検証捜査 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450897

感想・レビュー・書評

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  • ・主人公が短気。見ていて腹が立つレベルの短気ではないのでいいが…。
    ・チームの面々が…。キャラが立っていた神谷・皆川・保井・永井・島村と違い、全くキャラが立っていない桜内。いなくても話の展開は変わらないとさえ感じる。
    ・終盤に近付くにつれ山田に触れなくなる。そもそも山田の死に皆ほとんど衝撃を受けていない。神谷や皆川はもうちょっと落ち込んだりしていいのでは。
    ・長い、中々話が進まない。長い割話があっさりしてる。
    ・そこそこ面白かった。

  • 人の心はわからない

  •  『検証捜査』。いわゆる「警察小説」である。
     いつからだろうか。いや、最初からか。僕は「警察小説」とは、イコール「ミステリー」であると誤解をしていた。つまり、「警察小説」といえば、誰もが憧れるような「刑事さん」――ドラマになったとき、誰が演じるかを想像するのが楽しい――が登場し、誰もが見落としていた手がかりを武器に、犯人を追い詰める、というプロットが当たり前だと思ってしまっていたのである。
     本書は、「警察小説」ではあるが、決して「ミステリー」ではない。これが僕の感じた本作への印象である(奇しくも本書の「解説」には「明らかにミステリーでない作品はすべてミステリー」という何某の説が紹介されており、なんとも悩ましい)。

     本作には、「解説」で田口さんが述べているように、「謎」がふんだんに盛り込まれている。もちろん、そこに注目して本作を「ミステリー」と判断することもできるだろう。
     しかし、いわゆる「ミステリー」にあるような「華麗な推理」は本作にはない。「警察小説のニューヒーロー」と謳われる本作の主人公「神谷悟郎」も、どうにも「抜けた」部分が多くて、今ひとつ魅力を感じない。

     思うに、本作は「神谷悟郎」という人間の成長を描くストーリーなのではないか。たまたま「神谷」が「刑事」であったというだけで、たまたま成長のきっかけが「捜査」だったというだけで、それらの要素は物語の中心とはなりえない。ここが、いわゆる「ミステリー」と本作との間に一線を画する所以である。
     だから、「ミステリー」と思って本書を読むと、どうにも「事件」とその「真相」には釈然としないものを感じてしまう。はっきり言えば、物足りない。

     しかし、その一方で読後にこんなにも爽やかさを感じるのは、既に述べたとおり「神谷」の成長を喜べているからだろう。


    【目次】
    検証捜査
     第一部 一時帰還
     第二部 チーム
     第三部 タレコミ
     第四部 撤収の日
     第五部 逆襲の朝
     第六部 裏切り
    解説 田口俊樹

  • 5月-1。3.5点。
    女性の連続暴行殺人事件、2審で無罪判決が。
    神奈川県警の捜査に対し、警察庁主導で
    各県警から集められた刑事たちが、検証を行う。
    県警の反発にあいながら、真犯人をも捜査していく。
    まあまあかな。よくある題材と言えば、よくある。

  • 2014.3.8
    誤認逮捕からの真犯人探しに登場人物の過去まで色々盛り込み過ぎて、一つ一つの事柄にけりがついていない印象が残った。最後の真犯人逮捕からしりすぼみ気味だったから、ちょっとそこが残念。あと主人公にも共感が持てず、興味もそれ程湧かなかったかな。

  • むむ..堂場ワールド少し解りかけてきた。捜査より心情優先。続きが気になる展開で充分惹きこまれはするけど、で、あれはどういう意味?どうなった?って箇所が無きにしも非ず。

  • ちょっと話が安いような。

  • 複雑な気分。犯人にも、警察組織の隠蔽にも。
    個人的には、凛と神谷の恋の行方が気になる。

  • 組織と折り合いがつかず、神谷警部補は東京都だが伊豆半島大島に飛ばされた。
    そして、突如神奈川への出向命令。
    その任務は神奈川県警の過去の誤認逮捕の殺人事件を再捜査すること!!

    伊豆大島で鈍った刑事の勘、警視庁と県警の壁、決められた期限。
    北海道や大阪からワケありの捜査官が集められた!!

    仲間となった北海道の凛との関係はお約束気味(笑)。
    そして誤認逮捕の真相は!?
    えっ、そりゃないよ~で終了(ガックシ)

  • 神谷警部補は、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが
    伊豆大島署に左遷中
    彼に本庁刑事部長から神奈川県警に出頭命令が下る。
    その特命は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した
    県警そのものを捜査することだった。

    本庁、大阪、福岡などから刑事が招集されチームを編成。
    検証を進めるうち、県警の杜撰な捜査ぶりが明らかになっていく。

    警視庁が神奈川県警を調べる・・ただでさえ
    確執があるのに同じ警察官を調べる
    そこへ何かを背負っている神谷と気の強い
    綺麗な女性、即席チームのメンバーははみ出し者っぽい
    どんな展開になるのかと期待して読みました。

    寄せ集められたチームが徐々に
    まとまっていくのはまぁ〜お決まりのごとく良かった
    事件も事態がどんどん急変し警視庁にまで飛び火して
    いったりして面白い部分もありましたが警察小説として
    深みが足りないというか中途半端な印象です。

    主人公の神谷に感情移入できなかったのが
    要因かもしれません。

    堂場さんは即席チームを作るのが好きだ
    以前読んだものも物足りないものだったし

    警察組織には監察官がいるではないか・・と(素人の発想)
    即席チームを作るより監察官がでばってきて
    調べまくった方が中身が濃い物になったのでは・・・と
    思わずにはいられない。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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