- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087474541
感想・レビュー・書評
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リアルすぎる恋愛小説。ホラー色も強い。
でも愛っちゃあ愛。こわかった -
読みやすい短編集。狂気の女たち。
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愛と背中合わせの狂気、その恐怖と哀しみを描く10人の女たちの物語。
こわいこわいこわい!
ホラー小説?!
女の嫉妬や執着ってオソロシー!!
ラストの「月光の果て」は良かったかな。 -
いつも通りな感じ。
あんまりこれってものがなかった。 -
再読。ぞっとするような怖い話、狂おしいほど切ない話……唯川恵の短編集の中でもかなり好きな1冊。
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愛に狂った女性の描き方は、グロくてホラーそのものだった。どれも気味が悪い。
「青の使者」と「きれい」はヒヤリとしたラストで印象に残った。 -
「青の使者」
不倫相手の森岡が消えて一月。
容子は貸した金を返してもらうため妻・芙美の元に行くが、やはり森岡はいないという。
そしてもう一人の女、ユリの元に行き、容子が取った行動とはーー?
→ゾッとする話。蠱毒を連想した。芙美がしたことと容子がしたことは同じだが、本当の青い鯉はどっちなのかな?
「きれい」
美容整形外科医の女の元に、昔いじめた同級生が整形をして欲しいとやってくる。
→女の復讐。百田尚樹「モンスター」と題材は同じだが、こちらの方が女のおどろおどろしさというか、女の嫌なところが出てる。
「耳鳴りにも似て」
小学生の時から自分を家来のように扱ってきた小夜子が宏美の前に現れた。宏美にマルチ商法を持ちかけたのだ。そして、宏美が選んだ行動、親切にしてくれていた同僚の文子が取った行動は。
→欲深さは身を滅ぼす。小夜子も文子も同じ。宏美の場合は分かりにくいが、「保身のために気軽に一線を越える」という意味では三人の中で一番危険だと思う。その恐ろしさを分からずにつけ込む文子も考えが甘いかな。
「眼窩の蜜」
双子の祥子は生まれつき体が弱い。そして、小さい頃から「私」は祥子に全てを奪われる。そんなある日、祥子は魚の目を食べるようになっていた。子供を作るため、ホルモンバランスを整えたいのだという。
→怖い。祥子の狂気が量子を飲み込んでいっているのが怖い。結末は描かれてないが、果たして窮鼠猫を噛むとなるか否か?
「誰にも渡さない」
大学時代からの友人章吾を好きな朋子。
章吾は付き合う女性と必ず破局する。そしてとうとう章吾と付き合うようになった朋子だがーー。
→この話を一言で表すと、「人を呪わば穴二つ」かなと思う。好きなら相手の幸せを願えば良いのにね。
「闇に挿す花」
離婚した真弓は花屋で働き始める。そこで出会った堂本と不倫の関係になる。真弓は堂本の娘の話を聞くのが好きだった。
だがある日、堂本は真弓に別れを切り出す。そして真弓が選んだ道はーー。
→幼少期の事がネックになってるのは分かるけど、健全に見えても内面は分からないから恐怖。これもある意味嫉妬なんだけど、捻じ曲がってる。堂本は自業自得としても、マユちゃんが可哀想だね。
「翠の呼び声」
音絵は通い猫のミャアが死んだとき、一ヶ月後に人生の幕を引こうと決めた。結婚詐欺にあって、財産もなくしていた。そんな音絵の目の前に現れた青年の正体はーー。
→これまでの短編がネガティブだっただけに、ほろりと来た。切なくて苦しいのにほんのり優しい話。
「嗤う手」
美容室で働く「私」の元を一人の女性が訪れる。女性の話と、暴力を働く「私」の夫の話が交差する。
→虐げられてる人の精神はどんどん病んでいくんだなぁ…って感じ。
「降りやまぬ」
家庭教師をしていた澤子の元に教え子が来る。
そして澤子は夫に別れを切り出される。
→諸悪の根源というか、大元はカオルの父親じゃないか!と思った。江國香織「真昼なのに昏い部屋」に出てくる女の人と澤子の性質は同じだな。
「月光の果て」
病院で盗みを働く教子は、篤志という少年に脅される。しかし、篤志を知っていく内に教子は……。
→恋って盲目なんだなぁ。