ベター・ハーフ (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478518

感想・レビュー・書評

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  • この結婚を手に入れたことで全てが順調に進むはずだった・・・しかし結婚とは理想でもなく夢の世界でもなく現実なのだ。バブル全盛期から崩壊、リストラ、不倫、お受験、親の介護、同居問題など、たくさんの現実が次々にふりかかる。結婚とは、夫婦とは・・・、日常にありふれている夫婦間の不満や傲慢をふんだんに織り交ぜながら夫婦の危機から再生までを、時代を反映させながら描いている。結婚には覚悟がいるのだ。今結婚を考えているあなた、あるいは、どうして結婚なんかしたのだろう・・・、そう思ったあなた、ぜひ一読をお勧めいたします・・・。

  • 「結婚、夫婦」についてリアルに書かれています。読みながらつい頷いてしまうことも。最初から波乱に満ちた主人公夫婦の結婚生活がその当時実際起こった時事をからめて描かれているので、よりリアルです。夫婦とはどうあるべきなのか、読んだ後も考えさせられる一作。「幸せな結婚ってどんなの?」の質問の一般的な回答は「無い」と私は思います。

  • 泣いてしまった…。

  •  偶然ばったり会うという、日常ではそうそう起こることがない出来事が頻発するので、都合の良いように書き進めている感がとてもあります。

  • バブル絶頂から崩壊、そして2000年に突入するまでの一つの家族の話。面白かった。
    永遠子が女から母親へ、文彦が男から父親へ変化していく様子が時代が進むにつれてはっきりと描かれており、人間の成長過程を見ることができた。
    バブルなんて言葉はテレビや本の中でしか読んだことがなく、詳しいことは何も知らなかった。経済だけでなく日本全てのものに影響を与えるものだとは思わなかった。
    夫婦というのはずっと円満にいくものではない。性欲どころか愛すらも消えて、いることが当たり前になる存在だ。以前は結婚に憧れが持てなかったが、この本を読んで少し変わった。
    永遠子が美有の受験にのめり込まなくてよかったと思う。後半は、永遠子も文彦も不倫関係に持ち込まれようとしても断っていて、これが親になるということなのかと思った。

  • 「おもしろかった!!!」
    と思うと同時に
    「終わっちゃったー...。」
    と少し寂しくなるほどおもしろかったです。

    小難しい言葉もなくて、
    友達夫婦の生活を覗き見てるみたいな
    感覚で読めてしまいました。

    結婚生活、マイホーム、子供...。

    世間一般、“幸せ”と言われることを
    何もかも手に入れたように見えても
    実際はうまくいかないことばっかり。

    SNSで他人のいいところばかり見て
    羨ましくなるようなこの時代に読むと、
    ちょっと安心する自分もいました。

    私自身は“女”で、
    永遠子の気持ちがわかる部分が多かったです。
    特に出産後の気持ち。

    でも、それをもし産前に産んでいたら
    理解できなかっただろうなと思うほど、
    生々しいあの感情を
    笑っちゃうほどぴったりな言葉たちで
    表現してありました。

  • 結婚の現実に絶望を感じながら、小説内の時代と現代の価値観が変わっていることにすこし嬉しさと希望を感じた。

  • 20代の私にはちょっと時代が古いので、こんな時代もあったのかーくらいに思いながら読みましたが
    あまりにもお互い不倫したり、男女関係において緩すぎてむしろめちゃくちゃお似合いの夫婦だよね?ってなったし、2人の人柄が好きじゃなさすぎて全体的に不幸が起こっても、うーんて感じだった。

  • 唯川恵作品。2作品目。

    時代が人を作る?、あるいは、人が時代を作る? バブル期の人生観とデフレ期では、こんなにも違うものでしょうか?

    結婚と同時に壊れてゆく夫婦関係。バブル崩壊と同時に崩れてゆく未来予想図。
    気持ちが納得できる部分が半分、首を傾げる部分が半分でした。”バブル”に踊った世代は、きっと彼ら以外には納得されないかもしれない。

    主人公たちは、自己中心的でプライドが高く、どことなくお気楽です。まだまだ、時代がそれを許していたのでしょうか。恋愛なら絶対に別れる理由が、夫婦には当てはまらない、だけなのかもしれない。逃げられないのかもしれない。が、諦めているわけでもなく、許しているわけでもない。

    生きるためか、幸せになるためか。一緒に時を過ごすうちに、夫婦の絆が深くなってゆくのかもしれない。「ベター・ハーフ」でいいんですね。

    21世紀を迎えるエンディングでしたが、二人はまだ知らなかった。この年の日本はまだデフレの入り口でしかなかったことを。→意地悪かな?

    気になったフレーズは以下:
    ★お母さんが私に教えてくれたのは、いい学校に入って、いい就職をして、いい条件の男を見つけて結婚すること。そうして、一生楽して暮らしてゆくこと
    ★小さい時から、家の手伝いなんかより一つでも多く単語を覚えなさいって、…。家庭科なんか受験に関係ないから頑張らなくっていいって。

  • 2018年夏、「平成最後の〇〇」が飛び交っていた頃に"平成最後の夏に読み返して良かった"とメモに残していた。恋愛小説は時代を映すのだ!と興奮気味の当時の自分。

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