デウスの棄て児

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 550
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861212

感想・レビュー・書評

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  • 漢字が多くて難しそうだと思ったけど、以外と読めた。
    今まで天草四郎のことなんて考えたこともなかったから面白かった。
    耽美()な感じとか、この作品なら合っている気がする。

  • 天草四郎、嶽本野ばら風物語。

    歴史を知らない私にはよい勉強にもなりました。
    天草四郎って切支丹だったんだ。
    でも野ばらちゃん(男性)のフィルターを通すと天草四郎がハーフになっちゃう。
    クリエイティブ。

    宗教とか、哲学とか、そういった話は好き。

  • 天草四郎。
    読みやすい、と思う。
    もう少し奥行きがほしい気もするけれど。

    嶽本野ばらさんというと、もっとファッショナブルというか、
    そんな内容のものばかりかと思ってました。

  • 嶽本野ばら的、「新釈」ならぬ「超解釈」な天草四朗伝。望まれぬ子として生まれ、「悪魔の子」と蔑まれ、天主を怨み、天主に復讐する事にのみ生きる意味を見出そうとする四朗。
    天草四朗-「悪魔の子」と云う設定。山風先生の「魔界転生」の二番煎じではないか、と思っていたのだが、全然違った。こちらは徹底して「良い話」として展開させ、全く新たな天草四朗像を確立している。
    誰かに縋り付きたいが、誰にも縋り付けない-四朗の姿は、良く言えば「孤高」、悪く言えば「孤独」。彼の内なる葛藤と心の氷解が見所。
    展開と細部に無理を感じるものの、爽快な読後感を楽しめる作品。時代小説として読んでしまうと、いろいろと難点が目に付くので、エンタメ作品として純粋に楽しんで読むべし。

  • 混血の私生児として生まれ、
    迫害され続け、この世界を作った神と
    欲に塗れた人の世を憎むに至った四郎。
    超常の力を得て神の子として崇められたことで
    その憤怒は衆生を巻き込む争乱へと発展してゆく。


    島原の乱を起こした天草四郎の生涯を描いた物語。

  • 天草四郎をモデルにした本。
    だけど人らしく捻くれ、憎み、哀しみ、世の中の汚さを理解して、復讐する姿はまるで歴史と相反する姿。人って醜いけど、美しい

  • 野ばらちゃん的
    天草四郎・島原の乱。


    人間は本当に醜悪で愚かで、
    けれども愛おしい存在。

    『ゼウスみたいな神なんかクソクラエ。
    神に何が出来るの?』派なあたしは
    このエンディングが
    儚くて、
    総てのものが憎くて
    憎みきれなくて
    泣くしかできないことが悔しかった。


    ここらへんの歴史は
    本当に興味がなく、知らなかったんだけど
    いろんな文献を読んでから
    また読み直したい。

  • そうか、こういう考え方もあるなと思った一冊。
    野ばらさん独特の世界

  • 天草四郎の話。

    とっても好みの話なんだけど、歴史を舞台にするなら細かい設定がもっと欲しいし、重厚感も欲しい。
    うん。倍のページ数は欲しい、ってことで星3つ。

  • うぅーん、野ばら作品にしては…って感じでした。

著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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