- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093876476
感想・レビュー・書評
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素晴らしい本でした、さすが汐見先生。現代は便利になり過ぎて、かつすぐ答えをだすことが求められる。その結果考えることが苦手な若者が増えつつあると。では、どうしたら考える力がつくか。学力が伸びるか、社会でも通用するようになるか分かりやすく書いてあります。
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「学力を伸ばす」ための基礎・土台作りについて考えさせられる良書
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[江戸川区図書館]
わかっていても、守れない。それが理想だろうと納得さえしても、そうなれない。親の側のジレンマを読んでも感じるだけかもしれないけれど、それでも、結果役に立っていないじゃないかと非難さえされても、読み続けること、目指すことだけはやめたくないと思う。
■「学力を伸ばす」ということ
子どものプライドを傷つけない、ていねいな会話をする、そういう気持ちを強く持つ。子どもは親にがみがみ言われたらわずらわしくて、反抗する。
■家庭で学力を伸ばすのに大切なこと
家庭内文化がなくなると話題はなくなる、親は自分を語ろう。
子どもを問い詰めていくベクトルを持った言葉じゃなくて、親の自分言葉、一人称言葉、をできるだけ織り交ぜていく。
すぐに評価をせず、反復し、まず自分の感情を表現する。
小学校の間は読み聞かせ、洗練された文章をていねいに読み、本物を体験させる
■体験が少ないと学力は伸びない
国語でも、自分で実際に苦労した経験がないと、漠然としたイメージをつくって勝手に「読んで」しまう。国語の授業でも演劇的な要素をいっぱい取り入れていかないと授業が成り立たなくなっている。共感するには、まず体験から。
■学校不信に陥ったときは
わずか1年で最悪校からベスト校へ立ち直った公立中学は、新校長の改革方針3つ。1つ目は、学校に寄せられる不満などのアンケート結果を、すべてオープンにして隠さない、どの教師が批判されているかがわかるものも出す、と親たちに約束したこと。2つ目は、教師に「子どものためにいいと思ったことは、すべてやっていい。私は何も規制しない」と伝えたこと。3つ目は、学校に対する親の不満は直接担任等に伝えず、校長室で聞くようにしたこと。直接先生に伝えると教師が過敏になってしまうので配慮し、必要なことは校長から担任に伝えます、と約束した。
■社会で通用する「学力」とは
学校というのは、元来わからない子ほど手をあげなくてはいけない場である。
今は、わかる子ばかり手をあげている、そうやって学力差がつくような教育になっている。
■中学受験を考える
学部の時代ではなく、大学院まで行かないとそれなりに使える人材にならない時代になっていて、研究室や先生次第。
中学受験は短期決戦で。
■思春期のハードル
■「東大卒」はブランドか
企業が東大生に期待するのは、忍耐力と要領のよさ。
社会に出ていい仕事をする人、周りから評価される仕事をする人は知能指数の高い人というよりは、自分と周りの人間の感情、特に強い感情である情動を上手にコントロールすることのできる人に多い。 -
学力の伸ばしかた。フィンランドの読書体験、親の教師への関わりかた、親が積極的に子ども受験に取り組まない。
最近読んだ本とは逆ポジション、こういう考え方もある -
書店で見つけて、タイトルがちょっと気になって、でも買って読むほどでもないかなあと思って、図書館でリクエストして読みました。著者のことはNHK教育「すくすく赤ちゃん」(当時)などで見て知っていました。さらに本書の紹介によると、進学塾の講師経験もあり、その上、東大付属の中等教育学校長だったこともあるということで、もっと興味がわいてきました(現在は東大教授)。で、内容ですが・・・だいたい自分が考えていることと同じだったので、一気に読んでしまいました。まずは、家庭でのコミュニケーションを大切にする。子どもが最初に出会うのはもちろん親。そこのところでうまく人間関係が築けないと、社会に適応しにくくなってしまう。それから、小学生の間はなるべくたくさん読み聞かせをすること。フィンランド(現在学力で世界一)では図書館の利用率がすこぶる多いそうです。(図書館の数も多く、内容も充実している。)さらに、いろいろな実体験をつんでおくこと。本の中からの知識だけではなく、やはり実際の体験が伴ってはじめて本当の知的体力が養える。後半、中学受験についての記述もありますが、ぜひどこかで見つけたら読んでみて下さい。
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やはり「体験」はとても大事。できる限り「体験」させてやりたいと思う。ついつい口を出してしまいそうになりますが。
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2012/02/16
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【夢ゼミ2010年06月オススメ本】
実は私、この先生のお話を、子ども達が幼児の頃に、幼稚園でお聞きしたことがあるのです。
今にして思えば、こんな凄い先生がなぜ片田舎の幼稚園にと思ってしまいますが、何がしかご縁があったのでしょう。
東大卒というイメージが覆されるほどに子育てに関わっていらして、先生のお言葉をお借りすれば、「共働きだったので、他に方法がなく、ご近所の子育て世代と友達になって、助け助けられて一緒に子育てを」されたのだそうです。
ですから、評論家のようにではなく、体験が元になっているというところが、この先生の素晴らしいところだと思います。