おくりびと〔小学館文庫〕 (小学館文庫 も 3-4)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082845

作品紹介・あらすじ

「こりゃ誤植だ。旅のお手伝いじゃなくて"安らかな旅立ちのお手伝い"だから、うちは」小林大悟が求人広告を手にNKエージェントを訪れると、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられた。NKは「納棺」-遺体を棺に納める仕事を、大悟は妻の美香に打ち明けられなかった。戸惑いながらも働きはじめた大悟は、佐々木の納棺師としての真摯な姿勢を目の当たりにする。さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、この職業への矜持が大悟の心に芽生えていくのだが…。人の生と死をユーモアと感動で描き、笑って泣いたあとには大きな愛が胸に届く物語。

感想・レビュー・書評

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  • 映画良いよとすすめられて先に本を目にしたので読んでみました。
    おくりびと、人の最後に向き合う仕事。
    初対面の人の旅立ちのお手伝い。
    その人の死から生を知り人は何を思うのか。
    生きている人からだけではなく亡くなった人からも人は学び縁が生まれる。
    この仕事でなければ知り得ない事なんだろう。
    映画も機会があれば。

  • 【2023年117冊目】
    映画のノベライズ版です。映画は未見。途中まではまあまあ良かったのですが、どうしても妻の発言が意に介さなくて。「けがらわしい」って言うか?!それまで、すごい良き妻として書かれてきたのに、一気になんか、ええ…となりました。

    もちろん、死体を扱うのだから、綺麗事は言えないですよ。でも夫が一念発起して頑張ってるのに(内緒にはしていたが)、そんなこと言う?!あと、結構な期間別居してたのにいつできたの赤ちゃん?

    いや変に理解が良いのもあれですけど、そんなこと言うやつとは別れた方がいいですよ。

    やはり映画のノベライズ版なので心情が結構雑に書かれていたりして、さくっと読むのにはいいんですけど、勿体ないなぁと思うところがたくさんありました。

    あとは、視点の移動が何度か急に行われたのも、戸惑う感じでしたね。

  • 映画のノベライズ本。
    映画は見ていないけど、なかなか味わい深い作品だった。
    美香さんがいつも明るくて笑顔で、でも人間らしい悪の面もあって(遺体を納めるのを汚らわしいと言うあたり)、すごく魅力的。人間くさいとこが良い。

  • 数時間で読み終えました。
    私にはできない職業の方々には、頭が下がります。

  • 映画のノベライズ。ちなみに映画は観てないです。
    十数年前の本を今さらですが、家にあったので読んでみた。
    薄い本なのでサクッと読める。
    全体は淡々と進んでいくが、最後の仕掛けにちょっと感動する。奥さんが良すぎるかな。

  • 映画を何度か観た。
    だから、展開も覚えている。
    そのせいで、読んでいて頭に浮かぶのは映画の俳優さんたち。
    ストーリーに合わせて、脳内を動き回る俳優陣。
    それは、それで良い再生方法だと思うのだが、映画を観ていなければ、違った形で想像できていたんだろうなーと思うと、少し残念に思うところもあったりするかな。

    平田さんの「門」の件が胸に響く。

    死は穢らわしいものではない。
    忌み嫌われるものではないはず。
    それでも、日本文化には、死は穢れだという文化が根強く残る。
    それゆえ、それに関わる職業人たちへの差別はなくならない。
    と、偉そうに書いている自分も忌み嫌っていないかと言われたら、NOとは、はっきり言えないのだが。。

  • 雪景色や、白鳥、河川敷。
    映画は見てないけど、絵になる描写。
    佐々木さんの書き込みだけ弱いような。

  •  父がなぜか買ってきた1枚のDVDが「おくりびと」だった。それをとっても暇な時に見た覚えがある。だから、ストーリーは大体記憶していた。
     それでも、映画を見るのと文字で読むのは違う。また、映画を見てから結構経っていたため、話に対する感覚も異なっていた。特に納棺師の仕事について。
     数年前に祖母が亡くなり納棺師の仕事を間近に見たことや納棺師のエッセイを読んだことから、納棺師という仕事に興味を持ちはじめている。しかし、この本の中にもあるように孤独死した現場は地獄絵図であったり、納棺師そのものが社会的には忌み嫌われる仕事だったりする。それでも、「誰かがやらなくてはならない仕事」だから現在まで存在している。しかも、「死」は日本人の心に大きく触れるから、この先外国人やロボットによりとって代わられることは少ないだろう。
     しかし、やるからには勇気が必要な仕事だ。この本の主人公、小林大吾は半ば騙される形でこの職に就いたが、物語の終盤では納棺師という仕事に矜持を持つようになる。その姿がとても尊く思えた。自分のやっている仕事にこれだけの思いを持ってできる人はどれくらいいるだろうかと。そんな精神修行にも近いような仕事はなかなかないと思い、自分がどこまで出来るだろうかということを、納棺師という仕事を通して試してみたくもなった。

  • 映画でみたことあったけど久しぶりやし小説で見つけたから読んでみようと思って借りた。映画をノベライズしたやつらしい。すごい読みやすくすぐ読み終わったけど満足感そんななくて物足りん感じやった。小説読み終わった後の満足感じゃなくて、やっぱり映画をノベライズしたやつやからこんな感じになってしまったのかなって思った。けど最後のとこはちょっと感動した。元気なうちに人の死を経験することで生かされていることに気づきより充実した人生を送れるようになる。

  • 納棺師…
    立派な仕事だと思うが、世間の認識はどうも違うらしい。
    映画で有名になったが、今まで読もうと思わなかったが、
    もう少し早く読めばよかったと痛感する良い小説であった。

  • 映画版のノベライズと知らずに、映画を見ずに読んだのだが、映画を見てみたくなった。納棺師の仕事に対して、否定的な見方をする人は多いのだろうか?自分は立派な仕事をされている方々だと感じた。

  • 映画のノベライズはあっさりしている。

  • 映画のノベライズなので、人物の心情は語られきってないと思う。でも、淡々と描かれた方がいい。じゃないと、泣いて泣いて読めない。

    この作品が発表される前と後とでは納棺師に対する印象が大きく変わったと思う。というか、納棺師という仕事があることすら知らなかった。
    厳かで、神聖な職業だと思う。そう感じさせてくれた作品であるということに敬意を表す。

  • 人の死とそこに仕事としてかかわる人、周りにいる人、第三者的立場にいる人、様々な人の描写もきっと自分なら同じなんだろうなと思いながら読み終わりました。


    説明
    内容紹介
    チェロ奏者の大悟はオーケストラの解散で失業し、故郷の山形に帰る。そこで見つけたのは「旅のお手伝い」をするという求人広告。面接に訪れてみると、それは「安らかな旅立ちのお手伝い」をするの間違いで、ご遺体を棺に納める納棺師の仕事だった。予想外の厚遇に働くことを決意する大悟だったが、初めて目にするご遺体の前で、最初は戸惑うばかり。新しい仕事のことを詳しく話していなかった妻にも大反対され、彼女は家を出てしまう。新人の納棺師としてさまざまな人びとの別れに立ち会ううちに、自らの生き方にも目覚めていく大悟だったが、やがて彼の身近でも……。

    内容(「BOOK」データベースより)
    「こりゃ誤植だ。旅のお手伝いじゃなくて“安らかな旅立ちのお手伝い”だから、うちは」小林大悟が求人広告を手にNKエージェントを訪れると、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられた。NKは「納棺」―遺体を棺に納める仕事を、大悟は妻の美香に打ち明けられなかった。戸惑いながらも働きはじめた大悟は、佐々木の納棺師としての真摯な姿勢を目の当たりにする。さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、この職業への矜持が大悟の心に芽生えていくのだが…。人の生と死をユーモアと感動で描き、笑って泣いたあとには大きな愛が胸に届く物語。

  • 映画の原作かと思ったらノベライズだった。
    ということは映画とほぼ同じ内容と思って良いのかな?
    最初から驚きの展開、面白そうなのだが題材が題材なのでどうなるのかと思ったが、最後には人の心を繋げてしまった。
    舞台となっている山形で実際にお葬式に出たことがあるが、「湯灌」といって故人をお風呂にいれてみんなで洗ってあげるしきたりがあり驚いた覚えがある。そういう文化がこの作品を作り上げていたのだと思った。
    映画はまだ見たことがないが、今後見てみたい。

  • 普段遠ざけてしまいがちな、死というものに対して改めて向き合うことが出来る良い作品だと思う。
    特に終盤は自分の家族との思い出が自然と浮かび上がってきて、主人公の気持ちが痛いほどわかり、自然と涙が溢れてきた。
    自分が思っていた以上に、家族は、家族との思い出は私の大切なものらしいと気づくことが出来た。この気持ちを大切にしたいと思う。

  • 映画も公開されてて、勝手なイメージで「どうせお涙頂戴やろ〜」と思いつつ読んでみると、全然そんなことなくて、スッと話に入っていけた印象。納棺師という、なぜか侮蔑の目で見られる職業を暗く書かないところがとても好き。また読み返します。

  • 突如解散になり行く宛を失ったチェロ奏者の主人公が納棺師として第二の人生をスタートする

    まずは自分がその職になれるのに一苦労
    したいというのはどうも受け付けない

    そして旧友、妻に職を受け入れてもらうのに一苦労
    ここは安定の身近な人が死ぬパターンだったが

    将来子供にも胸を張って説明できる食としてくことを誓うのだった


    舞台は山形県、最上川とか出てたね
    逆縁が子が親より先に死ぬことを言うのとかもわかったね
    ただこの筆者は主人公の心理描写からころっと妻の心理描写に変えてりしててそこは下手だと思った

  • 計らずも2016年の一冊め。
    納棺師としての父の姿を改めてみたいと強く思った。
    納棺師が差別的に見られる描写が私には少しチクリとした。
    世襲性だったりすると、また違うのかもしれない。
    読み進めている最中はもっくんと、広末、山崎力でしか読み進められない。
    よくも悪くも。
    でも、映画とは違って大ちゃんは大ちゃんであり、奥さんは奥さんである。
    映画とはやはり違う部分もかんじられた。
    私は生き死にが関係するものはやはり涙もろくなる。
    その分、納棺師という仕事を自分の生業にいつしかなる可能性もあるのか考えながら読み進めたが涙もろくて仕事どころではないのだろうな、と改めて感じてしまった。

  • 時間つぶしに手に取った本。

    映画も観ておらずCMとかで何となくストーリーを知ってる程度だったけど
    読んでみたら引き込まれ

    銭湯のお母さんが亡くなってしまう辺りから
    ウルウルして泣きながら読み終えました

    久しぶりに小説の世界に引き込まれて
    読書の楽しさを再認識させてもらえました

  • 良かった。主人公が羨ましく思えてきた。

  • ノベライズなので、まずは映画を観た方が良かったのかもしれません。想像しやすい盛り上がりからのラスト。いいお話だとは思いましたが「けがらわしい」の言葉に一気にテンションが下がりました。死に関わる職業は確かに複雑だし難しいし、嫌悪感があるのは想像に難くありません。ですが、誰もが等しく迎える「死」を仕事にして「けがらわしい」とはどういう事なのか。映画ではもちろん、この本でもいい奥様に描かれているのでしょうけど、私にはあり得ない言葉でした。その後変わってくれたようなので何とか安心して読了しました。

  • 薦められて読んだ本。

    死というものは非日常であって、日常的に死と向き合うことはない。
    誰もが迎える終わり方までも、美しく、優しくと考えられる人はすごいと思う。

  • #bookoff

  • すごく良かった。映画も見ておらず何の先入観もなく見たが、主人公が仕事に誇りを持っていく過程に共感できた。先日祖母が亡くなりその時の納棺士の方がそれはそれは丁寧に祖母の湯灌(ゆかん)の儀をして下さって身体をキレイにしてお化粧をして下さるのを見、この小説の事を思い出し読み返して、更に本当に素敵な物語だと思えた。

  • いろんな形で、人は旅立つ。
    そのお手伝い。
    心をこめて見送る作業。

    以前の会葬の際、配られた冊子には
    「塩でお清めする必要はありません。
     死は穢れではないのです」
    そんなことが書かれていた。

    たぶん、そういうこと。

    これ、映画作品のノベライズだと思うんですけど、
    それ故か文章がちとアレなんで、
    和書としての評価はこれにしときます。

  • 奥さんが魅力的。軽やかで朗らか。
    こういった職業には偏見が付き物。
    お金儲けに見えるから?死に対する恐怖から?私自身も少なからず持っていた。でも、こんなに真摯な人達もいるんだ、すごく人を想う仕事なんだと知れて良かった。

  • 日々の生活の営みと、死をもって振り返る家族との絆に温かな実感を持ちました。

  • じんわり感動する

  • 映画のノベライズ。先に小説を読んだのだが、映像も見たくなった。
    納棺師としての仕事のエピソード1つ1つが半ページ~1ページで駆け足のように書かれていたのが少し残念で、
    抵抗があったはずの職業に対する心情の変化などがもう少し詳細に書かれているともっと良かったと思う。
    話の本筋となる主人公や周りの人物のメインエピソードにはとても感動した。

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著者プロフィール

作家・ライター。主な作品に『DOG SIGNAL ひよっこドッグトレーナーはじめます!』『世界はとつぜん変わってしまう? もし、「あたりまえ」の毎日が、ある日とつぜんうしなわれたら?をかんがえる本。』『レシピにたくした料理人の夢 難病で日を使えない少年』(すべて角川つばさ文庫)など。

「2023年 『日本植物学の父 牧野富太郎 「好き」を追い続けたぼくの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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