国芳一門浮世絵草紙 2 あだ惚れ (小学館文庫 か 4-3 国芳一門浮世絵草紙 2)
- 小学館 (2007年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082333
感想・レビュー・書評
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国芳一門のシリーズ二巻。
男には惚れても、一緒になりたい男には手が届かなくてもどかしい、女っ気というよりは男勝りの江戸っ子気質は親父譲りの国芳の娘、登鯉。
うちの娘を武家にやれるかと息巻いていた国芳だったが、最近はやけに登鯉の縁談を気にするようになってきた。
というのも、北斎の家に訪問し、北斎の娘お栄を見て以来この調子だ。
お栄は親と同様に絵で生きていたが、すでに生き遅れの女になり、国芳はお栄に登鯉の行末を見たのだろう。
登鯉を誰かに嫁がせようとする国芳一門に対して、登鯉は苛立ちを隠せない。
北斎の娘、お栄と国芳の娘、登鯉が揃って屋根上からの火事場見物してるところが面白い。
江戸末期は北斎、国芳、国貞、広重の爛熟期の浮世絵師たちが、揃って下町に住んでいた時代だ。
そんな浮世絵師たち、江戸っ子たちの交流があったのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登鯉ちゃん、おきゃんだなあ、やっぱり可愛いなあ。
すぐ寝ちゃう登鯉ちゃん、侍を好きになっちゃう登鯉ちゃん、寂しさと強がりの登鯉ちゃん。
お玉ちゃんの話も切なかったし、お栄さんもいぶし銀で良い。
女性にばかり目が行くのは、私の問題か著者の問題か、それともキャラクターの賜物か? -
シリーズ2作目。面白ーい!べらんめぇでどたばたな話なのに、なんだか切なくなったり。いいなぁ、河治さん。今回は北斎の娘お栄も登場。お栄とは朝井まかてさんの「眩」で仲良く?なったから、出てきてくれて嬉しい!国芳も北斎には頭が上がらなかったんだな。
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幕末の事件にからみながらも,江戸っ子軍団国芳一門,面目躍如の活躍ぶり.登鯉の恋模様や国芳の北斎への憧れなど,微笑ましいものもあれば,高野長英の脱獄がらみの話もあって,中身の濃い短編集.各編の挿絵がまたいい.
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浮世絵師歌川国芳とその娘登鯉のシリーズ第2作目。
大阪に「本は人生のおやつです」という本屋さんがあるのだけれど、そこで、河治さんのサイン会が後日あるということだったので、試しに1巻を購入した。読んでみると結構面白い。(浮世絵については、稀に美術館で見るぐらいでそんなに意識をしたことが無かったけれど、この歌川国芳という人は、武者絵をはじめとして奇抜な絵を色々描いた人だとのこと、面白そう、機会があれば生で見てみたい。)
時代小説はあまり読まないのだけれど(きっと、はまると家の本棚が大変なことになってしまうという気がするので、極力手を出さないようにしている…)、折角の機会なので、サイン会にも出かけてみた。
河治さんは、着物姿で、粋な感じの方でした。サインは名前だけでなく、寶という字を少し崩して、ひっくり返すと宝船になるという図案。(口で説明しても良くわかりませんね。)
このシリーズは5作出ており、ゆっくり読んでいこうかと思う。(しかし、あまり本屋には並んでいない。梅田の紀伊国屋にも置いていなかった。どういうことだろう…)おすすめ。