銀河鉄道の父 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065183816

感想・レビュー・書評

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  • 父と息子?家族?の絆愛情の物語かな?
    自分も父親になって初めて共感出来るとすごく思った。俺も息子からはウザがられてるんだろうなぁ、、、、切ないなぁ。

    まぁ確かに自分の父親にかけてもらったぐらいに愛情を持っているかと言われたらそんなことないのだが、、、、、自分の父親もこんなに思ってくれてるんだろうか??家族って親子って難しい

  • 「そうでない。そうでないんだじゃ。これは伯父さんが病気のとき、ふとんの上に正座して、手帳に書いたものなんだ。私はその書くところを見た。そのときは私も『病気に負けず、人間として完成したい』というような道徳的な意味だと受け取ったんだが、いまはちがう。しかつめらしい話でねぇべ。伯父さんはただ、鉛筆を持って、ことばで遊んでただけなんだじゃい(P.504引用)

    終盤、賢治の三回忌法要の為、里帰りする次女・シゲの孫たちに政次郎が、『雨ニモマケズ』を朗読する。
    立派な人間になれというようなことを押し付けらたと思った孫に向かって慌てて言い訳するくだり。
     単行本で読んで以来の再読で、改めて心に突き刺さる

  • 大筋としては親子のハートフルな話だけど、他人事とは思えない内容でした。
    宮沢賢治という(死後)大成ニキの話だからいいけど、結局は何者にもなれない現実から逃げて腐る大人の話。かなりグサグサくる。だからこそ好きな作品でした。
    そして親は偉大なり。

  • 途中やや退屈だったが、トシが祖父に宛てた書簡が秀逸。
    トシの臨終の際の賢治は、邪魔をしたのではなく認めたくなかったのではないか?
    極貧の中で苦労して学問を修めたような苦学生ではなくて、素質と環境に恵まれさらに親に金を無心したり自分の将来も右に左に揺れながら成長する賢治。聖人君子ではなくて、逆にほっとした。それでも次第に収斂して詩や童話作家にたどり着く。
    厳格さと過保護さがないまぜの父、父親の内心とはこんなものなのか。新鮮だった。

  • 父親の愛情の深さを知った。
    そして家族みんな仲が良かったんだなと。
    あの有名な妹さんの詩も、この物語でより深みを感じた。
    宮沢賢治の童話をもっと読んでみたいと思うキッカケになった。

  • 宮沢賢治の父親の目線で話が進む。あくまで、父親である政次郎の主観で子どもたちを見ているため彼らの本心はわからない。子の心親知らず、親の心子知らずですれ違っているところが切なくなった。

    #夏の読書感想文

  •  映画化されたので気になって読んだ本。
     宮沢賢治の父親が如何にして宮沢賢治と接し育ててきたかという苦悩と決断と後悔とを繰り返す物語。
     とてもいい小説で読後感もとても良いです。

  • 宮澤賢治のことではなく、その父にスポットを当てている作品。父の目線から見た賢治は、私たちが現代から想像していた青年ではなかったようである。父が息子を愛する姿が、素直に、ぶっきらぼうに描かれていて、心が震えた。
    宮澤賢治作品をもう一度読み直したい!と思える一方で、父になるとはどういうことなのかを考えさせられた作品であった。素晴らしかった。

  •  直木賞を受賞し、映画にもなった作品だ。宮沢賢治の父政次郎を主人公として、時代はずれの父性愛を描いている。どちらかといえば賢治の芸術方面への活動に賛同しなかったと漠然と考えられている父親像の反対をいく描き方だ。
     果たしてこれが事実か否かは私には判断できない。ただ、賢治という強烈なキャラクターを成立させるのに家族の力があったと想定するのは自然であり納得しやすい。この小説は天才を持ってしまった父親がどのような気持ちになり、いかに振る舞うのかを描いたものとするべきだろう。
     小説として楽しめばいいだけなのだが、果たして本当の賢治が父親に対してどのような感情を持っていたのかを知りたくなってしまうのだった。

  • 期待していたよりも、ストーリーが淡白だった。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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