ショートソング (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.51
  • (167)
  • (271)
  • (424)
  • (73)
  • (22)
本棚登録 : 1960
感想 : 372
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460971

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 31文字で綴られる短歌。あまりにも自由で独創的な世界。そこに気づかせてくれたこの作品に大拍手。チェリーボーイは啄木と戯れ、プレイボーイは火星人と共に喫茶ボアにて涙する。まだまだ素敵だった、あの頃の吉祥寺の香りが何とも心地よい。

  • めっちゃ面白い
    何回か読んだ

  • 著者は歌人で、「ショートソング」とは短歌。主人公はチェリーボーイとプレイボーイ。前者の両親は日本人とカナダ人で、どハーフ顔のイケメンであるにもかかわらず、英語はまったくしゃべれません。シャイな彼はカノジョなく、2つ上の憧れの先輩から声をかけられていそいそ出かけたところ、それは先輩の所属する歌会。後者はその歌会のメンバーである歌人でモテ男。そんなふたりがかわりばんこに語る構成。下ネタ満載ながらやらしさなし、青春を感じながら面白く読みました。いっぱい登場する短歌も笑えます。「馬鹿中の馬鹿に向かって馬鹿馬鹿と怒った俺は馬鹿以下の馬鹿」。

  • 知り合いに言われて初めて手に取った短歌がメインで進むお話
    感想は素晴らしいの一言でふとした時にまた手に取りたい
    短歌から想像できれば面白いできないならば駄作に変わる
    あくまでも短歌がメインのストーリー知って読まねば期待外れに
    本書にて掲載された首の中で私の好みをいくつか示そう
    ・焼きたてのパンを5月の日だまりの中で食べてるようなほほえみ
    ・かわききるくちのなかまでしみとおるゆうきさえないのがプレゼント
    ・さっきからずっと出ている虹だからまだ見てるのは私だけかも
    ・遠くまで行く必要はなくなった 遠くに行ける そんな気がした
    ・靴音で笑いあえたらなって 蹴る くつくつくつ石畳みどきどき
    凄くない?どんな感性していたらこんなセンスを剥き出せるのか
    本を閉じ想いに耽った午前2時久方ぶりの幸せな味

  • ストーリーは正直そこまで引き込まれるものではなかったけど、引用されている短歌が洗練されていて面白かった。

  • 私はこういう小説もありかな〜チェリーボーイとプレイボーイ2人の立場から話が進む、面白可笑しい痛快ラブストーリー
    少し内容が薄い感は否めなかったけれど、短歌の世界を垣間見ることができておもしろいと感じた。伊賀さん憎めない笑こういう人いるなぁ〜って思ってしまった。そして、吉祥寺のカフェに行きたくなっちゃった!

    傷つけた
    そんなことさえ
    気づかない
    POPな男は
    まじたち悪い

  • ショートソング=短歌

    読んでると 吉祥寺の街 目に浮かぶ
    とりあえず次 あのカフェ行こう

    短歌のよしあしは正直わからないけど
    青春ぽくておもしろい本だった

  • 短歌を交えて進んでいく小説。
    最近短歌に興味が出てきて読んでみました。

    物語の中に出てくる短歌は、この物語のために作られたのではないようですが、
    自然に盛り込まれていて楽しめました。

    物語の中に短歌が出てくるのって、現代の小説だと珍しい形式な感じがしますが、
    源氏物語とか古典にはそういうスタイルがあるので、その手法を現代小説に持ち込んだって感じなんですかね。
    短歌がそれぞれのキャラクターらしくて、いい味を出していると思います。

    手法も含めて面白い小説でした!

  • 最後の最後まで、ラストがどこに向かっているのか掴めない作品だった。いい意味でラストが予測できない作品は世の中にたくさんあるけれど、この本はそれらとは対極にいると思う。伊賀さんと国友が先輩の新居にお邪魔したあたりから、突然話が萎んでいった印象。3分の2ぐらいまで読み進めたあたり。普通はラストシーンに向けて盛り上がるところではないのか。

    はじめてのバイトを初めて、幸せな20歳を迎えた国友。それに対して仕事の指針を失い、性欲の吐き出し口も失った伊賀さん。国友君にはこれから順風満帆な日々が待っているのだろうなと思うけれど、伊賀さんの未来には不安しか感じない。連作の短歌を詠む様子などまるで風前の灯火のようで、あわれみすら感じる。この先大丈夫か、この人。かといって、女性に対しても仕事に対しても短歌に対しても、中途半端に接してきた彼には一切同情の余地はない。

    以前読んだラストがしょぼいという批判はまさにその通りで、伊賀さんと舞子を破局させるのがこの物語の目的だったとしても、もっと以前から伏線の張った方がよかったのではないか。空気が不穏になってから穏やかな日々が弾けるまで、流れが早すぎると感じたのは私だけか。
    喉に泥水がへばりついている感じ、とでも形容しようか。ここまで違和感のあるラストも珍しい。

    あと、やっぱり伊賀さんはホモなんだと思う。

  • 短歌の世界って、そういうのあったんだ❗️という感じ。読みやすかったけど、最後がしりきれとんぼで、あらっ終わっちゃった・・・結局どうなったのかなともやもやします。

全372件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

枡野浩一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
劇団ひとり
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×