- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065280799
感想・レビュー・書評
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何言ってもネタバレになってしまいそう
そして言葉で言い表せない読後感…
セーフなのかアウトなのか結構際どい感じがしました
読んだ人と語り合いたい本です!
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推理作家が集って生活する館――月灯館。冬至の夜に幕を開ける連続殺人は過去の推理小説に見立てた無惨なものばかり。仕掛けられたトリックは作中人物だけでなく、読者も翻弄する。月の灯りは臨む場所と時間によって形を変えて我々の視界に現れる。読後、読者は月の輪郭を確かめるために頁を繰り戻す。
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「本格ミステリの神」とされるミステリ作家の館「月灯館」には、執筆に力を入れたいミステリ作家たちが集っていた。しかし雪に閉ざされたその館で次々に起こる殺人事件。奇妙な状況でおぞましい装飾を施された死体と、彼らに突きつけられた犯行予告。これぞ新本格ミステリの楽しさがいっぱいに詰まった作品です。
本格ミステリについて語りだすときりがなく、突き詰めれば突き詰めるほどに深くなってしまう分野なので、そりゃあ人によって意見はいろいろあるでしょうね。頑なに正統派しか認めなかったり、チープなものに苦言を呈したり。個人的には「面白ければ何でもいいじゃん」なので、議論については遠目で見守るしかないのですが。
それでもミステリ愛はびしびしと感じる作品ですね。密室トリックの乱れ打ち、魅力的なガジェットてんこ盛り、どこからどこまでも閉ざされた館連続殺人ミステリのお約束満載。誰が何と言おうと、こういうのが一番楽しい! -
本格ミステリーへの「屈折した」愛に溢れた一作。
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これはちょっと意地悪だろう。「えっっ!?」と仰天させてもらったので私的にはOK牧場だが、この軸となる仕掛けはフェアか、否か。豪雪地帯にある月灯館は、ミステリ作家たちがカンヅメになって作品を執筆するためにできた建物。集まった作家は変な人ばかり。そして『そして誰もいなくなった』ばりに告発と連続殺人が起こる。全体的には面白かった。文章も読みやすく、1人可愛いキャラがいてお気に入りに。ずっと怪しいと思っていた伏線も回収され、終了~と思ったところのラスト1行の爆弾。途端に見える世界が変わる。とはいえこれアリなのか?
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「本格ミステリの神」と謳われる天神人の屋敷「月灯館」に集う七人の作家。雪に閉ざされた屋敷で次々と巻き起こる凄惨な密室殺人。犯人は誰か、どうやって密室を作ったのか、犯人の目的は---?
堕天使の名目で殺害される作家のそれぞれが密室、しかも館全体が閉ざされたクローズミステリーです。
探偵役はいるものの、名探偵がいないので密室の謎は最後まで解かれないものの、減っていく生存者や見えない犯行の意図、濃くなる疑心暗鬼が緊迫感を与えて引き込まれました。
ミステリー初心者なので最後の最後の「答え」にはどういうこと?と思いましたが、密室の図取りがあったり、読みやすい文体なので初心者でも楽しめると思います。
もちろん玄人の方でもひとつひとつの密室の謎を解きながら、最後の大きな謎の回答にびっくりする、はず。
冬の寒い夜に、暖かい部屋で読みたい一冊。 -
ミステリ作家版トキワ荘のような共同生活。
しかしその“トキワ荘”が〈吹雪の山荘〉と化し...。
密室と首斬り死体の連打。殴打。
久々にコテコテの新本格だぁーと思いきや、なんちゅう胸が痛い物語。届かぬ想い過ぎる...。
豊かなバリエーションの物理トリックたちも、このテーマの中に沈んでいく。
読み終わったあとにsyrup16gの『手首』と安藤裕子の『隣人に光が差すとき』を聴いてしっくりくる。とある人物のジメジメした心境的に...。ネタバレです。
北山猛邦さん、なんとなくダークメルヘンなイメージがあったけど、このダークの質感はメルヘンというワードとは噛み合わへんな。ぽっかり空いた深い穴です。
【本格ミステリ作家の七つの大罪】という名目で次々と作家たちが裁かれていくけれど、よく言う『こういうのでいいんよ』はミステリ読者(エンタメ消費者)の七つの大罪の一つやなと思う。
共犯というか、足を引っ張る存在。つら。
最後の着地も、あれの大オマージュでもあるけど、ガワだけ変えてもっていう暗喩でもあるんかな?? -
ラストはどういうこと?読み返す余裕がなく消化不良。
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本格ミステリ作家が集う月灯館で殺人事件が起こる話。犯人も動機もさっぱり分からんしラストの畳み掛けが凄い。そして最後まで読んだその瞬間から再読が始まる。再読が一番楽しい。ただ夕食会と最後の殺人の所が分からんかった難しい。読み終わった人教えてほしい。