彼が通る不思議なコースを私も

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 618
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715347

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の伴侶は発達障害の教師。
    小学校高学年のある日突然、発達障害の生活困難があっさり解決するなんてあるか!という大きな(大きすぎる?)疑問を除けば、丁寧に発達障害の子どもに向き合う教師の話には引きこまれるものがありました。
    しかし、人の寿命がわかるというのはちょっと不思議すぎます。
    でも主人公はこの彼を選びます。何度でも。恋愛ってこういうものですかね。不思議でも、不可解でも、わからないことをわからないままに、丸ごとその相手を選ぶという蛮勇は、恋愛でしかできないワザではないかと思います。

  • ファンタジー?展開が二転三転。最後は発散して無理やり終わらせた感がある。変に盛り上げるのは向いてないのかも。発散するまではぐいぐい読まされた。通常、小説は読み捨てるが、子供の発達のくだりは勉強になった。盲信はしないが。

    再読。読んだこと忘れてた。文章達者。面白かった。ラストの展開不要。

  • 林太郎があまりにも不思議な人だった。

  • ★夢落ちはちょっと★主人公のひょうひょうとしながら筋が1本通った設定は清々しい。発達障害は気になるトピックスだけに、こうした丁寧な先生がいればと思う。一方で、少年のころに頭の中の轟音が突然消えて回復するのは悩んでいる人や親に過度な期待を抱かせるし、こうした人は運動能力が欠けがち(だからこそ主人公は発達障害の子供向けに体操教室を開く)なのに運動神経が素晴らしかったというのは、なんとも腑に落ちない。まあ、小説の本質はそこにはなく、将来を見通す青年の能力と、それを支え軌道修正させていく(決意をする)女性の強さにあるのだろう。その点は読んでいて気持ちがよい。しかし最後の落ちはなあ・・・

  • 人の寿命がわかる能力を持つ林太郎。
    霧子のことは本当に好きだったのかな?
    昔救えなかった女性と同じ未来にさせないために一緒にいるとしか思えなくて。
    人の寿命を変える力は与えられていない、と言いつつも、何か矛盾している気がするし、身勝手じゃないかな。
    私は霧子と同じように、人生は自分たちの意思で修正可能だと思う。ただ、同じ人生は二度とないから、それを証明することはできないけど…。

  • 2014.08.15. 読了

    Twitterでファローしている知らない方が数名読んでいらっしゃって、
    なかなか好評だったので、
    読んでみました。

    他の白石一文さんの作品も是非読みたい。

  • 不思議な小説だったな~。終わり方も。

  • 最終章に?が付いた。がしかし人によって持っている時間の長さは違うというセリフに還り立った時、腑に落ちたような気がした。
    ”夢や希望”じゃ人は生きてはいけない。自分が大好きで堪らないという気持ちで人は生きていけるし、自分の子供も大事にできる。この言葉に自分はどれだけ自分自身を好きだろうか?と自問自答せずにはいられなかった。
    最近では出生前検査で遺伝子の異常があるのを事前に知ることができ堕胎する人が多いらしい。
    ダウン症の出生率が減少しているのはその為だという記事を読んで愕然とした。そのことがこの小説を読みながら頭から離れなかった。
    白石一文さんの小説は久方ぶりだが、内容のせいだろうか、文体が優しくなった様な気がした。

  • さすが白石さん、前半から泣かされっぱなしです。ただラストは、悲しくしたくなかったのでしょうね、ちょっとだけ不完全燃焼かな。

  • 5/30 小説の面白さを再認識。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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