけでおなかいっぱいになった。

  • まだ半分しか読んでませんが、恋だの死だのが自分にはとても贅沢すぎると思ってる、友達みんなにすすめたい。

  • 登場人物は皆一様に芝居懸かった(丁度翻訳された海外文学の)ような話し方をするし、異様に長い会話がひたすらと(長い時は40頁近くも延々と)続くし、その上物語の展開における起伏に乏しい。小説としてこれだけ退屈しそうな要素を持ちながら、読みすすめてみると面白いのだ。
    どこに面白さがあるのか。
    読み手は往々にして、地の文すなわち小説の会話以外の部分の独白であったり、情景描写といったところで話の筋や登場人物像を捉える。地の文の圧倒的に少ないこの小説は、ほぼ会話だけでそれらをかなえる。そういった会話センスや新たな可能性に面白さを感じたのではないかと思った。
    ちなみにドフトエフスキーの『白痴』にインスピレーションを受けた著作だそう。主人公がまさに。

  •  「現代日本のドストエフスキー」…と思って読んでいたら、どうやらドストエフスキー『白痴』を下敷きにした小説らしい。面白い!

  • 何これ!
    喜劇?悲劇?舞台!?
    これ今までの私なら絶対読めなかったよ!
    われらが吉田青年はどこへ行くの?
    下巻へ。

  • 評価分かれる本でしょうね。
    今の気分に読みたい本ではなかったので、イマイチこの本の思想世界に浸れなかったです。残念ながら。

  • 台詞が多いと読みやすいかと思って買ったこちら。
    とんでもない!
    さすがにこの論調にはなっていません、今のところ。

  • 芥川賞にいま最も近い作家という、この帯につられて購入した一冊。

  • スペイン旅行の出発前に成田空港で購入。ローマまでの飛行機で読了。

    芥川賞に最も近い、という帯の文句とカバーに惹かれたのだが、予想外の内容だった。

    小説というより、舞台。ひたすら少人数での思想の議論であり、それが場を変えて繰り返されて上巻終了。

    不思議で評価に困る作品だ。議論は一つのテーマに集約されているようなので、議論を通して読者にもそれを考えさせたいのか。

    下巻も同時購入したので読んでみよう。

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著者プロフィール

1976年生まれ。1999年、「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、『ゼロの王国』で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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