その鏡は嘘をつく (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 960
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933438

感想・レビュー・書評

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  • 誰が主人公か分からない、そんな印象は作者の意図したものだったらしい。最後はやっぱり主人公は夏目という展開だった。

  •  「天使のナイフ」を読んで違う作品も読んでみたいと思っていた。いろいろ雑事に紛れて一気に読み通すことが出来なかったが、やっと終わった。
    二冊とも同じ傾向を感じる。人間が持つ善意や、良心に触れる部分が、いい読後感に繋がっている。


    エリート医師が殺害された。犯人に近いと思われる予備校生が姿を消した。検事の志藤と刑事の夏目が、真相を追って捜査を始める。
    二人の人柄の違いや、異なった立場から、輪郭のはっきりしない事件に向かっていく姿が興味深い。

    志藤は直感と鋭い分析力で、犯人を割り出す。理詰めで行くと犯人は逃れられない立場になる。

    殺された医師は、今の地位を手に入れるために何をしたか。志藤の挙げた被疑者は間違いがないのか。

    殺害された医師の発見のために騒ぎを起こした予備校生の真意は。


    病院経営者の両親を持って、恵まれた富裕族の子弟は、病院を継ぐ運命のために、医師を目指して予備校で教育を受ける。全ての子どもが医師に向いているとは限らない。運命と自己の間の葛藤を利用して、殺された医師は何をしたのか。

    事件をはさんで志藤と夏目の人格の違いや、事件の背後の人たちの苦しみが、暗いながらも読みきる力になる。

    哀切な話もあって解決するが。真実や人生の深みは余り望みすぎてはいけない。

    上質のエンターテインメントとして十分書ききれている。素直に感動的なシーンを受け入れて読み通した。

    他の作品も読んでみたい。

  • 山場もどんでん返しもなく今ひとつ。

  • 入り込めなかった。。

  • 登場人物の視点がころころ変わる割には読みやすかった。

  • 読後はやりきれぬ想いにさめざめと泣きたくなることも多い薬丸岳。本作もそれを想定して読み始めました。

    エリート医師が、妻も知らぬ別宅で首を吊って死亡。その別宅が鏡張りだったことから、変態的な性的嗜好の持ち主かと思われたが、ある検事が他殺と断言。一方、別の暴行失踪事件を調べていた刑事。やがて双方が結びつく。

    非常に面白くてどんどん頁が進みましたが、それでこのオチかよと苦笑。少なくとも『刑事のまなざし』を読んでからでなければさらに感動度は下がりそう。タイトルもしっくり来ないし、帯の「泣かずにはいられない」もこのオチに呆然のほうの涙かも。拍子抜けだったので、シリーズの次作品『刑事の約束』にむしろ期待します。

  • 2017.6.11読了 64冊目

  • この作品は大ハズレ
    帯に泣かずにはいられない!とあったが?!泣く人はいったいどこをどう読んで泣くのか?!全く理解に苦しむ
    合間にチョイチョイ挟まってくる幼女殺人事件の時系列もおかしい
    あー、時間の無駄
    本来なら☆はゼロとしたいところ

  • ここをサボっていたので二回も読んじゃった。

    普通。でも泣けた。

  • 夏目シリーズ2作目。いつもの夏目さん。対照的なキャラだけれども検事の志藤さんも素敵。

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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