卯ノ花さんちのおいしい食卓 (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800389

感想・レビュー・書評

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  • くーーーッ!!
    うちの図書館さま、もっとオレンジ文庫を蔵書に加えてください・・・ッ!!

    ものすごい面白かった。続編もぜひ買ってほしい~!!

    年を取らない一族の話・・・。そこに食べ物のエピソードが加わる、連作短編なのだけど・・・。
    初っ端の若葉ちゃんの話だけでも、
    「若葉ちゃん、今時こんな境遇の子、いるのか・・・」
    と、いうか、天涯孤独の身の上に他人事じゃないものを感じて、
    「うわ、私は若葉ちゃんみたいに自立してないわ・・・」
    と、思ったのに、さらに続く凪、八重の話の重さったら、すさまじい。

    重いというか・・・。

    ひとって、無力なんだな、と、思わせられる。
    人を傷つけるのは人で、それが悲しい。

    でも人を救うのもやっぱり人で、誰かに救われたならまた違う誰かを救えば、みんなが幸せになれるのかもと思った。
    その連鎖の一つが、食事なんやね。

    食事が題材の話は大概好きで、「最後の晩ごはん」だって、食事で人を救い、食事でつながっていく小説やねえ。
    おいしいものを食べるときの幸せはすべての人に共通してるもんね。

    八重と巌の再会と別れは、じんとした。
    「少し怖いんだ」と、いう巌の台詞がどきりとする。
    怖いものが死だけになっていくのが、年齢を重ねるということなのかな。


    この本はシリーズ化してるみたいで、すでに既刊が二冊もあるみたい。
    月一族の正体とか、ルーツとかがだんだん明らかになっていくの?
    この1冊だけでも十分読み応えがあったので、この後も続くとなると朱璃や八重の生い立ちに迫っていくとしか考えられないけど・・・。

    この調子で、
    「なんでかわからんけど年をとらん一族がいるらしい」
    みたいな、フワッとした感じではないのね! うんうん、続きが楽しみ!!


    著者は別名義で多数小説を書いているとのこと。せやけどその「別名義」が、わからん(笑)。
    ほんでひつこいけどオレンジ文庫。もっと蔵書に増やしてほしいー!!
    読みたいタイトルがいっぱいあるよ・・・。

    (2016.12.17)

  • 思ってた感じの話と全然違ったけれど、思っていた話より全然好みでいい買い物をしたと思います。

  • 焼きリンゴの話はあかん。泣いてしまった。不老というのは、そこに不死がつけば古代から権力者が追い求めるものであり、並々ならぬ力を得る、そんなイメージ。だけど、不老(不死)である当事者たちは孤独との戦いでもあるよね。腰を落ち着けて暮らすというなんでもないことができない。ある程度年数が経てば移動。また移動。転勤族もある種この一族のようなもの?(笑)

  • 普通のお話かと思いきやファンタジーだった・・・!!
    でもなんか可愛かったので良し。

  • 読みやすいが、思っていたより料理感がないかな


    「おまえがずっと鉄製だと思っていた籠は、もしかすると体当たりしたら簡単に壊せる木製かもしれない。人生なんでもやってみなけりゃわからないってことさ」

    誰かを大切に思えば、必ず自分が傷つくことになるのだから、心を動かしてはならないとあれほど誓ったのに。
    それでも、これでよかったのだと思う自分もいる。
    傷ついてもつらい別れを経験しても、なにもないよりはよほどいい

  • どんな家族より家族らしい4人の関係にじーんときました。
    おにぎり、食べたくなりました。

  • ファンタジー要素の強い食事を通した人々の交流お話。
    主人公は親に捨てられ人と交流することをなるたけ避けてきた女の子。
    登場する人たちはみんなそれぞれ傷があるけれどいい人です。

    タイトルのわりに食事シーンが案外あっさりに感じてびっくりしました。
    「共に食事をすることで血をわけていなくても絆や思いは共有できるし家族と匹敵する関係は作れる」がテーマだと考えるととても面白いと思いました。
    多分そっちのほうが主題だったのかも?
    いわゆる「同じ釜の飯を食う」ってやつですね。

    それに不老長寿伝説って世界中にあるものだと思うし作中の世界観は夢があっていいし好きです。
    最初はその設定や世界観に戸惑ったんです。
    こういうのはゆったりとした時間の経過を感じさせながら明かしていくものだろうし。
    もしかしたら当初はこの巻だけで終わる予定だったのかもしれません。
    だから詰め込み気味になったのかもしれません。

  • 想像していた話と違った。
    月一族設定は個人的にはいらないけれど、それを抜かせば可愛らしいお話だった。

  •  子供の頃に母親に捨てられ、その後施設に引き取られ、今は工場に勤めながらアパートで細々と一人暮らしをしている藤宮若葉。彼女はある日アパートが火事になり、突然ほとんど全てのものを失ってしまうことになる。途方にくれる若葉であったが、ひょんなことから自宅でカフェを営む凪、朱璃、八重姫の卯ノ花家に居候することなる。
    しかし朱璃と八重姫にはある秘密があって…。

     この作品は表紙を見たときに食べ物に重きをおいたものなのかなと考えていたが、それ以上に様々な人間ドラマが含まれているなと個人的には感じた。特に八重姫は見た目とは裏腹に複雑な過去を背負っているのだなと感じた。
    また個人的には八重姫の話し方や仕草が所々可愛くてお気に入りである。
    今巻はそれぞれの登場人物を紹介する内容だったので、詳しい話については次巻に期待したいと思う。

  • ミステリになるのかな。
    自分の過去と向き合う人たち。
    トラウマが癒えますように。

    続編希望。

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