静かにしなさい、でないと

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713206

感想・レビュー・書評

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  • B(ブス)でW(わきが)、でもエリーである内海さんは
    整形を思い立って東京に行ってみる「内海さんの経験」
    お隣の子犬を捨ててすぐ拾ったことを見られてから
    同級生の守彦からストーカー行為を受ける「どう考えても火夫」
    綺麗な従妹にコンプレックスを抱きつつ
    彼女のあと一歩の行動を煮え切らなく思う「静かにしなさい」
    町会議員になってからまるでアイドルのように扱われ
    これこそが本当の自分だと思う「いつぞや、中華飯店で」
    出会ったときはお互い恋人がいたけれど
    運命を感じてパラダイムシフトが行われる「素晴らしいわたしたち」
    北の港町への転勤をきっかけに結婚して
    ぽっくり家系の話を聞きながら新生活を送る「やっこさんがいっぱい」
    新しいアパートでねずみとダニに苦しみ
    清潔なベッドを求める「ちがいますか」
    装丁:川村哲司(atmosphere Ltd.) 装画:升ノ内朝子

    整形を考える女、幼なじみからストーカーされる女、
    美しい従妹を羨む女、町会議員となり有頂天になる女、
    パラダイムシフトを図る男女、夫について北国に住む女、
    不潔なアパートに苦しむ女。
    あまり恵まれない女性たちのどろどろとした心理描写が怖い短編集です。
    「素晴らしいわたしたち」の盲目っぷりがすごい。
    文体も全然違うし一番気になる作品でした。

  • 気持ち悪く、怖かった。ぬめぬめする。内海さんおもしろかった。BとかWとか。

  • 自意識の暴走。
    そんな感じの短編集。

    怖かった。
    ホラーじゃないけど、怖かった。
    でも、
    怖いと思うということは、自分にもどこか心当たりがあるということで・・・
    それがまた怖い。

  • 周りに、ちょっと痛いなぁ…、ちょっとウザいなぁ…、ちょっと引くなぁ…、などの反応を引き起こさせてしまう女子たちの、自分語りの短編集。
    (そうではないものも入ってますけど、みな女子たちが主人公というのは同じ。)
    でも、読んでる自分とはまるで相容れない、全くわからない話ではないのだ。
    (ただし、女子レベル“普通”以上で、光り輝く道を歩んだ女子たちはどうなのか?はわからない。ヾ(^。^;))
    なんとも、あるよなぁ、こういうとこ自分にも、っていうイヤなところをくすぐってくる物語たちです。
    うまいわぁ~…。

  • 短編集。倉橋ヨエコを聞きながらこの本を読む。とてもぴったり。「静かにしなさい」「やっこさんがいっぱい」

  • ポンポンと調子よく読める。短編集。ストーリーがおもしろく、短編なのがもったいない。先が読みたくなる感じ。

  • 思い込みってすごい。
    女性の服装とか細かい描写がうますぎて
    目に浮かぶ、浮かぶ。

    文句なしに面白かった。

  • こ、これは・・・
    登場する女たちを笑いながらも、
    自分が笑われているような感覚。
    自分のような、全く違うような。
    私が男なら、確実に、ご遠慮したい女たち。


    負け組的な女たちを描いた短編集。
    DでBでWな女とか、自意識過剰な女とか。

    このタッチで、長編が読みたい。
    というか、短編集で、これを何作も読むのは、
    ちょっとおなかいっぱいかも。

  • タイトルも装丁も、好み。

    内容はというと、自意識過剰な小さな狂気を抱えた
    年頃の女たちの物語。

    前知識なく読んでいたので、最初の一遍は
    「え・・・」と予想外の驚きのおもしろさを感じたけれど
    あとは、同じようなブラック落ちが読めてしまう。

    でもこの中学生っぽい自意識過剰さを
    自分のとはまったく無縁、とは思えないあたりがまた
    なんとも。

    でも作者は何を書きたかったのかなぁ・・という感想。

  • 内海さんの経験、
    どう考えても火夫、
    静かにしなさい、
    いつぞや、
    中華飯店で、
    素晴らしいわたしたち、
    やっこさんがいっぱい、
    ちがいますか

    女性の中のモヤモヤとしたもの、
    黒々とした気持ちが
    静かに語られている。

    北海道の冷たい空気が感じられる作品。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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