- Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863643
感想・レビュー・書評
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面白かった。夢と冒険とロマン。海洋考古学はよくわからないけど、この本を読んですごく興味を持った。400年前に沈んだスペインのガレオン船を引き揚げるなんて、本当に出来たらすごいだろうな。
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祖先が乗船していた沈没船を探すため、水中考古学という金にならない学問を選んだ青年を主人公とする、海底の沈没船引上げをめぐる男たちの冒険ロマン小説。この争う男たちが、現場作業員じゃなくて金持ち同士というのが、ちょっと異色だ。
対立するのは、沈没船に考古学的価値を見出すアントニオと船内の財宝の価値しか認めないハドソンの両富豪。主人公の日本人学者が応援するのは当然、前者。アントニオとハドソンが金に糸目をつけず、沈没船の所有権を得ようとするブルジョアジーな行動は凄まじい。逆に言えば、これほどの私財を持っていなければ、海底のお宝探しは難しいということか。
一方で金も権力もない主人公は自身を「しがない一個人」と嘆きながらも、全力で行動を起こす。その信念はアントニオ、ハドソンの億万長者の感情ですら揺さぶってしまう。ハドソンは意外に良い奴だった。
札束の舞う大げんかに、沈没船の歴史的エピソードと海底火山噴火がからみ、停滞しないストーリーだ。 -
著者の面目躍如とも言うべき海洋冒険小説。「太平洋の薔薇」にはいささか及びませんが、沈没船引き揚げを巡る海洋考古学者と企業の競争という視点はなかなか斬新で楽しめました。
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400年前に財貨を積んだまま沈没した船の引き揚げをめぐる、水中考古学者たちとトレジャーハンターの駆け引きに最後まではらはら。さらに、地震や火山活動による新島出現か?という経済的排他水域をめぐる国際問題も絡み、目が離せないまま一気に読んでしまった。
時を越える壮大なロマン、海の男の生きざまも爽快で魅力的。
復元された「アンヘル・デ・アレグリア」に出会ってみたい! -
少々、微妙な設定があった感じですが
それを、飛び越えて笹本ワールドに浸りました。
この本の装画・装帳、物語への導入に凄く良いです。
読み終えてから、改めて眺めると 一層この物語への愛着が増しました。