- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087754223
作品紹介・あらすじ
日本の避暑地にある天才IT実業家の巨大な別荘で不可解な事件が発生! 忘れ得ぬ苦しい記憶を背負った探偵が、事件の謎・愛の影を探求・逍遥する、至高の長編小説。待望の書き下ろしミステリィ。
感想・レビュー・書評
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『ゾラ・一撃・さようなら』の続編。
森博嗣的ハードボイルド(ハーフボイルドくらい)で、軽妙な会話を楽しむにはうってつけの小説。
少し落ち着いた夜にコーヒーでも飲みながら読み耽りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20150228読了
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殺すことの切実さと、生きることの軽薄さ。
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とりあえず都鹿が可哀想。
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前作のほうがずっとよかった。
今回心に刺さる文章は見当たらなかった。 -
この作家が書く小説の主人公が好き。
とても魅力的だと思う。
軽薄なくらい軽いのに、ひたむきな感じ、一途に何かに向かう感じ。主人公にはそういう素質が必要なんだ、と読むたびに思う。
これはミステリーだけど謎解き部分にはそこまで力は入っていない感じ。ミスリードと言えなくもない要素は本当に単なる観察事項として扱われているし、犯人を推察できそうな観察はあえて省かれている。アンフェアなミステリー。
そして探偵は探偵としての役割も、自分の本来の仕事(著名人の伝記を書くという仕事)もまるで二の次で、その仕事が持ち込まれたことで幸運にも復活のチャンスを得た、かつての恋人への想いに囚われている。この仕事をすることが彼女を喜ばせるなら、どんなつまらないことでもやってみせよう、という心意気。
探偵はまた、もっと遠い想いにも囚われている。はるか前に失われた、失われたことでとてつもない重みを得たもの。
人生を経るうちに背中に乗せた重みを背負い、目の前にあるもののために自分を差し出し、自分の動ける範囲の狭さを知りながらも、軽々と、飄々と生きている。それは諦観故でもあるし、だから何でも受け入れられる。だから強い。そこが魅力なんだと思う。 -
IT史上の伝説的天才ウィリアム・ベック。日本の避暑地にある彼の豪華な別荘で不可解な殺人事件が起きる。背景には何があるのか、苦い過去を背負った探偵・頸城が真相に迫る! 本格+ハードボイルド長編ミステリィ。
(2015年)
— 目次 —
プロローグ
第1章 不在・羨望・さらに思議
第2章 関係・記録・さらに意味
第3章 破綻・混乱・さらに虚無
第4章 発想・消滅・さらに不意
エピローグ