- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087472622
感想・レビュー・書評
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主人公が23歳女性の、唯川恵の典型的な恋愛小説。学生時代からの堅実な友人と奔放な芸術家の間で揺れ惑う心模様を描いている。よくあるパターンだが、話の進め方や表現の豊かさには魅かれてしまう。
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10月22日読了。SonyのReaderにて。仙台の実家に暮らす母親との葛藤を抱え東京で暮らす曜子は、大学時代からの友人・徹也からの愛と、奔放に生きる造形芸術家・久住への愛の間で迷い悩む・・・。愛していても尽くすだけで返ってこない関係は辛いが、とは言え受け入れてくれるばかりで燃え上がるもののない愛情というのも張り合いがないものか。愛して大切にしてくれるのはいいが、この「徹也」のような愛し方では曜子でなくても正直ウンザリしてしまうと思うが・・・。自分に正直になるとか、何が幸せとか、わかるようでわからないものだわ。
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これまでの自分に当てはめながら、心臓がギュッとなるシーンがいくつもあった。
安心も愛されているという実感も与えてくれて、どんな理不尽なわがままもきいてくれるけど、心の底から愛しているわけではない徹也。普通の女性としての幸せは掴めないけど、それでもいいからと物聞のいい子にだってなれるほどに心の底から愛してやまない久住。
私は結局曜子とは別の選択をすることにしたけど、逆を選ぶことができる曜子の若さや決断力が羨ましくも思った。羨ましいという気持ちがあるからこそ、私はあの時この選択をして良かったと思える10年後20年後でありますようにと強く願わずにはいられなかった。そのためには、思われるだけではなく相手を思いやる努力をしなければならないと強く思った読了後でした。
“誰かに自分のことを考えられている。知らない所で気遣われている、こういうことが、幸福という言葉と繋がっているのかもしれない。” -
あーーーーいたいいたいいたいいたい。
主人公にも相手にもうるせええええええええええええええええええええっていって全力でアッパーカット喰らわせたい衝動に駆られる
"あなたは結局、自分しか愛せない人なのよ。そうでしょう、あなたは誰かのために何かをするってことに価値を見いだしたことがある?恋は向き合ってするものでしょう。背中ばかり見せて、気紛れにちょっと振り向いて、それでいて自分のすべてを受け入れることだけを条件にして、相手の気持ちなんか思いやる気もないの。あなたはいったい私の何を理解してくれたの。私の孤独を知っているの?自分を愛させても、自分は少しも愛を与えない。こんなの恋じゃない。女を都合よく扱っているだけ。もうたくさん。もういらない、あんたなんか、いらない。二度と会わない" -
集英社で発行、お値段480円。アマチュア投稿の切ない系恋愛小説の秀作よりかなり落ちる質。作家の成功も運次第なのかも。
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スイミングインストラクターの曜子、学生時代からの友人徹也、造形作家の久住。愛してくれる優しい男と自分だけを愛してはくれないが愛している男。
愛することと愛されることどっちが幸せ? -
呼んでて苦しいくらい
共感できると思った気がする。 -
10年ぶりの再読。
曜子の迷いを今は少し理解できる。
迷っている間は、本当の安息は訪れないってことも。 -
何が女にとっての幸せなのか、それはまだ22のあたしにはわからないけれど
愛されるより愛したいっていう気持ち、
でも愛することに疲れて愛してくれる人に甘えたくなっちゃう気持ち、
そして甘えることで知らず知らずのうちに大切な人を傷つけてしまうこと、
すごいわかるなーって思った。
あたしはいつも無い物ねだりで甘えてばっかりで
人に幸せを与えられる人になれてないなー