- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087480467
感想・レビュー・書評
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箪笥
蛞蝓
縺れ糸
雀谷
蟹婆
仁助と甚八
夫婦喧嘩
夢たまご
終の岩屋詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
能登の言葉?
最初、とっつきが悪かったんですが、すぐに気にならなくなって。
短編集って沢山読むと、「あれ?この話、どんなのだっけ?」
ということがよくありますが(え?私だけ?)これは忘れられない
話のオンパレードです・・・とここまで書いて、ふと思った。
翻訳ものを読むことが多いのですが、原題と邦題が違うものが
かなりあります。ひょっとすると、その邦題が今ひとつなのかも。
登場人物たち自身は淡々と生きているだけで怖い思いを
していない話って、こちらの怖さは倍増しますねー。
■箪笥
なんで箪笥の上にいるのかわかんないのが怖いっ
しかもね・・・
■蛞蝓
ナメクジと言えば塩。でもこの、蔵での女房の描写はやりすぎ・・・
■縺れ糸
神の恩賜で暮らす老夫婦にいらぬおせっかいを・・・
芥川でありそうな掌編。
■雀谷
象塚ってありますよね。雀も・・・っていうのは大枠で。
更に外枠が・・・
■蟹婆
目のない蟹ってだけでもう・・・
こういう村って実は本当にあったのでは・・・
どこかにまだあるのでは・・・うきゃ。
■仁助と甚八
これはかなり技巧的な作り。
読んでて、どちらがどちらか、だんだん惑わされます。
■夫婦喧嘩
犬も食わないってやつですね。
される方は溜まりませんが、話としてはこれだけが微笑ましい・・・
■夢たまご
「邯鄲の夢」ですか。輪廻転生って案外こういう仕掛けかも。
■終の岩屋
ある意味、モーロワの「タナトス・パレス・ホテル」。
あれより、死なないのが更に深い。 -
まるで夜語りの民話のように、朴訥とした能登弁での一人称で語られる物語は、モダンホラ-とは対極的な位置にあるようにも思われるが、それに勝るとも劣らない怖さを味わわせてくれる。
代表作「箪笥」の何とも説明のつかない奇妙な味とぞくりとする読後感、「雀谷」「蟹婆」で描かれるのはS・キングらのモダン-田舎-ホラーを凌ぐ恐怖と惨劇……その他全9編の"もっしょい"(面妖な)話を収録。
村上豊氏ののどかな挿絵もなぜか内容にマッチしていて、むしろ怖さを引き立ててすらいるのだから、不思議。 -
大人がよ読んでも怖くはありませんが、とても面白い話ばかりです。
ちょっとダークな、というかかなりダークな「まんが日本昔ばなし」をイメージしていただければ思います。
実際、挿絵画家も「まんが日本昔ばなし」の方ですし。
なんかあのナレーションが聴こえてきそうです。 -
いやー,能登に住んどる者(もん)が読んだから(さかいに)余計(よけ)におもしろかった(もっしかったわいねん)。
このような変な(もっしい)な昔話が(はなっしゃ),もともと能登地方(おらかた)にあったのかどうかは知らない(しらん)けれど,ちょっと(ちょっこり)ゾクゾクとする話でした(やったわ)。 -
伝奇SFといえばこの人。『戦国自衛隊』の半村良の短編集。
160頁未満で全9編、村上豊の挿絵27点付。
小学生でもじゅうぶん楽しめる本です。
自分にとってはちょっと感覚がマイルドすぎたか。
これ自体がすごい意欲作とかゆうものでは無いですが、フォークロアがお好きなら読みたい一冊。 -
【箪笥】―短篇。
老婆による能登弁の語り口で、家にまつわる昔話。夜な夜な箪笥の上に座る家族。短いながらもその光景を思い浮かべてぞくりとさせられるのが面白い。(2008.12) -
名の通り、能登の怪異譚を集めたもの(作者の創作が多分にある気がするが)。
中でもオススメは「箪笥」「雀谷」。
能登の方言で全文書かれており、
これが恐怖感、奇怪感を増幅させる。
村上豊さんの挿絵は元々大好きだが、
これほどまでにマッチする作品があろうとは・・・
この本を「面白い!」と思える人は連絡下さい、
飲み明かしましょう。