- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087478747
感想・レビュー・書評
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岸川先生の考えや行動にぞっとした。
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医療ミステリー。患者に優しく優秀な医師の岸川。しかし、倫理を無視して暴走する彼の行き着く先は?
先に「インターセックス」を読んでいたのでいくつかの事件の詳細がわかっていて、それはそれで楽しめた。 -
エンブリオ、つまりは生まれてくる前の胎児。
医学がどこまで進歩してるかわからないけれど、
必要なことだったり、
倫理的な問題だったり、
自分の立ち位置によって考えが変わってくる問題と思う。 -
レビュー
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院長岸川の野心。それに疑問を抱きつつも、子に恵まれない夫婦には、何とかして子を授けてやりたいと、ディンクスの私は思わざるをえません。
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なるほど。こちらを先に読んでいれば、『インターセックス』で一部なぞとなっている部分は、なぞでも何でも無かったのですね。
知らずに逆の順序で読んだことで、実は『インターセックス』をちょっと多めに楽しむ事が出来たのかもしれませんし、こちらで岸川の性格、やり方が分かっていたら違った視点から読めたのかもと。。。
しかし、驚いたのは、年間に生まれる子供と堕胎される子供の数が同じくらいであること。もしかして少子化の原因には堕胎のリスクが昔よりも少なくなり、一昔前なら生まれたかもしれない命が、避妊意外にもこういった方法で盛んにBirth Controlが行えてしまっていることも含まれるのではと邪推せずには入られません。
本書は、不妊治療、生まれ来る命と既存の命、現代の神の領域に近くなりつつある医療のあり方色々考えさせられることが満載ですが、ストーリーとしても楽しめるので、お得な感じです。 -
事の善悪や生命倫理はおいておくとして、これほどの先端医療に関わり、次々と新たな治験を試み、生殖医療や再生医療の最新技術を切り拓いていけるとなれば、もはやとどまるところを知らず虜になってしまうに違いない。
あくなき探究心、進みすぎた医療、そして実際にそれらの技術がよそでは救えなかった患者を救えるという事実。おそらくこの小説は決して未来の話ではなく、今やすでにこのような研究開発は行われているのではないかと思う。「患者のため」という免罪符をもって猛進する科学や医療を、どのような現実的なラインで線引きし、特に不妊治療や再生、移植などの方針を国が定めていくのか、明らかに国の方針が立ち遅れている感がありありと描かれる。おりしも6歳以下の子供の脳死移植が行われた時期でもあり、実際にこのような分野がこれからどの方向に向かっていくのかとても興味深い。
天才産婦人科医岸川は、普通に考えれば「悪」なのかもしれないけれど、ここまで徹底した自分の主義主張があるならばむしろ爽快。