- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087741698
感想・レビュー・書評
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文章や日常から幻想へ繋がっていくストーリーや謎めいた登場人物設定は好き…なのだけど今作はあまりハマらず。
個人個人は好きなんだけど、他の誰かとの繋がり方が(悪い意味で)共感しづらいな、とか結局 順子さんは何者?幸裕=裕幸は同一人物?パラレルワールド?ベティは誰?等疑問点が残って上手くまとまらない。夏の白昼夢…にしては周りの人物がハッキリ事象を理解してるし、それなのに正解となる答えは言ってくれないし。掴めそうで分からないモヤモヤ感のが強く残ってしまう読後感が個人的には合わなかった
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すべての登場人物がどこかいびつで歪んでいる
おばさんが屋台で売っている野菜たちのように、
どんどん物語は捻じれていく、不思議の国のアリスのようだ
夏の日のバスルームのタイルのようにひんやりとして
けれど暑くじっとりと汗が出るような
そんな不思議な物語だった。
この世界はどこの世界なのか、なんなのか掴めずにいる -
夏の太陽がみせたまぼろし。
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<もうすぐ21歳>
栞は来週21歳。
やどかりを捜してとなりの男の子がやってきてから、栞が21歳になるまでに起きた、夏の日の不思議なお話。
子どもの頃、家出をしてからずっといっしょで、双子のように愛している兄が行方不明になった。妻の遥子さんは「それ」を捜しにどこかへ行ってしまう。
2人の恩人で兄の愛人である順子さん、もう一人の愛人のようなめぐみさん、がからまって、栞の冒険が続く。案内役は、逃げ出したやどかり、そして、栞の思い出…。
何か、村上春樹を思い出させる展開で、どんどん不思議な世界に身をおいて、いっしょに何かを探し始めてしまう。
数日間の出来事のはずなのに、いっしょに何年も旅をしたような充実感が心地よい。
文庫の解説の三木卓氏の文章も嬉しい。
2008-01-23 / 小川三郎 -
2014.8月下旬
昔に買った本を読み返してる。
何年振りかに読んだけど、ほんと不思議な世界。
でも、おもしろかった。 -
私が好きな夏の描写ではないけれど、夏に溢れてる。食べ物とか空気とか。
さわやかでもじっとりでも太陽さんさんでもない、独特の夏の感覚。結局、結末はよく分からなくてなんだかファンタジーだったけど、物語の雰囲気はすき。この時期に読めて良かった。 -
現実とファンタジーの世界がリンクして、登場人物はみんなぶっ飛んでいるし、よくわからないといえばわからないのだけど、いつものように江國香織の文章だった。おもしろい。でもすっきりと理解できたわけではない。何が起こっているのかさっぱりわからないけど話はゆったりと流れ進み、疑問は苦痛でないくらいに、でもずっと沈殿していく。たぶんわたしはそれが心地よいのだ。