- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093881388
作品紹介・あらすじ
人気番組『笑点』の五代目司会者にして、落語芸術協会会長でもある落語家・桂歌丸の一代記。古典落語の名手が語る、噺家人生六〇年の苦労や思い出。昭和の名人と呼ばれた師匠方直伝の教えや、奥深い芸論と至言の数々。『笑点』の知られざる裏話も披露。
感想・レビュー・書評
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座布団一枚! 桂歌丸のわが落語人生
桂歌丸
・170 わたしは人から「なんで70過ぎても、たいへんな思いしてるの?」って聞かれると、「楽をしたいから苦労しているんだ」って答えるんです。いつ楽をするのかって、最後に目をつむったときですよ。そのときに楽な心持ちになるために、今の苦労があると思うんです。
・174 「夫婦円満の秘訣は?」って聞かれたら、わたしはこう答えるんです。「そもそも質問が間違っている。円満だったためしがない」って。
・187 わたしが今輔師匠から教わったとても心に残っている言葉をご紹介したいと思います。
それは、「ほめる人間は敵と思え。教えてくれる人、注意してくれる人は味方と思え」というもの。人はほめられると、うれしくなっちゃうでしょう。でも、ほめられると、そこで成長が止まってしまいます。ですから、ほめるということは、根っこを断ち切るのと同じことなんです。
一方、教えてくれる人、注意してくれる人というのは、根本に水を注ぎ、肥料を与えてくれる。今輔師匠はそうおっしゃったんです。
噺家の仲間が「あの人の噺はうまい」と評す場合、その人はうまいんです。ところが、お客さんが「あの人の噺はうまい」と言うと、たいていその噺家は面白いということを意味します。
お客さんから「面白い」と言われる分には問題ありません。ただ、噺家仲間から「うまい」と評された場合には注意が必要です。下手すると、そこで満足して成長が止まっちゃいますから。実際、そういう人をずいぶん見てきましたよ。やはり、ほめ言葉というのは時に残酷でおっかないものなんだと思います。
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読了:2018/05/18
一度、師匠から離れて、兄弟子の米丸に師匠が変わったり、若い頃はとんがってたんだなってことが分かって、面白かった。 -
やはり読みやすい文章を書ける方だった。
人間国宝まであと9万人、だったか。 -
http://sgk.me/fT4Atd 人気番組『笑点』の司会者・桂歌丸さんの一代記です。
大喜利でお馴染みの歯切れのよい語り口で、幼い頃の思い出から、時には思わぬ失敗もした60年間の噺家人生を振り返ります。
読後は落語が聞きたくなる一冊です。 -
お弟子さんへの辛口評をこんな本に書いちゃっていいの?
弟子の親が読んだら悲しいだろうと思います。
これくらい書いても「なにくそ、いつか師匠より受けてやる」とがんばる弟子だと思ってるってことかな。
昨今、師匠が自分の芸を磨くだけで、その背中を見てついてきてくれる弟子はいないんですね。
叱咤激励しなければ後進は育たない。落語界だって大変なんだなと思いました。