- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087713602
感想・レビュー・書評
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いかにも小川洋子らしかった。読んでいる間茫洋とした海に漂ってるような気分
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不思議な感じです。
笑えるほどでもなくて、なんか、困ってしまいました(笑) -
随分久しぶりに小川洋子さんの本を読んだ気がします。前に読んだのは「猫を抱いて象と泳ぐ」だったので、あまり構えずに読んだのですが、これは読み始めるのに気力、体力がいりました。ただ、昔、小川さん
をよく読んでいた頃はこの雰囲気に飲まれて行く感覚が好きだったのだけれど、そこまで潜り込めなくなった気がします。日々の余裕のなさなのか。
日記の形式を取った小説ですが、日常に隠れた不安定なところがさらけ出されている感じ。それがこの小説のよさであることに違いないのですが、なんだか落ち着かない気持ちになったのも事実です。 -
小川さんの本を読むのは、「博士の・・・」に続いて2作目。普通の日記から小説が生まれる場面を、目にしたような気分。この静謐な小川ワールド、好きだな。
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タイトルからエッセイだとばかり思って借り、読み始めて「あれ?」となり、それでも感心しつつどんどん読み進めてしまった。不思議な味の物語。小川洋子さんというのは---あくまでも私の偏った読書嗜好・傾向の中でではあるものの---あまりにも確固とした世界観とそれを表す文体を持っていて、この人以外こういうことは書かない・こういう書き方はしないだろう、というのが読み手の立場である自分として明白である作家の一人。(ちなみにその点で著者と双璧を成すのは川上弘美さんだと思っている。)作品は必ずしも作者の鏡だとは思わないし、これが著者の日常だなんて間違っても思わないものの(笑)本作においてはここまで自らをさらけ出してしまう著者に畏怖の念を覚えた。
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日記風小説。リアルのようでいて ファンタジーで不思議な感じがおもしろかった。
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しばらく積ん読状態にしていましたがやっと読みました。
日記小説といえば川上弘美の不可思議で抱腹絶倒なものがありますが、それとは違い、やはり小川洋子らしく透明感あふれる作品になっていて面白かったです。 -
はじめの、苔のレストランの話と、おばあさんの話がよかった。現代アートの祭典と、あらすじ係もよかった。そのほかは、ちょっと気持ち悪かった。
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最初は、小川さんが原稿を書いていく中で起こったあれこれを綴る日常エッセイかと思っていた。
…が、気付けば、ふわふわ〜ふらふら〜と怪しい世界へ…。夢幻というか白昼夢というか、現実との境界線が曖昧にボヤけてきて、読み終わる頃には「え?あれ?ここどこ?」となっちゃう始末でした。
うん、小川さんの小説にはそういう不思議な力があるね。 -
日記の体裁だけど、それはあまり現実感がなくて、まるで夢の話のよう。
そして”日記”とは別のところで進行しているであろう原稿の進み具合が、本文の最後に小さく記されていて、読者も一喜一憂する。
私は割と好きでした。
目に見えない”モノ”、何かが見えているかのような雰囲気。