第三の時効

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746303

感想・レビュー・書評

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  • 『このミステリーがすごい!』2004年4位
    『山本周五郎賞』第16回 (2003年) 候補
    『週刊文春ミステリーベスト10』2003年6位 国内編

    表題作の「第三の時効」はそんなやりかたがあったのかと驚かされた。
    凄腕揃いの捜査一課強行犯一、二、三係の刑事たちがそれぞれ個性的で面白い。特に班長三人においては単独作でも読んでみたいキャラクターだった。

  • 警察物が読みたい人に勧めるのはまず何をおいてもコレ。トリックや推理よりも人物描写と心理描写が秀逸。横山秀夫は長編よりも短編が好きだなぁ。

  • トリックの印象がやけに薄いなーと思ってたら、
    これは推理小説ではなく、警察小説なのか。
    読み方間違えた。

  • 出版社 / 著者からの内容紹介
    04年「このミス」第4位の名作!
    時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがある。F県警はこの間に容疑者を追いつめようと…。サスペンスとドラマ、警察小説の傑作連作集。

  • ともすれば暗くなりそうな主題だったりしないこともないのに、
    嫌な気分にならないところがすごい。
    短編集か、とちょっと目次を見てがっかりしたのですが、
    そんなことはなくてつながっていて、それも個人的に
    評価の高い点。
    心理学の勉強をしていたとき、『囚人のジレンマ』という言葉に
    触れたことがあるので、そのタイトルにもおおっと思いましたし。

    男の人向きかな?大抵の男の人は、面白いと思うのでは
    ないでしょうか。

    全体のつながりはもちろん、警察という内部
    人間の内面が垣間見られる作品です。

  • 横山秀夫作品ナンバーワンだと思ってます。
    短編集ですが、すべてのタイトルのつけ方が秀逸。
    構成もオチもすばらしい☆☆☆☆☆

  • ●あらすじ●
    大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。全6編の連作短編集。

    「沈黙のアリバイ」パチンコ店の現金集配車が襲撃され、警備員が刺殺された。インテリを気取る被疑者、湯本の取り調べに二課上がりの島津をあたらせた。一旦は自供したかに見えたが、彼は法廷で一転、無罪を訴え、アリバイを主張。誰も知らなかったそのアリバイに隠された思惑は…?

    「第三の時効」15年前に発生した殺人事件の時効が目前に迫っていた。殺人事件の被害者の妻は犯人にレイプされ子を宿し、生まれた娘は14歳になっている。時効成立時に犯人がこの親子に接触してくると考えたF県警強行犯係は親子をマークし続けていた。
    事件発生から15年後、第一の時効が成立。犯人が海外逃亡していた期間があるため、第一の時効から7日後に第二の時効が成立。しかし犯人逮捕のために仕掛けられた罠があった。第三の時効とは・・・?

    「囚人のジレンマ」1班:主婦殺し、2班:調理師殺し、3班:証券マン殺し。それぞれの班が別の事件を同時進行で追う。それを統括する第一課長の田畑警視の目を通し、また事件記者との駆け引きを絡めながら描く。

    「密室の抜け穴」脳梗塞で入院した村瀬に代わって三班の班長代理となった東出が、隙なく監視していたはずのマンションから容疑者に逃げられてしまうという大失態を犯す。容疑者はどうやって密室から逃亡したのか?誰が逃亡を手助けしたのか?村瀬がこの密室の謎を第二の密室(会議室)を用いて解き明かす!

    「ペルソナの微笑」道化を演じることで過去を自分の中に閉じ込めた刑事・矢代。13年前に発生した自分の暗い過去を彷彿とさせる事件と、それに関係するかもしれない殺人事件の捜査に当たることになった矢代は、自分と同じ仮面をかぶった男と対峙する。その事件とは、公園で遊んでいた八歳の少年に見ず知らずの男から「消臭剤」だと渡された青酸カリのせいで、父親が死んでしまったというものだった。

    「モノクロームの反転」一家三人殺害事件が起きた。二、三班が合同で捜査に当たることになるが、互いに対立し独自で捜査を進める。三班は向かいの家の青年から「壁の穴から外を覗くと前に白い車が停まっていた」という目撃証言を。二班は、被害者一家の妻・洋子が数日前に同級生である2人の男に電話をかけていた事実を掴むが、二つの班は情報を明かそうとしない。

  • レビューの絶賛通り、面白かった。
    個性豊かな班長率いる刑事たちの男くささぷんぷんのミステリー。
    オチの意外性もすばらしい。
    他のものも読みたくなった。

  • 2009/07/22〜2009/07/25

  • 推理小説というより、警察小説。短編集で、県警の捜査三班がそれぞれ絡む。面白いけど、刑事と新聞記者にはなりたくないと思うなぁ〜(笑)
    ともかく、横山作品らしく、暗くて重い。それだけに光があると際立つんだが・・今回は光より班長達の個性重視。同じメンバーが活躍する作品を探したくなる。6編の中で特に好きだったのは、「ペルソナの微笑」。犯人に怒りをぶつけるシーンは印象深かった。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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