軽蔑 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087470178

感想・レビュー・書評

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  • 真知子の「男と女、五分と五分」はすごくイイ。芯が通っている。でも五分同士だからといってそれがなぜ他の男と寝ることにつながるのか、他の形はなかったのか、そこだけは理解しがたい。
    本当に愛しているのはかずさんだけで、浮気相手に向ける心情は17歳の少女の恋心のようなもの・・気持ちはわからないわけではないけれど、ね。
    それにしても壮絶で哀しい、男女の物語だ。

  • 男の女の情事。最初から最後まで情事。寝ても覚めても情事。
    愛欲一色。男と女、五分と五分。

    歌舞伎町のトップ(レス)ダンサーとヤクザ(まがい)の男の話。
    アングラな世界です。
    文章に切れ目がなくて読みづらかった。
    純文学??苦手なのかもしれない。
    でも終わり方は嫌いじゃない。

  • 中上健次の作品ではなんだか異色な感じがする、女性視点だからかな。
    断トツに読みやすいので、苦手な人におすすめ。
    しかし奥は深い。
    「男と女、五分と五分」
    鮮烈という言葉のよく似合う純愛小説。

  • 再読です。確かこれが亡くなる前最後の作品ですよね。最初に読んだときより深く読めたような気がします。美しい踊り子真知子とヤクザになりきれないヤクザものカズさん。お互い誰よりも求め合いながらすれ違い傷ついて、東京からカズさんの故郷、また東京へと舞台を移しながら物語はすすんでいきます。最近売れるとすぐ映画化されるのはあんまり好きじゃないけど、これなんか映像にしたら非常に美しいんじゃないかと思います。

  • 【2004.01.31.Sat】
    トップレスバーの踊り子真知子と、セクシーなやくざかぶれのカズさんとの苦しく切ない恋物語。男性筆者にここまで繊細に女性の心の描写が描けるとは…。どうしようも出来ない、2人しかわからない傷を背負って、悲劇的にもカズさんは死ぬ。真知子が最後に見た人影はカズさんだったのか。悲しみに溢れた物語だった。

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著者プロフィール

(なかがみ・けんじ)1946~1992年。小説家。『岬』で芥川賞。『枯木灘』(毎日出版文化賞)、『鳳仙花』、『千年の愉楽』、『地の果て 至上の時』、『日輪の翼』、『奇蹟』、『讃歌』、『異族』など。全集十五巻、発言集成六巻、全発言二巻、エッセイ撰集二巻がある。

「2022年 『現代小説の方法 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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