小説の神様 (講談社タイガ)

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著者 : 相沢沙呼
  • 講談社 (2016年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940344

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小説の神様 (講談社タイガ)の感想・レビュー・書評

  • "「小説は…。きっと願いなんだと思う」"

    前評判でもいい!というお話を聞きつつ、でもダークな深くて暗いところも多いと聞いていたので本当にその通りだなと!

    小説が好きな人ってきっとたくさんいて、私だってそのうちのたった一人の存在にしか過ぎない訳なんだけど、小説好きな人の心にすごく響く作品であるなと思いました。

    明るいラストに持っていくためなんだろうけど、暗い悲しいシーンもちょっと多め。就活で出版社を主に志望してたけど、出版業界のことを読むにつれて、進路を考え直すきっかけにもなりました。(あまりいい方向ではないかもだけど)でもこうした事情を知った上で、それでも出版がいいと思う人だけが生き残って、そんな人たちだけに許されるのが活字に願いを乗せて人々に届けることなんだろうなと思いました。

    "わたしたちは、言葉を伝えたいわけじゃない。言葉では遅すぎる。言葉では不自由すぎるのよ。だから、言葉だけでは伝わらないことを、表現しきれないことを、一つの物語に編んで届けることしかできない。"

    千谷くんも小余綾さんも、小説を愛するからこその行動と言動であり、それを愛するがゆえに曲がった感情を露わにしてしまうシーンもあって、小説はそれだけ奥が深いことを思い知らされました。物語を読むこと。この単純な娯楽活動が
    私の中でもっと大きな意味を持つきっかけになりました。

  • タイトルでのジャケ買いである。
    内容は主人公の一人称のようで、主人公の具体的な描写やまわり風景の情景の伝える言葉が少なくライトノベルテイストという感じだった。
    それでも登場人物たちの心の動きの描写は美しく描けていると感じられた。

    『小説の神様』はわたしも考えたことがある。
    正確には小説家はみんな神様なのだと思う。小説家はみんな自分の世界や登場人物を作成し、それを物語として本に表現していく。それは世界創造であり、神様なのだと。
    わたし自身も好きな小説の終わりは寂しい。シリーズものだと特にだ。
    もうこの登場人物たちの成長した姿に会うことが出来ないのか、と思うと無性にさみしくなる。物語が終わってほしくない、と願ってしまうほど。
    そういった想いをさせてくれる小説の物語、その作成する小説家はやはりすごいのだと思う。
    図書館へ行けば、本屋に行けば、存在する小説の数だけの世界がそこに幾つも広がっている。
    (わたしはそう捉えている人間である)
    作中でも触れているが、幾つも店頭に並んではいるが、それでも店頭に並ぶことさえなかった物語もあったのだと思う。
    作者がいなければ登場人物たちは生まれない、読者がいなければ登場人物たちの物語は進まない。
    そう考えるとこの世に存在する物語全てが愛おしく思えませんか?

  • 小説のタイトルからすると、結構明るい話なのかと思ったら、
    案外暗い話だった。とにかく主人公が暗い感じ。
    「なぜ小説家は小説を書くのか」というテーマを縦糸に、
    それぞれの登場人物の内面があったりで、
    話としては面白かった。
    あと、「どうして泣きたくなるような本を人はわざわざ読むのか」
    というエピソードがとてもよかった。
    内容的にはシリーズにもなりそうでもあるし、
    中を読んでみると、このまま単発で終わる小説でもいいのかもしれない。

  • 本屋で目につけて久しぶりに電子書籍ではなく文庫本にて読了。
    2人の小説家が紆余曲折ありながらも一つの作品を完成させていく物語。
    細かいところまでの心理描写があるのが少し読みづらさを感じたものの青春文学で最後は爽やかに到着点まで辿り着いている。
    主人公の心理描写は複雑で激しいものだったので、その姿が逆に日頃の自分とはかけ離れていて自分自身を安心させてくれた気がする。

  • こんなに高密度な物語がどれだけあるのか。
    厚みの割にかなり長い時間をかけて読んでいた気がする。
    にも関わらず途中で本を置くこともなく、それほどに引き込まれてた。
    気付いたら朝だった。

  • 本屋で割と派手に宣伝してあったが確かに面白かった。主人公の感情の起伏が鬱方面にだけ激しくて似たような展開になるのが気になるが、登場人物たちの感情をぶつけるようなストーリーと描写にはこちらの感情を揺さぶるものが詰まっていると思う。読んで損はしない作品。

  • 壁にぶちあたったときの絶望だったり、挫折だったり。
    同じ学校へ通う二人の商業作家か合作って、明るいラノベだったら、喧嘩したり恋愛したりなのかもだけど、これはヘビー系でした…
    少し気分が上昇しそうで…というところのだめ押し的な無力感がつらい。
    でもこれを越えないと本当に欲しいものは手に入らないんだろうね、現実でも。
    壁にぶちあたった子によんでほしいかなぁ。

  • 「小説」が読みたくなる小説。終盤に書かれた「本を読む理由」はぐっと来る。

  • 高校生である売れない作家千谷一也と人気作家小余綾詩凪が共同で作品を書くことになる。それぞれ悩みを抱えているが、対極の位置にいるがゆえに、お互いの気持ちはすれ違い、2人の関係は一進一退の状態。小説が好きだからこそ、一也の言葉の数々は胸に刺さった。小説家には、書きたい物語がある一方で、売り上げという現実があるということに改めて気づいた。

  • 高校生小説家だけど、最近全然売れなくて打ちのめされている主人公のところに現れたのは、同い年の売れっ子高校生作家。もうオレは小説を書けないと現実に悲観的になっている彼に、彼女は小説の魅力を語り共作を持ちかける。「何のために小説を書くのか」「読者が小説に求めるものって?」作家だけではなく読者にも何やら深く考えさせる、でも重苦しくなく読み進められる青春小説でもある。

  • 表紙のイラストがライトノベルチック。
    会話のテンポが良く、ボケツッコミなどの笑える要素もあるので、軽く楽しめるものかと思いきや、後半になるにつれ重くなってきた。
    正直、その重さが辛く、読むペースが落ちてしまっていたが、最後は上手くまとまってくれてホッとした。
    小説家という職業の、気にもしていなかった部分をつきつけられたが、知れて良かった、とも思った。

    二人が書いた小説も読んでみたい。
    これは続きが出るのだろうか?
    映画化してもおかしくないと思う。

  • 作中で繰り返される「読者は日陰者を好まない」という主人公の主張、実際のところ程度の問題だよね。日向主人公を好む読者の方が多いとしても日陰主人公にも確実に一定の需要はあるわけで、そういうニッチを狙うという観点を誰も持たないところにちょっと疑問が残った。

  • すきなんだなぁ~相沢沙呼さんのテンポ。
    せりふのテンポがすごく好き。進行役の僕の心の声が絶妙。
    これホント!
    マンガだと噴出しを読む順番が人によって違うし、アニメじゃテンポがズレそうだし、ドラマじゃセリフとナレーションで映像と言葉がズレそうで。
    小説で読む順が決められていて、かつ読み手のテンポで進行できる小説だからこそ、言葉の掛け合いが活きている気がする。
    活きている。
    活き活きしている。

  • 表紙やあらすじを読んで軽く読める小説と思ったのが大間違い。読み始めてすぐに筆者の流麗な言葉選びと文章によって作品に引き込まれる。
    主人公は学生で作家デビューしたにも関わらず作品の売り上げは悪く「自分は売れない作家」「小説に人の心を動かす力はない」と吐き捨てる。売れっ子の女子高生作家と合作することになるが、売れる作品にこだわる主人公と小説の力を信じるヒロインとは対立してばかり。その際に主人公が語る小説や出版業界の置かれた状況があまりにも切実で一読者として考えさせられるところがある。
    それでも、物語が進み主人公とヒロインの背景が明らかになるにつれてページを繰る手が止まらなくなる。
    世の中は辛いことやどうしようもない悪意が存在しているし、みんなが生きやすく生きられるわけでもない、だからこそ、物語の力で少しでもその世の中を渡っていけることを再認識させてくれる作品だと思う。

  • 僕は小説になり得ない人間だ。
    学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評されて売り上げも振るわない…。
    そんな時、物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に、同い年の美少女人気作家・小余綾詩凪(こゆるぎしいな)が現れる。
    彼女と二人で小説を合作することになった僕は、悩みながらも再び小説を書こうとするが…。

    正直、読んでて辛かった。
    物語の三分の二がずっと主人公の自己否定で、顔の見えない人のネット批判は信じるくせに、顔の見える身近な人たちの好評は全く受け入れないこの卑屈っぷり。
    「何のために小説を書いているの?」と問われて、「お金のため」って言っちゃうくせに、他人の評価ばかり気にするし。お金のためなんだから割り切ればいいじゃん!って思うんだけどねぇ…。
    おまけに名前が読みにくいヒロイン・小余綾詩凪はツンでクールでキッパリさん。最後には弱い部分も出てくるけど、そこに至るまでに主人公にかけてきた言葉は中々キツイ。間に挟まれた成瀬さんは結構可哀想だったと思う…。

    でも読んでて辛いって思っちゃったのは、それだけ主人公に共感出来たからだろうなぁと思います。
    最後はちゃんと二人で自分たちの問題を乗り越えて、救いが見えたので良かったです。

  • 現役高校生の、売れない商業作家の喉元に「なぜ書くのか」「なんのために書くのか」と刃の切っ先のような問いを突きつけて、それに対する答えを考える話。
    自分の作品を自分で書きたい、という気持ちが先に存在しているのだろう。
    その上で、商業で書き続けるための大義名分を探しているようで、胸に刺さった。
    ただ「生活費を得るため」ならば、他の仕事を探す方が賢明だと思っていて、実際にアルバイトしている辺りが本当につらい。
    これから売れるようになるのか、不安しかないけれど、書くのが好きで、書きたい気持ちがあれば、一度は受賞して才能を認められたのだから、きっと……! ーーなんてのは学生だから許される綺麗事のように思えたのは、私が社会人だからだろう。
    「読んでもらえなければ、売れなければ書く意味がない」と言うのはさもしいけれど、でも紛れもなく生活者の真実で、苦しいと思った。すごく、苦しい。

  • 2016/11/12宝塚西図書館から借りた。
    「午前零時のサンドリヨン」以来の再会です。
    所々に難しい字で、表現されるのは癖ですかね。
    少し小難しい表現と、

  • 起承転結が分かりやす過ぎてまるで小説の教科書のような感じ。つまり、現実感がなく作り物のようで感情移入することはなかった。

  • 「好き」だけでは、どうにもならないときが、いつか来てしまう。愛情を注ぐほどに、執着するほどに、痛いほど思い知らされる。
    「才能」という言葉で逃げ出したくなる想い、けれど本当は…諦めきることもできない。
    それはなぜなんだろう。
    等身大の登場人物が愛しくなる一冊でした

  • 大事なものは、ちゃんと入ってる、と思う。高校生くらいなら全力で揺さぶられてしまったかも。ずいぶん冷静に読んでしまったのは大人になったのかな。それはそれで少し残念だなと思う。

  • 売れない作家の心の叫びがちょっとうざいし、そんなマンガみたいな都合のよいヒロインいる訳ないだろうと、あえて星一つ付けてやろうかという意地悪な気持ちも湧きそうになるが、すっきりと読めたので星三つ。

  • 読むのが苦しくて辛くて何度も途中で放り出そうと思った。けれど、もう少し、もう少しだけこの子たちを見届けようとページを捲るうちに最後まで読むことが出来た。ラスト、彼らの小説家としての道に仄かな灯りが灯されたけれど、頼りない光はこれからも何度も消えてしまうに違いない。不器用な彼らには何とも孤独で過酷な仕事なのだろう。

  • 後半は勢いと叫びに手が止められなかった。
    売れる売れないという現実的な問題はあるけれど、とりあえずこうして色んな作品が今も本屋に溢れてるってことは作者さんたちが綴り続けてくれてるってことで。
    そこに感謝したくなる。
    そして売れてるのも売れてないのもジャンルも問わず、いろんな作品を手にして読み続けたいなぁと思った。

  • 売れない学生作家、千夜一也と転校してきた人気作家、小余綾詩凪が合作を書きながら成長する話。

    前半、確かに、作者が投影されすぎて、自分を卑下しまくる主人公が好きになれなかった。しかし、読んでいく内に、ここまで作者が投影されていたからこそ書けた作品なんだと思った。

    在り来たりな話ではあるのかもしれないが、ページを捲る手が止まらなかったし「物語の断絶」についての作者の強い思いが伝わってきたように思う。

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小説の神様 (講談社タイガ)の作品紹介

いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!

小説の神様 (講談社タイガ)のKindle版

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