神々の山嶺 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2978
感想 : 286
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472226

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めてすぐにこの本の持つ世界に引き込まれる。意外感に満ちた新鮮でミステリアスなストーリー、山や心境の描写。そして主人公に共感しながら読み進む楽しさ。
    文句なしでトップクラスの良書に出会えました。

  • 夢枕獏というとSF作家というイメージが強く、これまで全く読んだことがありませんでした。実際に夢枕作品はSFものと陰陽師ものが人気です。僕、個人はSFものはどこが苦手で、どちらかというと市井の人間のドラマを読みたいのでこれまで縁がなかったわけです。

    しかし、この作品はSFでも陰陽師でもなく、エベレストという世界最高峰を舞台とした山岳小説であり、人間ドラマです。夢枕氏自身もこの小説を完成させるために何度もエベレストまで足をはこんだそうです。あとがきの中でも、この作品を書き上げたことへの満足感と達成感を吐露していらっしゃります。ちなみに美しい表紙写真2枚も著者による撮影です。

    ここでいう登山というのは、気持ちのいいトレッキングではなく、まさに命がけの冒険なわけです。科学技術が発達してより多くの人がエベレスト登頂に挑めるようになったわけですが、その頂上付近の過酷さというのは今も昔も変わらないわけで、なお多くの人がその登攀で命をおとしています。

    そんな命がけの苦しい苦しい冒険をなぜするのかといえば、それはなかなか言葉としてひょうげんできないわけで、名言「そこに山があるから」というのも言葉のあやであって、真の回答にはなっていないのであろうと。そういった命がけの登山の中では気温零下30度とかそういう中で休息や睡眠をとらなければならない場面もあり、その中で行われる脳内の自問自答というのは地上(平地)では出てこないような自身の存在意義を問うような苦しい重いもので、読んでいても動けなくなるような苦しさを感じました。

    くしくもこの作品の主人公が僕とおなじ41歳で、山を降りた後の虚無感の中で「41歳の自分が残りの人生で出来ること、できないこと」を悶々と悩むのですが、この辺は山に登ろうが登るまいが同じように苦悶するぶぶんであって、グッと来たなぁ。

  • 谷口ジロー氏の漫画版が先だったけれど、こちらも面白い。漫画版が如何に原作に忠実だったかがよくわかる。この話の内容で忠実であることがどれほど難しいことであるかも。

  • 山の世界なんて全然知らなかったのに、その厳しさや山に情熱をかける男たちの生き方がすごくリアルで引き込まれて、読み終わった時にはちょっと山に詳しい人になった気がした。

    しかもエベレスト初登頂の歴史を覆すかもしれないミステリー要素もあり、だいぶボリュームはあったけど、一気に読むことができた。

    スケールの大きさとそのリアリティーに圧倒された本だった。

  • 上を読み終わった。いま下

  • 下巻が楽しみ。

  • 2012/11/8 Amazonより届く。
    2013/12/5〜12/13

    柴田錬三郎賞受賞作。
    作品自体は有名なので知っていたが、自分とは無縁の世界なので、と未読であった作品。ところが、突然山に目覚めたので、これは読まないと、と買ってから約一年、ようやく順番が回ってきた。
    いや、面白い。エベレスト初登頂を目指したマロリーのものと思わしきカメラを発見した深町。その発見の詳しい経緯を調べようとするうちに、伝説の山男、羽生丈二に出会う。山岳小説としても面白いが、サスペンスとしても一級品。下巻が楽しみ。

  • ☆☆☆☆☆

  • 頂を目指す者の生き様。山の冷気。
    マロリーの謎とそれをめぐるサスペンス。
    感想は下巻で。

  • 感想は下巻へ。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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