僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202694

感想・レビュー・書評

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  • 歴史学にとどまらない網野史観。中沢新一は勿論、折口信夫の著書との根本的繋がりがあるようで読書意欲がわく。

  • 網野を中沢視点から見れるなんて
    もう最高です!!!!!

  • 歌舞伎の梨園などは親戚一同が同じ業界に身をおいていて不思議ではないが、学者、それも超有名どころとなると珍しい。この二人は実際は血のつながりがない。しかしそういうつながりを産んだ結婚ってとても深いと思う。(2006.3.6)

  • すごい技を使うな、と目にした時にまず思った。そうだよ、この技はあなたにしか使えない。そういう技を臆面もなく使えるのが中沢新一という人間でもある。
    とはいえ、間近で網野さんを見続けた記録というのはユニークだ。そんな人だったんだ、とそういう思いばかりのうちに本は終わってしまう。評伝ではなく、あくまで僕の叔父さんとの話なのだ。もちろんそこで交わされているのは網野史観と呼ばれるものの根幹である。天皇制が行き渡ったことによる変化と続いて武家がそれを二重に統治することによって起きた変化とをきっちり考えると、日本とはおよそ今の史学で基本的通念となっている基礎がほとんど使えなくなる。そういう考え方の生まれる場所を見ることができた者だからこそ書ける文章である。
    日本の地方をよく見ると網野さんの言っていることがよく判る。東京や京都で文献を調べているだけでは感じないものがそこにある。それを感じた後にもう一度文献に当れば捕らえ方が変わる。当たり前のことなのにどうも日本の多くの研究者がそういう態度ではないらしい。
    私もこんな叔父さんがひとりいたらいいな、と思う。まっすぐに自分の信じるところを調べ続けた人だったのだろう。その人生も大変だったろうが、充分な価値があるものだったと思う。

  • 中沢新一から見た網野善彦をよく描いたおもしろい本でした。私は家族に学者さんがいないので、そういう人がいる家庭の事情(?)垣間見られたのもすごくおもしろかったです。オススメ。

  • 2006年ごろ 購入

  • 宗教学者である中沢新一氏が、父の妹の夫である歴史学者・網野善彦氏との出会いや討論の思い出をまとめた追悼文。どちらもちゃんと読んだとは言えない不勉強な身ですが、非常にこれ面白かった。昭和史読んでいると軍国史観の大立者とばかり扱われる平泉澄教授の若き日の慧眼の再発見とかも興味深い。隆慶一郎作品が好きな人なら、そこに影響を与えた「道々の輩」を評価した網野史観のエッセンスとしてもわかりやすく面白いはず。それらを抜きにしても、愛情の篭るいい思い出の記録だと思います。今度はきちんとこの人たちの著作を読み直してみたくなりました。

  • 一番最初に読んだ中沢新一氏の著書。

    未だに理解できない部分はあるものの、読んだ瞬間に何か漠然としたものに打ちのめされたにも関わらず、喜びの興奮の中にいるようだった。

    歴史に関する本でもなく、
    一人の人物の伝記でもない。
    とても不思議な空間の広がる本でした。

  • 網野さんが叔父さんって。

  • 中沢新一と網野善彦の関係知らなかった、すごく面白かった。

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著者プロフィール

1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授、秋田公立美術大学客員教授。人類学者。著書に『増補改訂 アースダイバー』(桑原武夫賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数。

「2023年 『岡潔の教育論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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