星に願いを、月に祈りを

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 960
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863223

作品紹介・あらすじ

「100回泣くこと」作者の新たなる代表作
小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きなるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始める――。

07年刊行の絵本「星空放送局」から着想を得て、約5年の歳月を経て出来上がった小説。イラストレーターは宮尾和孝。

感想・レビュー・書評

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  • 【私達は偶然の生に自分で意味づけをし、人と交わりながらやがて大切なものや生きる意味を見つけていく】
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    小学生の夏、宿泊体験の夜に宿を抜け出し、蛍を見に行った大介・麻里・アキオ。
    迷子になった真夜中の森で不思議なラジオ番組「星空レディオ・ショー」を聞いて…?

    自然の音、部活の掛け声等臨場感をある音に、紡がれる星や宇宙の話、うさぎとカラスの物語といった神秘的な話が混ざりたい、物語全体としてとても不思議な雰囲気を纏っていました。
    メビウスの輪の話など、数学的、哲学的な話があちこちに星のようにちりばめられていて、非日常な空間に身を置かなくても、考え方ひとつで世界はとても不思議な場所に変わるのが面白いなと思いました。

    また、特に好きなのが星空の描写。
    同じ中村先生のBang Dream!では、主人公の香澄は幼い頃星を見た体験を「星の鼓動を聞いた」と生き物のように表現しているのですが、今作では哲学的に、星や宇宙を自分の認識している「世界」の一部として捉えており、中村先生の描写・捉え方ののバリエーションに舌を巻くと共に、一人一人それぞれに星の解釈って変わるんだなと思わされました。
    反対にどちらの作品も音楽や歌詞が多様されているところ、「聞こえる?」という言葉で誰かに語りかけているところは、中村先生の作風スタイルや思いを伝えることへの信念が見えて、やっぱり好きだなあと思いました。

    皆さんの夜空にも、優しい星が流れますように。

  • ミニコメント
    読み終わったら星空を見上げたくなります。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/776296

  • 「キャンプの夜」
    ホタルを見せたくて。
    真夜中だから気付く方が難しいことだけど、夜間の見回りもしておくべきなのでは。

    「約束を探して」
    必死に頑張ってきた。
    真剣に向き合い練習を続けてきたからこそ、負けて悔しいと涙を流したのだろうな。

    「約束の世界」
    家出した先での生活。
    一人で親を続けるのは疲れてしまうだろうが、未成年を残して休暇はどうなのだろ。

    「最近の話」
    大切なお守りになる。
    語られた想いは聴かなくても、二人で過ごした日々の中で十分伝わっているだろう。

  • 登場人物がやっていた目玉焼きの作り方をマネしてみたけど、うまく焼けなかった。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 真面目に素直に生きることが大切。

  • 星空に願いを、ツキに祈りを
    著作者:中村航
    発行者:小学館
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    ラジオを聞きながら、星空わを部屋の窓越しに見上げながら読みたい一冊です。

  • 紺色

  • 隠喩に満ちた言葉の数々は、昼間の空に見えない星のよう。
    キザったらしくなく、淡々と摂理を歌うような、なんともいい難い文体。
    森や星空の闇が出て来るが怖くはない。あたたかな闇。
    生まれてくる前にいた深淵なところに潜り込む感覚を味わえる。
    読後感がいい。

  • なんて素敵な小説。。。時と人の想いをうまく扱ってる中村さんらしい小説でした。これだから中村さんは侮れない。とストライクだよ!

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著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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