騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882101

作品紹介・あらすじ

プロの世界で長く生きてきたのだから、いつ、どこで、どういう形で引退しようかという

「引き際」は、この2~3年、常に頭の片隅にあった。

(中略)

これまで競馬界を支えてきたジョッキーたちが、実は2012年だけで23人もターフを去っている。

これは過去15年でもっとも多い数字だという。

1982年には252人いた騎手が、いまや半分近くにまで激減している。

厳しい試験をくぐり抜けて、ようやく憧れの騎手になったはずなのに、

なぜ、次から次へとこうもみんな、騎手を辞めてしまうのか。(序章より)


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2012年秋のマイルチャンピオンシップ。

レースの後、勝利騎手インタビューが行われたウイナーズサークルの中央には、

久しぶりの笑顔があった。

ユタカさん(武豊騎手)が、約2年ぶりにG1を勝ったんだ。

「お久しぶりです」

俺はもう家に帰っていたから、そのインタビューはテレビで見たんだけど、

何だかとてもさびしく感じた。

あの武豊をこんな状態にしたのは誰なのか――。(第4章より)


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ダービー、宝塚記念、有馬記念など、数々のG1を制してきた

藤田伸二が明かす、「伝えておきたいこと」。

感想・レビュー・書評

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  • 最近は競馬をほとんど見てなかったけど、武豊があまりぱっとしていない理由がよく分かりました。また、藤田の競馬界への愛情もよーく分かったかな。結構好きな騎手だし、こんな状況で引退してしまうのは勿体ないなぁ。
    #脚注に懐かしい馬の説明もあって楽しく読めました。

  • 競馬の見方が変わる。

  • 発売時から話題になってたので内容はおおよそ聞いていたとおり。時代の流れに抗う職人の本。都合の悪い部分はスルーしているし、悪いのはJRAという結論ありきで書いているので説明にハテナがつくものも多い。
    ただ、一時代を築いたこういう騎手がいて、こういう考えのもとでムチを置いた、ということが残されているのは大事なことで、その意味では非常に意味のある本。
    余談だが、いちいち「先生」に「テキ」のフリガナをふる必要はあったのだろうか。

  • 1時間程度で読了。
    藤田騎手の現役時代は知らないが、中身は面白く読めた。とにかくJRAが悪いとのこと…(笑)でもこれを現役時代に書いてるのだから凄いなと思った。

  • 趣味としての競馬に興味あり。面白さを垣間見れるのでは、と思い手に取った。レースに関する話だけでなくて、レースに至るまでの過ごし方、人間関係なんかも見えてくる。レースの裏側が見えて楽しく読めた。

  • 藤田が喋った内容を誰かが書き起こしてまとめたと思われる内容。武豊等、先輩ジョッキーを褒めるのはよいが、岩田騎手をけなすのはどうかと思う。確かに素行も悪そうではあるが。競馬界の内情も少しはわかり、それなりには楽しめた。

  • 筆者は1991~2015年にJRAで活躍した騎手。引退2年前に競馬会に物申すという感じの本です。今の競馬界の問題を赤裸々に取り上げていて、おもしろく読めます。
    難を言えば、対案が用意されていないので、単なる愚痴にしか聞こえないのが残念。組織批判は立派だけど、このままじゃ負け犬の遠吠えになっちゃうよ。

  • 次世代を育てることの難しい時代
    それでも傑出した騎手は登場するのだろうか

  • 藤田騎手かあ。昔、僕が競馬にはまっていたころに大活躍してたなあ、などと思いながら読む。
    なんと、武豊が最近勝ってない、など最近の競馬事情がよくわかった。

  • 騎手として、競馬界の衰退に物申した本です。
    著者のの言いたいことは、「競馬界全体が、目先のことしか考えていない」ということであり、「それを放置するJRAに問題がある」ということ。
    JRAを徹底して批判しています。

    引退を覚悟しているからここまで書けたと思います。

    競馬を知ってないとわからない本です。

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著者プロフィール

藤田 伸二(ふじた・しんじ)
1972年北海道新冠町生まれ。JRA騎手。
中学卒業後、牧場勤務を経て競馬学校入学(7期生)。1991年デビューし、JRA賞(最多勝利新人騎手賞)受賞。騎乗回数は1万4000回を数え、通算1829勝。
デビュー以来、武豊の27年連続に次ぐ21年連続重賞勝利を果たし、1996年のダービー(フサイチコンコルド)、1997年の有馬記念(シルクジャスティス)、2002年の宝塚記念(ダンツフレーム)、2010・2011年のジャパンカップダート連覇(トランセンド)、2011年の天皇賞・春(ヒルノダムール)など重賞93勝。
特別模範騎手賞、フェアプレー賞、優秀騎手賞など、表彰歴多数。
(記録はいずれも2013年4月1日現在)

「2013年 『騎手の一分――競馬界の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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