- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093866415
感想・レビュー・書評
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順風満帆なところで終わらず、そう来たか最高かよと唸らざるを得ない。
アーサーの正体、ハナの本音、どれも心揺さぶられるものでした。 -
「ほんまに、きみが愛おし!」時は明治の世。秀才ながらも、山口の家族を支えるため進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、幼い日に誓い合った約束の行方は?
序盤から別れまではあっという間に読みました。どんどん会社が大きくなりどんどん利一が離れていってしまうように感じるハナ。普通の小説だったらここで二人がくっついてハッピーエンドなんでしょうが、そこは高殿さんの描く新時代の女性、アメリカへ旅立って力強く生きていきます。ちょっとここからが物足りなかった。あっという間に駆け抜けてしまって、ハナがどういう人生を歩んだのか、想像の域止まり。利一もこんなくよくよしてる人だったか??と面食らってしまった。新しい時代を先取りしようと勉強したりしていても、人は老いるとこうなってしまうのか、とちょっと悲しい。描かれた化粧品メーカーにモデルがあるのか気になった。 -
東洋の化粧品王と言われた中山太一をモデルに描いた一代記。
ロゴマークやポスターに使われた芸妓、ハナの自立の物語でもある。
久々に爽やかな読後感だった。ドラマや映画になったところを見てみたい。 -
スパイスとしての兄登場?要らないかも。単純に出世物語として楽しんでいたが、何だか後半はタイアップ小説みたいに。「ほとんどの人は何もないところを切り開いて生きてきたのでは」「顔や稼ぎやのうて、まわりにおる人間の質がその人のほんまの器量なんやて」「たとえお山の生まれでも、ひとたび人里の水を飲めば、もはや狸も狸ではいられず、ずっと人のふりをして人を化かす」♣️が杖で権威の象徴だって初めて知った。まだまだ知らないことばかり…
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お恥ずかしい話、中山太一も中山太陽堂も全く存じ上げず、現在もクラブコスメチックスとして現存することも全く知らなかった。フィクションとしての小説も面白かったが、歴史の勉強にもなった。確かにイケメンで、パッケージやポスターの斬新さも赤玉ポートワインに引けを取らない。
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どんどん会社が大きくなるのが気持ちいい。
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東洋の化粧品王、知らなかった。
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いや~久々に一気読みしました。
理屈抜きで面白かった。
いわゆるサクセスストーリー、語りつくされてきた感はあるものの、舞台が1900年初めの神戸、外国との交流も盛んで、おしゃれ、流行に敏感な人たち、そんな中の花街でさえ他とはちょっと違う。
秀才ながらも、家族を支えるため山口から出てきた少年。
牛より安い値段で花街に売られてきた少女。
どぶにはまった利一を偶然見つけて助けたのがハナ、利一が15歳、ハナは12歳、二人の出会いである。
大分の酒類卸店の神戸支店を任され、日々売り上げを伸ばしつつも、
常に向上心を持ち、常に勉強し、今求められているものを考える利一、店をやめ、自分で事業を立ち上げる。
といっても最初は、荷車を引いて行商、ワイシャツを売った。
客の立場に立って、自分の足を使ってどうしたら売り上げを伸ばせるか、奔走の毎日の中で、信用を作り、人脈を得て、それらをばねにして大きく羽ばたいていく。
一方ハナも、置屋一の押しも押されもせぬ芸妓となり、二人は折に触れ励まし合いながら、切磋琢磨する。
思いもよらぬ挫折もあるし、日々忍び寄る戦争の暗い影、多分に漏れずの状況も何とか切り抜け、ハッピーエンド?
う~んそれはどうだろう・・・
何かやり残した感があるし、全て引退してから手に入れても仕方のないものもあるし。
まぁ考え方しだいかな。
でも単純に面白かった。うん、良かった。
百貨店の外商の話や、トッカンシリーズも大変面白いですが、これはまた違った面白さです。 -
今一つ話に乗り切れず、ダラダラと歯切れ悪く話が進まない感じがした。