草莽枯れ行く (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.66
  • (21)
  • (30)
  • (37)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 293
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474428

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 相楽隊長と清水の次郎長の話。

    るろうに剣心で相楽総三を知って興味を持って。
    恥ずかしいことに、次郎長が幕末の人だったとこの本で知りました。
    相楽隊長、やはりカッコイイ。
    北方先生はカッコイイ男をかっこよく書かれるので好きです。
    ちらっと出てくる土方の存在感も抜群。

    向いてることをすればいいわけじゃないんですね、隊長。

  • 薩摩の自己防衛のために偽官軍とされた赤報隊の相楽総三が主人公なのですが、総三と交友を深める清水の次郎長の目線も面白かったです。
    そしてちょっとしか出てきませんが、カッコイイ土方さんがいます。

  • 幕末の赤報隊の相楽総三の話。草の根運動で幕府を倒そうとするが、西郷隆盛の策略によって無実の罪を着せられ、最後は斬首される。相楽よりも、西郷の暗さ、無慈悲さが目立った。

  • 藩の後ろ盾のない相楽総三が草の根運動で倒幕に向けて活躍する話。勅定を持ち赤報隊として官軍の先鋒を任されながら、最後には偽官軍の汚名を着せられて斬首される。この策略により薩摩藩を中心とした官軍により倒幕は達成できたが、大きな歴史のうねりの中に飲み込まれた総三はさぞ無念だったろう。あるいは、大きな目標達成のための意味ある死と最後は納得できたであろうか?彼の死後、清水の次郎長が総三の妻子の元を訪れるくだりは、ぐっと来た。

  • 幕末の赤報隊のお話。
    明治維新に向かうなか、幕府側の物語。
    やはり根底にあるのは滅びの美学。
    己の信ずるところ、命をかける話。
    この前後、るろうに剣心を読んでいたこともあり、
    時代背景的に感情移入しやすかった。

  • 幕末,幕府にも薩長の官軍にも属さない関東草莽の志士達が日本を変えて行く流れを作ろうとしていた。それが相良総三,後の赤報隊の総長である。本書では,そこに清水の次郎長が登場し,やくざという,政治的なことではなく,仁義にのみ生き・死ぬという達観した観点から幕末の動乱を見つめている。総三は官軍に先駆け,東山道の先方隊として江戸城を目指すが,幕末動乱の中,巨大な陰謀の中に沈んでゆく。このような血と死が万々累々と重なり,維新が進んでいったのだろう。これ一つを取って善悪を判断すると,総三を葬ったことは当然”悪”となるが,明治維新の中で,総三は無駄な死であったのかといえばそうではなく,それもこれも含めて近代が成り立っていったといえるであろう。
    『命は大事にするのだ。捨てれるのは一度だけだからな』『死なねえようにな。背中を向けるとやられる。背中さえ見せなきゃ,滅多にやられることはねえ』

  • 作中土方度は2ってところでしょうか(何この表現)
    でもチラチラしか出ないのに妙に格好良いんです。なんかこう"振り返ったら奴がいる"的な登場がやたら多かったような。この土方さん超ハードボイルドなんで、格好良いけどリアルに振り返って後ろにいたら「ひぃ!殺さんで!」って条件反射で言っちゃいそうです。
    北方さんきっと土方歳三好きなんでしょうねー。…名前も似ているし。

    相楽総三はるろうに剣心で、次郎長の親分はさくらももこのエッセイでいずれもチラッとだけ知っていたんですが、ああこんな人達だったのかと興味深かった。幕末のヤクザさんの動向ってのも中々面白いもので。

  • 新政府によってスケープゴートにされた赤報隊の相楽総三が主人公、
    という珍しい作品だけど、登場する人物全員が主人公だと思わされるような書き方です。
    気持ちの良い男達ばかり。
    特にここの土方歳三カッコ良すぎ。

  • 赤報隊の悲史。

  • 任侠物。すらすら読めるし、読後感も良いのでおすすめです。

全36件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北方謙三の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
北方 謙三
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×