富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160435

感想・レビュー・書評

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  • ブクログの抽選に見事当たり、早速読みました。
    とても面白かった!
    火山などの事に詳しくなくてもどんどん読み進めることが出来ました。
    自分の身に起こりうることを分かりやすく解説してくれて
    良かったです。
    やっぱり自然の力には抗えない。現代の社会は形だけで、
    実はとても弱いんだと思った。

  • 2030~2040年の間に確実に南海トラフ大地震が起こると思っておいた方がよい。
    地震に対する対策は東日本大震災の経験もあり、ある程度できるだろう。しかし富士山噴火に対する対策は現在のところ逃げることしか思い付かない。
    富士山は噴火しないだろうというのは根拠のない楽観的観測だ。富士山も過去の歴史を見ればいつか確実に噴火する。しかも南海トラフと連動する可能性が高い。最悪、山体崩壊もあり得る。経済損失は計り知れない。
    常に対策を考え続けることが大切だ。考えているか考えていないかが生死を分ける。

  • 地学の専門家がこれから起きるであろう富士山噴火さらには南海地震について詳細に述べた本。影響範囲を幅広く記載してるあたり、非常に有用な本ではないだろうか。下手なハザードマップより参考になると思う。
    私は鹿児島の人間でもなければ、噴火に立ち会ったことはないが、この本を読んで、自然災害には備えたいと思った。

  • 息子が地球科学科を受験するというので、読んでみた。科学の入門書はやはり定番ブルーバックスでしょと、中でも出版年が新しい物を選択。著者は地学のみならず科学の伝道師として広くご活躍されている先生のようです。確かに読みやすく分かりやすかった。

    仕事上、国の防災会議が出す地震発生確率の長期評価や津波の被害想定、自治体のハザードマップや地域防災計画に目を通してはいて、自然災害については一通り分かったつもりになっていたが、こうして体系的に噴火や地震という事象について読んでみると、表面的な結果だけをなぞっていたんだなという自らの浅学さが分かる。専門家ではないので、すべてを知る必要はないが、専門家たちがどのようなモデルや調査手法を用いていることは知っておくべきかなと。予測や想定の数字を小難しい解析をして出してはいるけど、そもそも論としてモデルや調査精度がどうなのよ?という事実もありそうだし。
    地学だけの話じゃなくて、コロナ絡みで医学に対してはそれってどうなのよと疑ってみる人が増えたんじゃないか(あくまで科学的にね、感情的ではなく)。そしてそれは健全な方向性だと思う。

    ひとつ疑問だったのは火山灰でコンピュータが壊れ、車のフィルターが詰まるとあったが、桜島から火山灰が日常的に降ってる鹿児島はコンピュータの故障率やエアフィルターの交換頻度が高いんだろうか?それとも建物や車が対策済みだったりする?

    被災すればそれどころじゃないんで不謹慎ですが、地学ってホットな分野で面白いかもね。息子も面白いと思って学んでくれればよいなー。ま、その前に受かってもらわないとだけど。

    →後日談:無事合格。ヘルメット買ってあげないとな

  • 2019年発行の本書は、「自分で知識を得て、自分で守る」意識を持つように説明されている。富士山は現在、噴火スタンバイ状態になり、南海トラフ地震は2030年代に高い確率で発生すると予測し、警戒と準備を呼びかけている。

  • 基礎的な部分からかなり専門的な部分にまで踏み込んで火山と地震について述べられていた。
    3.11はそれだけでインパクトが大き過ぎて、その4日後に富士山直下でM6.4、最大震度6弱の地震があったことは知らなかった。それ以降、山体が側火口のある北西ー南東ラインと直角の北東ー南西方向に伸びているらしく、宝永噴火から300年の沈黙もどうなることやら…。

    2030年プラスマイナス5年のうちに南海トラフ地震が起きる可能性が高いとあったので専門家にはその被害をできるだけ少なくする対策を練ってもらい、一個人はそれに備えてやれることをやっておくしかないように思いました。「正しく恐れる」ことが大事なのだね。

    7000年前の縄文日本人は鹿児島沖の薩摩硫黄島のカルデラ型巨大噴火で絶滅したらしいし、自分が生きているときにそんな日本の危機が起きちゃうのだろうか…。
    新型コロナもなかなかだけど、そんな時代の変遷を冷静に目撃できる準備を物質的にも心理的にも用意しておこう。

  • 地震がまた増えて来ています。おそらく近々大きな地震は来るのでしょう。
    ただ世間的に対策を根本的に考えられているとはあまり思えないです。
    もっと広く多数の人が正しく理解して備えることが必要だと思うのですが…

  • 3.11後、直下型活動が増え、火山活動が活発化した。

  • この本を読んだ後、富士山の写真を見た時、美しいと思う前に怖いと感じた。山の稜線に、火口がぱっくりと顔を出すように思えた。地理的には、富士山の爆発を見る前に、南海トラフにやられてしまいそうな所に住んでいるので、もう少し、こちらも詳しく取り上げて欲しかった。

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著者プロフィール

鎌田 浩毅(かまた・ひろき)
1955年東京生まれ。筑波大学附属駒場中・高等学校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・同名誉教授。専門は火山学、地球科学、科学教育。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書は『新版 一生モノの勉強法』『座右の古典』(ちくま文庫)、『やりなおし高校地学』(ちくま新書)、『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)など。

「2021年 『100年無敵の勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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