幽霊伯爵の花嫁 -彷徨う少女と踊る髑髏の秘密- (小学館ルルル文庫 み 4-6)
- 小学館 (2012年11月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094522402
作品紹介・あらすじ
熱愛中のコルドン伯爵夫妻のもとに、ジェイクを父と呼ぶ幽霊の女の子が現れる!騒然とする周囲をよそに、嬉々として母親宣言をするサアラだったが、ジェイクは頑なに少女へ近づくことを禁止して!?「私に隠し事をして、なんて酷い旦那様でしょう」愛する夫を悩ませるものは徹底排除!過去の秘事を暴く最強花嫁の決意とは?ジェイクとエリオスの母親である最初の妻との関係や、知られざるサアラとの出会いも明らかに!-。
感想・レビュー・書評
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"「でしたら、あなたのお母様は私ということになりますわ。だって、私とあなたのお父様は夫婦なのですもの」
途端に、少女のくりくりとした目が、零れ落ちんばかりに大きく見開かれる。
「いや、ちょっと待て」
珍しく動揺した様子でジェイクがサアラに待ったをかけた。しかし、サアラはそれを聞かず、少女を見つめ返す。
『おかあさんなの?』
「ええ、そうですわよ」
唖然とする家人たちの中、サアラは自信満々にそう言い放った。少女はサアラの内側を覗き込むように、大きな目でじっとこちらを見つめてきた。その末に、
『おかあさん!』
歓喜の笑顔と共に叫び、ジェイクから離れて抱きついてくる。
「お前……話をややこしくするなよ!」
エリオスが刺々しい声でそう言い放ち、もう付き合っていられないとばかりに、足音荒く歩き出した。そして、一人食堂に入ってしまう。"[p.95]
6巻目。
7年前に割とがっつり会ってるじゃん会話もしてる!と叫びたくなったけど誰も会話などしてないとは言ってない。明言がなかっただけで、2人ともこのころのこと覚えてる……?サアラは少し微妙だけどジェイクはしっかり覚えてそう。
骸骨やリオンの正体にうっすら勘付きつつも、最後にぐいっと全部が明かされていく展開がほんと好き。あと皆の考えてることが割と意外で楽しい。
エリオスはいいお兄さんになりそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
墓守りの猟奇的な嫁、第六弾。ジェイクに隠し子霊疑惑の巻。シリーズ一巻目とリンクするストーリなので、うろ覚えな方は一巻をお復習する事をお勧めします。で、今巻ではソイの嫁候補な感じのクール系女史登場。このシリーズの女性レギュラー陣は皆、強かでくせ者なのが特徴なのでユマもレギュラー化するだろうな~と思ったら、やっぱりそうなった。それに対して男性陣はキャラが薄いので、ソイの今までの活躍が全く思い出せなかった。…いや、活躍してなかったのかもしれないが。
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幽霊を管理する役職のど真面目な伯爵に嫁いだ17歳の嫁……なのですが、その性格は奇矯です。信念あるサアラの態度は一貫していて、予想がつかなくて面白いシリーズ。今回も面白かった。全てを全員には明かさないところが、通常の物語では見られないところだと思います。次で最終巻。
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安定の出来ばえ
後付処理も人物描写もそっけなさが独自の味わい
結末は「花嫁」ものとしては当然だが
ずるずる続けるのでないところ感心 -
夫の事を『父』と呼ぶ幽霊が現れた。
彼女は一体、誰の子供?
夫の過去の回想があり、主人公たる妻と出会ってみたり。
そのせいで、女の子が一体どこの誰なのか
綺麗にミスリードしてくれました。
まったくそこは考えてなかったですが
ありえる事です。
今回、前伯爵にゆかりがある方も出てきました。
この領地が、伯爵だけで運営されているわけではないのも
そういう人達がいるのも理解しました。
言われてみれば、一応幽霊は教会管轄です。
今回一番微妙な気持ちになったのは
元墓守の死因。
どこのギャグ漫画ですか、それ。 -
今回は、最後まで謎が謎を呼ぶミステリータッチのストーリーだった。
過去は誰にも変えられない。しかし、幽霊は忘れたい過去も容赦無く突きつけてくる存在である。
生者も死者も過去にとらわれた人が、やたらと多いこのシリーズだが、やはり今回もサアラが最強だった。
もうサアラ無しには、コルドン家は一日たりともやっていけないのは明らか。
次巻で最後なのが残念。 -
熱愛中のコルドン伯爵夫妻のもとに、ジェイクを父と呼ぶ幽霊の女の子が現れる。騒然とする周囲をよそに、嬉々として母親宣言をするサアラだったが。
サアラがいつになく優しい巻。
それより、あとがきから読んでしまったので、次で最終巻だということに落ち込みました。もったいなくてしばらく読む気がおきませんでしたが、今回もおもしろかった。