- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094062281
作品紹介・あらすじ
あの日の家族の食卓、捜します。
第一話 海苔弁 料理下手な父親が覚えた、たった一つの手料理
近体大の北野恭介は、水泳界のホープだ。彼は中一の夏から中三の卒業まで、父親に毎日同じ弁当を持たされたという。
第二話 ハンバーグ 息子の大好きなハンバーグが許せない母親の後悔
食ジャーナリストの竹田佳奈は、息子の一番好きな食べ物が、実家のハンバーグであることが気に入らない。
第三話 クリスマスケーキ 息子を交通事故で亡くした夫婦のけじめ
和菓子屋『香甘堂』を営む坂本正幸夫妻は、六年前に一人息子を亡くした。過去に踏ん切りをつける決心をしたが…。
第四話 焼飯 知られたくない、でも忘れられない過去がある
白崎初子は、鴨川こいしと大学の同級生。初子は、大企業の御曹司からプロポーズを受けているという。
第五話 中華そば 引き継がれたものは、夢を追い続ける心
小野寺勝司は大学時代、バンド練習を北大路橋の下で行っていたが、そこにはいつも同じ屋台が出ていた。
第六話 天丼 迷わん人生てなもん、どこにもありまへん
「北のひとつ星」という大ヒット曲の歌い手藤川景子は帰郷を決意したが、その前にかつてご馳走してもらった天丼を食べたいという。
【編集担当からのおすすめ情報】
連続ドラマ化決定!
2016年1月より、放送予定。
「京都の井戸水で丁寧に引いたお出汁のようにじんわりホロリとおなかに染みこむ。いくつもの親子の絆に、涙がこぼれました」
――本上まなみさん
「涙と笑顔がいっぱいのおかわり。『思い出』の隠し味に心があたたかく満たされました」
――押切もえさん
感想・レビュー・書評
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■ Before(本の選定理由)
人気シリーズの2冊目。
前作の終盤はワンパターンで食傷気味だったけど。。
■ 気づき
もう食探しとかはあまり関係なく、依頼人の心の旅の手助けという様子。しかしストーリーはよく練られているし、実際感動する。けどもこれを続けてどうしたいのか?兆しのようなものが欲しかった。
■ Todo
丁寧に生きること。そして美味いものは人を笑顔にする。
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おかわりの巻も美味しく哀しく読めました。次巻も楽しみです。
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シリーズの他作品同様、故郷や家族が恋しくなるような、五感にはたらきかけてくれるお話。
京都の穏やかさであったり、人を思いやる心の深さを感じられるものばかり。
優しい気持ちになれる一冊。
忙しくて心がささくれだったとき、ぜひ何度でも読みたい。 -
今回は有名人が多かったな。最初に出してくれる食事がたまらない。
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シリーズ第二作。思い出の味よりも、依頼前に出されるおまかせが美味しそう。
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前作同様、依頼人が「鴨川食堂」を
探して訪れ食事をし、依頼の食の記憶を
たどりながら説明し後日再現した食を
提供される・・・お決まりな流れ。
それでも毎回依頼人にまつわる話が
多岐にわたっていてどの話も面白かった。
個人的には父親が作る「海苔弁」の話や
けじめをつけるための「クリスマスケーキ」の
話がよかったかな。前作から読んでいるので
流やこいしの話し方にも少し慣れてきた・・・
そしていつかひるねが鴨川食堂の中に入る
日が来るのか!続刊が沢山出ているので
そこも気にしながら読んでいきたいです。 -
食事に関する記憶から、未来を作る、そういう内容の短編集。
大好物で御座います(いろいろな意味で)。
たくさんのおいしそうな食べ物と切ない記憶が出てくるのにさらさら読めるのは、流さんが現地調査するくだりがまるっと抜けてるからかもな。
依頼人からの情報を元に、結局は依頼通りの料理を作り上げるんやけど、そのためのフィールドワークが一文字たりとも書かれないのに、却って違和感がなくていい。
なんか、読んでると、
「これ、ほんまに依頼人が求めてる味に辿り着いてるんやろうか」
と、疑問に思うときすらあった。笑
でも、根拠があってもなくても、どちらでもいいのかもなあ。
依頼人だって確実に「あのときのあの料理」の味を覚えてるかどうか怪しいもんな(それは、私だけ?)。
だから、たぶんそこはどうでもいいんかも。
過去にとらわれてる気持ちを一歩前に進めてもらうためには、第三者がこうやって後押ししてくれることほど心強いものはないもの。
ここは、こいしが血気盛んで、流がわりと達観してるのがいい父娘コンビやね。
こいしちゃんは時々「お客さんにそこまで言うてええん!?」と、ヒヤヒヤするほどガツッとくるけど、そこはお人柄で大丈夫なんかな。笑
そして流とこいしの応酬も
「すごいな」
と、思うけど、これが普通の親子なんかしらね。
私は家族に対してそこまで自分の気持ちを言えないので、家族って、これくらいいうてもええもんなんかなとまじめに考えた。
それって、多少けんか腰になっても、根本のところで憎しみ合うことはないっていう信用があっての話よね。
イヤァ~…。
難しいね…。
一生懸命やったことって、どこかで誰かが受け継いでくれると思う。
私もそう信じたい。
その考えかたでいうなら、親というのは子どもに対して常に一生懸命であるやん。
だからこそ、たしょうのでっぱりへっこみがあっても、親の一生懸命の気持ちを子どもは裏切らないっていうことなのかもしれへんな。
小さいうちはともかく(乳幼児ぐらいの)、ある程度の社会性が身について、他者と比べるという気持ちもしっかりついてきたくらいの話。
子どもに対して目に見えるような、直接手やお金をかけることだけではなくて、親というひとりの人間の生きざまを子どもは見ている、そういうことなんやと思う。
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■アルマイト
アルミニウムの表面を酸化させて膜を作り、腐食しにくくしたもの。
■紫竹
イネ科の竹。高さ3~8メートル。茎は2年目から黒紫色に変わる。観賞用に栽培。
■うるか
アユの塩辛。鮎うるかともいう。
■才巻き海老
体長が10㎝よりも短く、20g以下の車海老 -
やっぱりベタベタな方言に、主要な人物は酒飲みばかり
食にも器にもこだわりがあるのに、季節が飛んだりします
話の流れはおんなじで、悪人もでてこなくて、刺激のある話ではありません
しかし、見つけてくるのは食だけでなく、ほっこりさせられます
探す過程、依頼人のその後はなど、余計なことは語らず読み手に委ねられています -
前作から続けて読んだ「おかわり」
読んでいくうちに 簡単にたどり着く 味の謎に慣れて来て、心地よい。
ただ 毎回思うのだが・・・
「探偵料は (お客の)気持ちに見合う分 お振込みください」って 優しいようで なかなか悩む。
味を探して京都から 相談者の思い出の地に行ってたり、調理人を探しまくっているようだし。
初回のお食事つき(時にお酒も) さて みんないくら払う?? -
(2016/3/23読了)
第一弾と一緒に借りたので、せっかくなので読んでみた。
二作目なので、慣れた分、いろんなことが気にならなくなったものの、全作に同じシーンを同じように表現されていることには、違った角度から書いてみるとか、もうちょっと工夫できないかなぁなんて思ってしまいました。
第三弾も出ているようなので、とりあえず読んでみるかなぁ。
(内容)
忘れられない、でも二度と味わうことのできない一皿。京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂では、そんな記憶の中の味を再現するという。確執がある父のレシピを知りたいシングルマザー、恋人に過去を告白するため、子供時代の焼飯を捜すモデル、故郷に帰る決意を固めようと、かつて味わった天丼を求める一発屋と呼ばれた歌い手…。元警察官で料理人の鴨川流、娘のこいし、トラ猫のひるねのもてなしは、人生に迷える人々の背中をやさしく押し出す。心もお腹も温まる、美味しいミステリー、第二弾!
(目次)
第一話 海苔弁…料理下手な父親が毎日持たせてくれたのり弁
第二話 ハンバーグ…夫が亡くなったことに責任を感じているシングルマザーの、夫の意思を息子に繋げたいという思い
第三話 クリスマスケーキ… 息子を交通事故で亡くした和菓子屋の夫婦、跡取り問題
第四話 焼飯…鴨川こいしの大学での同級生、プロポーズされた大企業の御曹司に、幼い頃を打ち明ける決心
第五話 中華そば…夢を追っていた大学時代の思い出の屋台の中華そばを息子に、夢を追い続ける心
第六話 天丼…一発屋の歌手のご褒美の味、故郷に帰る決心