- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065277683
感想・レビュー・書評
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展開が早いし、読後感は爽やかで読みやすかった。
その後の市の未来をこっそり覗いて見たくなった。スピンオフとかでないかな~
後輩の夏織の指摘がズバリ言い当てていて面白かった!
あと由香の義父、面倒だけど最後良い感じに変わってくれて憎めない。瑞恵も一歩どころかまさかの…
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市議会議員に立候補する女性の番組を観た後だけに、違和感なく読むことができた。
定年退職後に夫の田舎へ移住をした霧島郁子。女性議員、市川ミサオに出会ったことで、なんと市議会議員に立候補することになる。
問題は封建的な地域社会にのさばるジーサン議員たち。高い議員報酬を貰っているのに財政の健全化には耳もかさない。議会では女性議員にセクハラまがいのヤジ連発。果ては欧州視察の名をかりた豪遊とは、読んでいてイライラし通しだった。
〈クォータ制導入〉について学ばせて貰った。「女性の意見を取り上げてくれる議会」を目指すには市議に多くの女性を! そして、女性一人ひとりに問題意識を持ってもらうこと。
霧島郁子と、地元で生まれ育った落合由香(30代) 二人の視点が入れ替わりながらテンポ良く話が進むので読みやすい。
〈22章〉ここに由香の義母、落合瑞恵の名をあえて登場させたのは、老夫婦の問題をないがしろにはできないから・・
「幾つになっても意識改革はできる」と、きっと著者は言いたかったからだと思う。
住みにくい田舎町であきらめずに奮闘する郁子をみれば、市川房江、いやミサオさんの人を見る目はやはり正しかった。
こういう女性たちが沢山出てくれると暮らしも変わる気がするのだが。
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垣谷さんの本はおもしろい!
毎回、よくそういうピンポイントの主題を出してくるな~と感心する。
今度は、ど田舎・地方都市の市議会が舞台だ。
東京出身で定年まで会社員として勤め上げた郁子は、イングリッシュガーデンを手に入れることにあこがれて、夫の実家のある市に移住することにした。
その地で郁子が出会ったのは、おじいさんだらけのセクハラ・パワハラ当然の市議会、しかもその市議会のドンと呼ばれる爺さんは、郁子が住む家の前オーナー。
家の売買の際、庭の松や高級なナントカ石を撤去してくれと郁子が求めたことから「東京から来た、えらそうな嫌な女」のレッテルを貼られ、良くない噂を広められていた。
未だにこんな地はあるのでしょうかね~。
私自身田舎出身で、今は地元を出ているけど、地元にいる友だちはまだこういう息苦しさを感じているのかなぁ。それでも私の地元は、県知事は女性だし、まだマシな方なのか??
・・・なんて、地元を思い出しながら読んでいました。
私が地元で暮らしたのは18歳までで、政治のことや「どうすれば皆が暮らしやすくなるか」なんて考えたこともなかったからな。
地方議会でのヤジは・・・、少し前の東京ですら「アレ」だからね。
あのときは、野次られた女性議員が過去に恋愛トーク番組で発言していた内容が拡散して、「こんなことを言ってた女なんだから、擁護の必要なし」的風潮があってこわかったっけな。
生まれてから死ぬまで一回も失言しない清廉潔白な人でないと、人権がないのんか?
私はあの女性の人格は知らないけど、議場であのような低次元ヤジが横行すること自体が問題では??と思った記憶がある。
とまぁ、「我がこと」として経験していなくたって、人生の中で女性の心の中に「絶望クン」が現れることは何度もあるだろう。
この本のミソだなーと思ったのは、郁子も由香も、その子どもはすべて「娘」なんだよね。
「娘3人」の母親である郁子は、作中、何度も思う。「あの場で野次られているのが、もし私の娘だったら?」と。
きっと由香も、幼い我が娘が、この先自分と同じ窮屈で息苦しい地域の中で、やすい労働力扱いされるのは耐えられないと思うだろう。
かたや、私に「娘」はいない。私がこの数年、「絶望クン」に遭遇することが減ったのは、コロナで人との交流が極端に減った(=嫌な人にも会わなくて良くなった)からなのか?それとも、「男の子」の母になったからなのか?もし私が「女の子」の母になっていたら、もっと絶望クンに遭遇していたのだろうか。
選挙について「立ちたい人より、立たせたい人」という、ミサオの考えには大賛成。
しかし、実際に「立たせたい人」はそうそういないし、いても立ってくれないのが現実。 -
読みやすい文章であったが少子高齢化、男尊女卑の議会の様子が上手に描かれていた。場面設定は兵庫県の和田山あたりかな?
諸外国より高い議員報酬にしがみつき、正義よりも利権を優先する国、どうにかならんもんかと思います。
最近氾濫する英語についてコメントがあり、”頭が悪いもんほどカッコつけてカタカナ英語を使いたがる。脳みそが3グラムしかないのを誤魔化しとるだけじゃ。”のセリフはまさにあっぱれ、見事に代弁してくれました。エンゲージメント、コンピテンシー、チャレンジとかやたらと英語を使いたがるうちの会社の人事部に見せてやりたくなりました。そういえば東京都知事もコロナの頃、ゲームチェンジャーとか言っていたな。 -
夫婦で60歳過ぎ、高齢の母を心配した夫の実家隣家へ東京から引っ越した夫婦。地方の小さな都市で議会も男尊女卑てんこ盛り。正義感の強い主人公(妻の方)は何故か市会議員へ立候補するような流れとなり…。
今の日本の現実を突きつけられて、読むのが辛いような場面もあるが、思ったことを言える気持ちの良い主人公や、こんな風に変わると良いなぁと思える展開に救われて一気に読みました。
最近この作者の本や映像化作品を良く見かけるので気になっていましたが、売れるのも納得。
面白いと思うか微妙だけど、中学校から。小学生にはあまり喜ばれなさそう。 -
長年勤めた会社を定年退職した郁子。ひょんなことから夫の生まれ故郷に戻ることなり、そこでのんびりとした老後生活を送る…。そんな風に思い描いてやって来た土地で、まさかの市議会議員に立候補することに。そんな郁子とその周囲の人々の奮闘記。
お話には色んな田舎のしがらみに苦しめられている女の人たちが出てくる。私は生まれも育ちも大阪なのでこういった村社会はイメージしにくいけど、誇張なしで本当にこんななの?
読み進めると女の人たちがみんな生き生きとしていて気持ちよかった。現実はこんなにトントン拍子にうまくいかないかもしれない。でもどこにでもいるような普通の人たちが頑張っている姿を見ると、嬉しいし励まされる。
おもしろかった〜。
垣谷さんのお話は本当に読後感最高! -
老害と言われるような高齢男性議員に立ち向かっていく様子が気持ちいい!
実際にこんな女性市長や議員がいたら、どんなにいいだろうなぁと思った。
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変にリアルに感じました。
女性を書くと最高ですね。
次があるのかな。
最後は総理。
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題名と表紙に惹かれ読んでみました。主人公の潔い性格がとても心地よく、周りに助けながらも地方の男尊女卑にもめげずに頑張る姿に勇気を貰いました。まだまだこういう市町村があるんだろうな〜と想像しながら読みました。