第三の時効

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746303

感想・レビュー・書評

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  • F県警捜査第一課。一班の朽木。二班の楠見。三班の村瀬。一筋縄ではいかない強行犯の刑事たちが、覇権を激しく競い合い、難事件に挑む! 非常で独断的な男たちの感動的なドラマを描く本格警察小説。

  • F県警強行犯シリーズ第一弾全6篇が収録。事件を捜査する捜査第一課強行犯係の刑事が主人公連作警察小説。表題作「第三の時効」殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた…。時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがあったのだが…。強行犯同士の三人の班長・部下の手柄争い・対立がリアルに現実味を帯びて描かれている。続編が読みたいですね。「永遠の時効」・「第四の殺意」連載作品・アンソロジーに収録されているようですので探したいです。

  • 警察官も人間であり、いろんな葛藤や嫉妬、競争心を抱えながら事件と向き合っているのだと感じさせられる。短編どれも中身が濃くておもしろかった。

  • この警察小説がすごい!第一位に選ばれた本書はF県警捜査一課の刑事達を主人公にした連作短編集であり6つの短編が収録されている。以下に詳しい感想があります。
    http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou12503.html

  • 面白い。
    警察小説は長編のイメージがあったが、基本的には1話毎完結した構成。全体を通してF県警強行捜査班の物語で、それぞれ人間模様とどんでん返しが用意され引き込まれた。短い文章の中にも伏線の張り方がうまく、自分で推理しながら読んでいく楽しみがある。久々の良作!

  • F県警捜査一課強行犯係を舞台にした短編集。朽木、楠見、村瀬の各班長が強烈な個性で犯人を追い詰めていきます。表題作の三重四重のどんでん返しには絶句。他の話も良く練られていて夢中になりました。「ペルソナの微笑」が特に印象的でしたね。三つの班が競い合いながらも、犯罪と犯人を憎むという力に突き動かされて行くところに、警察小説の真髄を見た思いです。

  • 犯罪を解決する面白みももちろんあるが、警察のがちがち縦社会の中、班長やその上の役職ごとにそれぞれ抱える組織をどのようにまとめるかマネージメントの多様性が垣間見れて、そこがまた面白い。
    ただのクライム・サスペンスだけで終わるのではなく、組織あっての人か、人があっての組織か、警察があるからこその犯罪の取り締まりか、犯罪があるから警察が成り立つのか、鶏たまごの関係性がこうも重複すると話自体が同じ構造でも積層化し、解決された事件は全て歴史の中の化石となっていく。著者はその化石を丁寧に掘り起こす(それがフィクションであっても)ことにより、警察の根性、内情、現状と限界を詳らかに描き出す。

  • 警察の取調べの裏、そして容疑者との心理の戦い、警察官の個人個人がもつ過去と内面。刑事小説として短編はどれも迫力があります。実はアリバイがあると思わせるだけで十分であり、警察官と心理が逆転してしまう「沈黙のアリバイ」、時効前後の一寸した時間のドラマを活用して真犯人を自供に追い込む「第3の時効」、共犯者がお互いに自白をする心理を語ったが警察官にも当てはまると言う皮肉を描いた「囚人のジレンマ」など6編。最後のどんでん返し、種明かしが一つの名人芸です。推理小説とは異なる新しいタイプの小説ですね。

  • 08.10読了。

  • 捜査一課強行犯係の三人の班長達の話をあつめた警察物の短編集。
    登場人物は癖のあるおっさんばかり。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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