その鏡は嘘をつく (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.49
  • (36)
  • (100)
  • (134)
  • (20)
  • (4)
本棚登録 : 960
感想 : 95
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933438

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こういう人は医者になっちゃいけない、目指しちゃいけない、そういう人がたくさん出てきて読後はやや疲れ気味。殺された理由を知ればもっと疲れて、殺人はいけないけど、コイツは…とか思えるほど。夏目さんの事件を見つめる眼差しは相変わらず優しく深く鋭い。志藤さんもあまり好きにはなれないキャラでした。夏目さんに癒されます。彼もまた深い悲しみを持った人なのに、なんて穏やかなキャラなんだろう。内に秘めたるものは分からないけれど、彼に惹かれて続きも読みます♪

  • 「刑事のまなざし」夏目刑事第二弾。

    鏡張りの部屋で医師の自殺が見つかる。
    実はそれが他殺であったのでは。

    それを志藤検事と夏目刑事の目線で追いかけていく。

    謎解きは面白かったが、そこに至る動機がどうも弱くて違和感がありました。
    「刑事のまなざし」の事件がストーリー上出てきたのがよかったです。

  • 人それぞれ幸せの形も不幸の形もちがうのでしょう。その人自身の幸せを探していくしかないんじゃないでしょうか

  • 実際には星4.5くらいか。
    相変わらず主人公である夏目の一人称は一切なく、全て他人の目線で夏目が描かれているところが、他の小説と比べて画期的。
    特に今作は、検事の志藤がかなりの活躍をみせていて、主人公的ポジションになっている。
    次作では彼の父の事件も明らかになっていくのだろうか。

    序盤は色々な事件が出てきて混乱したが、途中で繋がってからは途端に読みやすくなった。

  • 夏目シリーズ。志藤検事登場作品。犯罪の起きた謎を動機の面から解き明かしていく。最後の容疑者と検事のやり取りに感動。エピローグに書かれた事件を左右した少年と夏目の会話にも心が震えた。

  • 鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師の死をめぐり、切れ者検事・志藤と異色の刑事・夏目の推理が交差する長編ミステリー。
    多すぎる登場人物と人物造形の浅さに落胆する。作者の初期作品にはもっと憎しみと悲しみを持つ主人公が、理不尽な社会を訴えるようなストーリーだったのに。社会派ミステリーは時代の需要がないのかも。

  • 鏡は今の自分を映し出すものじゃないかな。
    落ち込んだ時には落ち込んだように見えるし、情けなく思っている時にはそんな風に映る。
    そんな時には鏡なんて見なくていい。きみよりきみのことを見ている人が必ずいるんだから。
    きみが気づかないだけで、きみがいることで救われ、きみのことを必要としている人がいるんだ。



    エピローグの夏目刑事の言葉。
    どんなときも強く生きるなんて難しくて、間違った道を歩いたり自分自身を受け入れられないときがあったりする。
    弱った人たちの心に寄り添う温かさを感じた。

    真実を究明するのも刑事の仕事だけど、それだけじゃなくて心に光をもたらす仕事でもあってほしいなぁと。

  • 「刑事のまなざし」夏目刑事シリーズ。痴漢疑惑の渦中にあるエリート医師が不審死。直後に医学部受験を控えた青年が失踪する。人間の心の闇や優しさを鋭く描く筆者ならではのストーリーだ。夏目刑事と志藤検事との推理対決がおもしろい。真相追求のさえは双方ともすばらしいが考え方や真相への迫り方は対照的だ。

  • 夏目刑事シリーズの長編小説。
    2つの話が徐々に絡み合っていく展開は好み。結末に対しては、大きな驚きよりも話の作り込み方に感嘆した。
    志藤検事が対象的なキャラでなかなかよい。3作目を先に読んだので、前日談的な読み方になってしまったのは残念。

  • 鏡に囲まれた奇妙な部屋でエリート医師が自殺した。
    自殺したのは痴漢の汚名を着せられ嫌疑不十分で釈放された直後だったが、その死を他殺と疑った検事・志藤は独自に調査を進める。
    同じ頃、所轄の人情刑事・夏目はある手がかりから真相を探っていくが・・・。

    「刑事のまなざし」の夏目刑事が再登場。
    前作が良かったので、今後もシリーズ化してほしいと思ってました~。

    今回は、夏目刑事と志藤検事の推理が交互に展開されていきます。
    真実を明らかにするという目的は同じなのに、正義に対するアプローチが異なるために捜査方法が違う二人。
    そんな二人の視点で事件の核心に迫っていく展開は緊迫感があって読み応えがありました。

    人の心に寄り添いながら捜査を進めていく夏目には相変わらず感情を揺さぶられましたが、今回は志藤検事のほうが出番が多いので夏目刑事の魅力があまり発揮されてない気がしました。

    終盤も駆け足気味のせいか、ちょっと雑な感じで残念。
    「鏡」というガジェットもうまく使いこなしていないし、人物の掘り下げも足りないので受け入れがたい真相にはリアリティを感じることができないんですよね。

    次回作を楽しみにしたいと思います。

全95件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

薬丸岳の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×