空白の叫び 上

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 539
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (582ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797290

感想・レビュー・書評

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  • 3人の少年が殺人を犯すまでの話と少年院に入ってからの話。どうして殺人に至ったかの件は最初読み進めるのに苦労したけど、克明に描かれていてだんだんのめり込んでしまった。上巻は読んでいて苦しいところが多かったけど、下巻はどうなるのだろう。

  • @anagramshi さん

  • 幼いけれど色んな気持ちを抱えていて、自分で分析していてすごいかも。

  • 章タイトルのとおり、胎動という感じ。3人の少年の境遇が語られる。彼らには彼らなりの事情があり、彼らなりの思いがある。それが残酷な形で表出する。

  • (amazonより)出版社 / 著者からの内容紹介
    「普通の中学生」がなぜ殺人者になったのか

    久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。〈上巻〉第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面を克明にたどりながら描く。その3人が同じ少年院に収容されて出会うのが第二部。過酷で陰湿な仕打ちで心が壊されていく中、3人の間には不思議な連帯感が生まれる。〈下巻〉第三部。少年院を退院した彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして、再び3人が出会う日がくる。 少年犯罪を少年の視点から描いた、新機軸のクライムノベル。

  • フツーの男子校生工藤は女性教師を。金持ちの葛城は幼馴染みを。母親に捨てられた神原は母を。3人の中学生が身近な人物を殺害し、少年院で出会う。共通しているのは、殺人を犯したことを少しも後悔していないということ。卒院後も社会復帰できなかった3人は銀行強盗を実行。しかしー。敢えて大人からの思考は挟まず、あくまで3人の視点で描き続ける。そうすることで、大人からは不可解でも彼らなりの理屈と、言ってもわかってもらえないだろうという諦めが見えてくる。最後、葛城と神原、殺した英生との関係が明らかに。ミステリ的要素もあり、出来すぎ感はあるが面白い。

  • ひりひり感が好き。
    少年の気持ちがわかる自分がこわい。
    人を殺す人 殺さない人 どこで分かれるのか考えさせられる。
    結論は出ないが。

  • 人文学部法学科一年のヒラキです。
     今回ご紹介するのは『空白の叫び』。少年事件に迫った本で、三人の少年が事件を起こした経過・少年院での生活・社会復帰を上中下巻でつづります。心の闇・社会の闇と括りきれない彼らの感情が非常にリアルです。
     事件に至るまで彼らの葛藤がとても精密に書かれ、上中巻は比較的シリアス。下巻はどちらかというとエンターテイメント的要素が盛り込まれ、主人公同士の関係性のどんでん返しは非常に巧妙です。ぜひご一読あれ!

  • それぞれの事情で殺人を犯した中学生の心情と心の闇を描く。自分の母親、使用人の息子、女教師をそれぞれに殺害。

  • ふつうの少年がなぜ人を殺すのか。世の中への違和感を抱え、彼らは何を思い、どんな行動に出るのか――やがて殺人者になる三人の心の軌跡をたどった戦慄のクライム・ノベル。

    何かを鬱陶しく思う。
    その何かが人であり、それを排除したいと思う。
    そこまでならきっとセーフで、排除してしまったらもう既にアウトなんだ。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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