- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087488838
感想・レビュー・書評
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日本にやってきた軍人と日本人の女の子、という組み合わせは、戦後の小説ではある種の標準化がなされているんではないか。今はどうか分からんけど、沖縄ではそういった人々を求める女の子はそれなりにいたと言われてたわけで。
かつ相手が黒人であるならなお望ましいが、キューバ系というのはフーンて感じ。アフリカ系とカリブ系では随分と違うからね。
そして男のほうが去っていくのも定番で、そして女の子が会いに行く。。
あらすじだけ言うと普通すぎるけど、恋愛感情が生じ得ない設定になっているだけでいきなり純粋な話でええ話やなぁってなる不思議。
ダメダメな男に対して、めっちゃ理想化された女の子なところで著者はきっとマザコンだろうと想像するのもまた良し。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感想
どこかに向かう道のり。落ち着かない不安は確かにある。しかし人間として生きる上でそれは当たり前。最期の瞬間まで目的地に留まることはない。 -
キョウコという人物がとても魅力的にかかれていた。キョウコのダンスを見てみたい。
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KYOKOのように生きたいと思う人が多い。
私もそう思うが、
KYOKOのように...と思っていても、KYOKOのようにはなれない。
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映画版を先に見ました。中学の性教育で多目的室で。映画版の方があんまり無駄がなくてよかったかなという印象。
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【ネタバレ】
基本的に病と死を描いているものをあまり好んで来なかったが、これは例外だった。
キョウコが決定的に遠く隔てられていた何かとは、世界なのだろうと思う。かつてダンスを通してそれを与えてくれたホセと再会することで、再び取り戻したように感じる。
一方ホセも、その人生の代名詞とも言えるダンスが、キョウコの中でいつまでも生き続ける美しさを最期に理解できたのだ。
前半、様々な人の目線でキョウコの姿が描かれる。そこには日本人の侘び寂び精神に対する敬意が窺えた。
キョウコという少女を通して、日本と世界の対峙を美しい視点で観ることが出来た。 -
久々に満足した作品