爆笑問題と考える いじめという怪物 (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206913

感想・レビュー・書評

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  • お笑いコンビ、爆笑問題の2人が、教育評論家の尾木直樹らと議論を重ねながら、なぜ、いじめは起こるのか?を探っていく。

  • 学びの楽しさを伝える。教科を勉強するとこは、最終的に生きる意味を問うことである。

  • いじめ自殺の話題が出ると、こういった話題は出るのですがこの本は読みやすかったです。
    読むごとに、こうした事象に絶対悪のレッテルを貼ること、風潮が間違いなんだなあ、と。
    死ぬくらいなら逃げる、は、本当に同感ですが、逃げる、を悪いことのように思うのは、社会構造上割としかたのないことのように思います。

  • いじめられていた小学生時代を思い出しながら読みました。
    今思い返せば大したいじめではありません。それでも当時の私はハッキリと自殺を考えました。
    勉強が人よりもできたからこそ、将来に希望を持っていました。将来にすがっていました。いじめられている現在は捨て、未来だけを見て過ごしていました。それはおそらく本書で書かれていた「逃げ」だったと思います。
    現在、アルバイトで塾講師をしているため多くの中学生と接しています。生徒と同じ年齢の頃の私では気がつきませんでしたが、本当に一人一人異なる個性があり、可能性に満ち溢れています。その個性が勉強ではない子も当然います。回りを明るくできる子、先生に対して臆せず質問できる子、常に冷静で思慮深い子。私には無いものを子供たちはたくさん持っています。勉強だけでは分からない才能がたくさんあることを早く知って欲しい、それは様々なことを経験すること、多くの世界に触れることで分かることだと思いました。
    本当に考えさせてもらえる一冊です。

  • いじめの原因を追って座談会が続く。だが、なかなか結論は出そうにない。それは、いじめというものが、日常生活の延長線上にこっそりと現れるものだからだ。
    太田は、人間が生きるために必要なものとその真逆のものが"同じ場所に存在する"と分析する。からかいといじめ、遊びといじめ。その境目を言葉で捉えようとするたび、実態から大きく乖離していることに気付く。
    座談会は、あちらへこちらへと揺れ続ける。そこにいじめの「怪物」ぶりが見え隠れしている。

  • 東京シューレ葛飾中学校への訪問と,座談会はTVで観た。そのときも語っていた太田光の「笑いはいじめそのものだ」という持論が力強い。テレビや芸人が,お笑いはいじめとは違うって言っちゃったら,それはいじめを隠蔽する学校と同じだと。人の死につながるものと,人が生きる糧になるものは,切り離すことができない。至言だと思う。で,どうするか。答えははっきり出されてはないけれど,やはりつらい状況から逃げられるようにすること,これしかないんだろうな。

  • 人間が社会という仕組みで生きていく限り「いじめ」は亡くならないと個人的には考えています。問題はどうやってそこから立ち向かうか、逃げ出すか、何故起こるのかを理解しておくことだと思います。いじめる立場にも虐められる立場にも直接、間接的にも絶対体験するはず。自殺という最悪な結果だけにはさせたくない、したくない。

  • 371.4

  • とても考え抜かれた、いい本やと思います。
    本書には、さまざまな立場の方が登場しており、それぞれ意見は食い違うものの、一人ひとりが「自分の身に照らして」考えているように思いました。
    最初の、太田さんのいじめについてのエッセイ、東京シューレ葛飾校の訪問記、最後の座談会など、どれもおもしろい。
    誰もが自分もいじめをする、普段からしてしまっているというふうに考えること、学校以外にも居場所をつくること、が大切なように思いました。
    すごくよかったので、また読みたいです!

  • もちろん本書の中で、いじめについての解決策は出てこない。
    東京シューレのような成功例、たとえば生徒が「友達が出来て良かった」
    「何があっても友達を守ろうと思うようになって、今までの自分を変えよう
    と決意した」とまで言っているような素晴らしい例もある。

    しかし現実は、実際に太田自信が爆笑問題としての
    田中とのやり取りを引き合いにしているが
    ”田中が自殺したらお手上げ”、というものだろう。
    これは本人がいじめている意識がない、さらにはいじめられている
    側も、最初は笑っているがそれがエスカレートしてくる、と分析している
    ようなものなのだろう。
    自分を客観視するこごができ、これは後々ネタになる!と考えることができるローリーのような存在は数パーセントだろう。
    だからこそ、最後に書かれているように、
    勇気を出して大人に助けを求める、
    ことが社会に浸透してほしい。

    あとがきのNHKディレクターの話、いじめを追放した私は
    正義だったのか?も、何気に考えさせられる一文でした。

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著者プロフィール

一九六五年埼玉県生まれ。八八年に田中裕二と「爆笑問題」を結成。二〇一〇年初めての小説『マボロシの鳥』を上梓。そのほかの著書に『違和感』『芸人人語』『笑って人類!』などがある。

「2023年 『文明の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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