- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087458589
感想・レビュー・書評
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退職した刑事とその妻のお遍路の旅路と、刑事が抱え続けた悔恨の結末が重なるように紡がれていく。
解決に至るまでに描かれる人たちの、人としてどう生きるのかという模索、仕事への誇りなど、人間の尊さや慈しみ深さがしみじみ胸に迫った。
文庫版の解説(書店員の松本大介さん)も面白く、色鮮やかな場面を思い返して「あー」と、声が漏れた。最後の最後、解説まで通しで一気読み。 -
ミステリーというよりはヒューマンドラマ?謎解きにはそんなに重きが置かれておらず、主人公の心の変遷みたいな方がメインの話のように感じた。最終的な結末が描かれないのは柚月さんらしいというか……正直すっきりしない感じはあった。
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警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない芳醇たる味わいのミステリー。
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最後の犯人を見つけるまでのところがうまく行き過ぎな感じもあったが、ま、こんなもんでしょうか。。
お遍路の仕組みや人情深さに、とても魅力を感じた
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面白くはあったが、登場人物が皆真っすぐ過ぎて、物語が綺麗すぎる。深みがない。
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重いテーマではあるが、人としての温かさや深い思いなどがベースにあり、読んでてしんどくなる作品ではないかなと。
後半にかけてやや駆け足な展開のような感もありますが。
でも「おとうしゃん、おきて」のくだりは泣きそうでヤバかった。
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事件とは離れたところにいながら回顧録と遠隔操作のような形でストーリー展開する新しい技法。自分は捜査していないのに溢れる臨場感と過去の記憶による葛藤。シリーズ化するのは難しいが続編に期待してしまう。