体験格差 (講談社現代新書 2741)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065353639

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になって読んでみた。

    低所得家庭の子どもの約3人に1人が「体験ゼロ」は、結構衝撃的な内容だと思う。
    塾や習い事だけでなく、遊びに行ったり、旅行したりということも、ない。

    そこには、親の経済的負担だけではなく、お迎えなどにまつわる時間的負担、そして親自身が体験をしてきていないという価値観の問題があるようだ。

    途中で出て来る、ピアニストになれるわけでもなし、ピアノのようにお金がかかることはさせられない、という考え方って、でも、あるよなと思う。

    「なること」ではなく「すること」そのものの意味や意義が認められていかなくては、きっとこの格差は埋まらない。

    もう一つは、シングルの親が誰かと繋がることに対して、忙しさや後ろめたさから、求められずにいることも課題だと思う。

    いくら社会が制度を充実させたって、それを知らなければ利用が出来ない。
    公的な機関は、その意味でイジワルだなと感じることさえある。

    情報を届けることも、そして受け取る側のリテラシーを育てることも、課題の解決の一助になるような気がした。

  • p19 さらに体験の価値はその時々の楽しさだけではない。例えば、体験は子どもの社会情動的スキル(非認知能力)にも関係するとされている。つまり、子どもたちへの短期的な影響(楽しさ)だけでなく、かれらの将来に対する長期的な影響もある

    p20 これまで色んなことを体験したことがないから、北海道にきたらこれをやってみたいとか、そういう選択肢がそもそも頭に浮かばない。貧困とは、「選択肢がない」ということです。私は、子どもの貧困問題の中心にあるのが、体験格差だと思っています

    p155 こうした社会情動スキルへの影響に加えて、様々な体験の有無含めた子どもたちを取り巻く環境は、かれら自身の将来に対する意欲や価値観のあり方をいつの間にか規定していく可能性がある

  • 貧困は体験にも影響する。人は体験によって成長することを考えると、経済的支援だけでなく、時間 手間などの支援も不可欠。
    高齢者で体力のある方々の力が発揮できる部分かも。

  • 新しくはない

  • 子どもにいろんな体験をさせてあげたいのに金銭的に断念させざるを得ない親や、そもそも子どもに価値のある体験が必要であると思っていない親がたくさんいるのか、、、

    このような貧困や考え方は子が親になった時に連鎖しやすい。こういった負の連鎖無くしていけるために、自分に何ができるのか考えるきっかけになりました。

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著者プロフィール

1984年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。静岡県立大学非常勤講師。主な論文:「存在論とデカルト哲学の抗争 クラウベルク『オントソフィア』における端初と体系の問題」(『哲学雑誌』第128巻第800号、2016)、「思惟における分離可能性と区別 近世スコラとデカルトの区別論」(『フランス哲学・思想研究』20、2015)など。

「2022年 『デカルトの生涯 校訂完訳版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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