読書は格闘技

著者 :
  • 集英社
3.55
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本棚登録 : 766
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716559

作品紹介・あらすじ

今を生き抜くために必要な事象について、立場の異なる「良書」を批評的に読み、自らの考えを新たに形成する──。格闘技としての読書体験を通じた、武器となる読書術とは? 推奨ブックガイドも収録。

感想・レビュー・書評

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  • 小難しい本から漫画、児童文学絵本まで。

  • 教養小説、国語教育、児童文学がおもしろかった。
    それまではちょっと難しい

  • ☆読書は素晴らしい力になる。あえて批判するとしたら、“対戦相手”が違っている

    様々な読書術の本を読んできたが独特かつ非常に深い示唆に富んだ一冊。

    13のテーマでメイン2冊・サブ6冊、計104冊が提示されており、
    メイン26冊の大半は単体で読んだ事はあるが、テーマと組み合わせによって、
    ここまで違う示唆が得られるのか、というのが一度目に読んだ時の示唆。

    本書の最後に明記された“感想戦”にあえて挑むとしたら、
    “対戦相手”は、本ではなく、テーマ(人生の難題)ではないだろうか。

    最初読んだ時には、(本vs本) vs 私 のような図があり読みながら違和感があった。
    その後、テーマ vs (本+本)×私 の構図で読んでみたら、本はセコンドやトレーナーのような立場となり、
    私を鍛え・アドバイスを与え・(人生の)勝利へと導く存在となり、私の読書への想いは強くなった。

    一戦を例にだすと、Round4時間管理術では、‘時間が足りない’‘時間がもっとほしい’というテーマ/対戦相手に対して、
    『GTD』『ザゴール』(+6冊)という名書/名セコンドを読む/鍛える事で“時間を管理する”という勝利が得られる。

    瀧本さんの本を4冊読んで共通するのは、“困難/テーマの連続である人生で逞しく生きてほしい”という想いであり、
    この本の根底にもその気概を感じ、読み終えた後に困難に立ち向かう勇気や強さも得られた点こそ
    この本の真価だと思う。

  • 著者の本は好きで読んでいる。
    本著は、著者が今まで読んだ本をジャンル別にオススメしている内容で、新しい気付きなどは少なかった。

  • 読書は格闘技。読書は感想戦。これは、本を読み終えた後、自分なりに振り返る行為や、あるいは同じ本を読んだ人と議論を戦わせたり、他の人に本を紹介して反応を見てみる行為。そもそも本を読み終えて内容を完全に忘れ、その後の思考や行動の変化がなければそれは宝の山に入りながら手を空しくして帰るに等しい。読書で知識が増え、それが何かの判断に役立って行動の変化が起きた時に最も読書の価値が生じたと言えるのだから。

  • エンジェル投資家として活動しながら、京都大学で産官学連携活動に従事していた著者の読書姿勢を扱った本。

    「読書は格闘技」とは、単に受動的に読むのではなく「本当にそうなのか」と反証的に読む中で自分の考えを作っていく知的プロセスのことである。格闘技的に読むとは、著者と自分の考えを戦わせて考えを新たに形成していくことなので、リングの外から傍観するといった受け身の姿勢は許されないそうだ。つまり、自分もリングに上がり著者と格闘しなければならない。

    本書では、(読書における)格闘の方法の一つとして対立軸を設定した読みを行っている。対立軸は、問題意識、背景、テーマなどで決定する。そして、それぞれの本の利点と欠点を整理し論点や課題を浮き彫りにすることで、批判的に読書を行っている。例えば、「心を掴む」というテーマでは『人を動かす』と『影響力の武器』を設定することで、人情vs統計データ、道徳的vs合理的など多様な切り口からこのテーマを深掘りしている。

    著者のスタイルで読書することは、自分が批判的に考えることを要求するので、負荷がかかる。しかし、ただ単に知識を頭に入れるのではなく思考力を身につけるという目的で読むなら、この負荷は避けられない。それを再確認することができた。

  • 本書は、読書を通じて著者と格闘することで自分の考えを作っていくという知的プロセスを、著者が12のテーマで2冊の本を比較しながら実践している本です。

    具体的なやり方を指南するものではないので、実際にやってみようとするとなかなか難しい。
    こんな形で「感想戦」はしているものの自分で読み返してみてもレベルが低くて、本書レベルは目標としても理想としても高すぎです。

    ただ、最低限、知識を増やし、判断に役立ち、行動につながるようにはしたいですね。
    ここらへんは今年の目標ということで、これまでのコメントでも読み返してみようかな。

    また、単に書評本として読んでも、着眼点(視点とか軸とか)がなかなか興味深い。

  • あとがきもシンプルで良い。

    読書は感想戦が重要。
    ×「この試合を振り返って・・・」
    ◯「この打ち手は・・ここでこう・・」
    →仕事におけるフィードバック、週次レビューなどもこれに通じる。
    ただ単純に反省することが目的ではなく、何が良かったのか、も含めて言語化する。
    「この1年を振り返って」のときに、何を見て振り返るか。

  • ショウペンハウエル『読書について』読書は他人にものを考えてもらうことである。

    『人を動かす』宗教倫理的な連帯。
    『影響力の武器』道徳的ではない、商売のテクニック。
    返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性。

    『君主論』マキャベリが書いた就活ES。
    『ビジョナリーカンパニー』

    『文明の衝突』
    『ふらっとする世界』国際分業。

    『ザゴール』
    『ストレスフリーの整理術』

    『年収は住むところで決まる』
    『現代の二都物語』

    『天才を考察する』人間は環境が要求する分だけ発達する。メラビアンの法則=内容ではなく非言語で判断している。
    『さあ才能に目覚めよう』一回だけ診断テストを受けられる。強みは、市場との競合関係で決まること。

    『ポジショニング戦略』新しいことをやるには別のブランドで。
    『キャズム』

    『ニューアトランティス』
    『1984年』

    『アナーキー国家ユートピア』
    『正義論』ゲーム理論のマキシミン原理と同じ。利己的な集団が、利他的な結論に到達する。
    国家を作る合意が正しいか。

  • 過去の書籍を盲目的に引用するのでなく、一方的に反論することもなく、一つのストーリーを成立させる力量に感心した。これだけ多くの書を取り上げたら、書評集のようになってしまうはずが、そうさせない点が凄い。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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