世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001357

作品紹介・あらすじ

の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会したは、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。の行く先は永遠の生か、それとも死か?そして又、〔世界の終り〕の街からは脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか?

感想・レビュー・書評

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  • 1985年初版。二つの物語が並行して進んで行く。正直に申し上げると一回読んだだけでは、私には理解しきれません。興味深い作品であることは間違いないです。ラストをどのように解釈すればよいのか。40年近く前の作品ですが、続編を書いていただけないでしょうか。あり得ないと思いますが。

  • 読み終えたあとの脱力感が程良くて心地良かった。

  • 下巻。
    物語はペースアップしてどんどんクライマックスへと進んでいく。
    やはり2つは繋がっており、博士の作った第3回路へ。
    ハードボイルドが現実、世界の終わりが脳内みたいな解釈かな。
    そして現実の主人公は自分の今の状態を受け入れ、世界の終わりに行く。
    よくわからない終わり方。
    主人公が選択して終わる。
    でも面白かったです。

  • いい。

  •  しかしもう一度、私が私の人生をやり直せるとしても、私はやはり同じような人生を辿るだろうという気がした。何故ならそれが――その失いつづける人生が――私自身だからだ。

     「世界の終り」で人々は、自分の「影」を死なせることにより、感情を消滅させ、喜びもないかわりに苦しみもない、穏やかな世界に暮らしている。そこには義務も寿命も時間もなく、存在することはとても楽だ。しかし、心はどこへ行くのだろう。心を失って生きることが、果たして生きることになるのだろうか。
     村上春樹はあまり好きでないのですが、この作品だけは宝石箱のようにすばらしいと思います。どのページを開いても、その言葉や文章のひとつひとつに、啓示のようなものを感じます。主人公の男性はある理由から、自分の意識の中に閉じ込められることになりました。そこは「世界の終り」であり、心を捨てた人々が、苦しみも悲しみも争いもなく、穏やかに暮らしています。しかし彼は気付きます。人々が捨てた自我は、「獣(一角獣)」が引き受けていることを、そして彼らが人々の代わりに苦しみ、やがて自我の重みで死んでゆくということを。
     生きることは心を持つこと。苦しみ、悲しみ、あるいは喜ぶこと。ユートピアなんてない、幸せにはなれないかもしれない、それでも心をもつことだけが、ただ唯一生きている証である。大学生のときにこの本に出会い、私は自分の心が救われるような気がしました。
     一番好きな一節を冒頭に引用しました。確かに人生とは失うことのような気がします。それでも自分は自分にしかなれないと、村上春樹は言いますが、それは決して絶望するようなことではなく、逆に希望や安心なのだと思います。自分が自分であることが生きる価値であり、自分は自分以外にならなくて良いからです。
     すべての感情は心の作用(あるいは脳の電気信号)なので、あまりに大きな苦しみ・悲しみに直面した際、いっそ心を捨ててしまえたらと思うかもしれません。しかし、心を捨ててしまえば、生きることも死ぬこともできなくなってしまいます。不条理な世の中で、辛いことのほうが多いくらいですが、それでも、心をもって生きて行かねばなりません。それが生きることの価値だから。人間にとって最も大切な真実が、この作品の中にあります。

  • 再読です。
    うむむ、こんな結末だったっけ…。
    映画を1本がっつり見終わったときのような、充足感と疲労感がある読後です。

    あと数時間で世界が終わる。
    そんなときに、「世界を構成しているいろんな細かいことが目につく」というのが真に迫っているように感じました。
    主人公と図書館員の女性がかたつむりのことについて会話をする一場面、何気ない場面なのですが妙に印象に残っています。

    猛烈にボブ・ディランが聴きたくなります。
    そして、猛烈にお酒が飲みたくなります。
    村上作品読後に聴覚と味覚の欲求が高まるのは、私だけではないはず…

  • その世界が終って欲しくなくて、ひさびさに読むのがとても遅くなった本。

    友人が『映画を一本観終わったくらい』と表現してたけど、まさに。
    読んでいてとっても楽しかった。

    まるで、村上さんの意識の中を旅しているような物語。
    人間失格など、近代文学でも多くテーマにされる、
    自己と他者、内面と外面、個人と社会、といったような色んな事象を投影できる。

    『僕には心を捨てることはできないのだ、と僕は思った。
    それがどのように重く、時には暗いものであれ、ある時にはそれは鳥のように風の中を舞い、永遠を見わたすこともできるのだ。』

    私たちは日々雑多な生活を暮らしていて、無益なこともしなければならないし、細かな刃で傷ついたり、疲れたりし、
    それこそ壁に囲まれた静かで安定した世界にもぐりこみたくなる時もあるけど、
    この重くて生温かい心を手に提げたまま、人生を生きていかなければならないのだなぁ、と、
    改めて思った。



    恋人と上手くいかなくなった時にやたらとカップルに目がいくように、
    心が今欲している言葉を与えてくれるところが、
    読書やめられない理由かもしれないな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心が今欲している言葉を与えてくれる」
      それが先へ進むための原動力や、考えを整理するヒントになったりしますよね。
      特に村上春樹の作品って、混...
      「心が今欲している言葉を与えてくれる」
      それが先へ進むための原動力や、考えを整理するヒントになったりしますよね。
      特に村上春樹の作品って、混沌とした中を進むから、読む人間が自分自身と重ね合わせ易いのかも?
      2013/05/02
    • piyopiyo27さん
      いや、ほんとそうです。
      人生における教訓を読書からいただいて生きてます。
      たしかに、春樹さんの小説はいろんな意味で決めつけすぎず、
      感じ方、...
      いや、ほんとそうです。
      人生における教訓を読書からいただいて生きてます。
      たしかに、春樹さんの小説はいろんな意味で決めつけすぎず、
      感じ方、受け止め方はご自由にどうぞ、という感じなので、
      余計にそう感じるのかもしれません。
      2013/05/06
  • 村上春樹の世界。一番すきです。やみくろ。

  • 【上巻のレビューからの続き】

    ってまあ、さすがにこんな喋り方はしてなかったんですけど、春樹作品に出てくる人たちって皆もったいぶった話し方をするじゃないですか。だからボリュームはすごいあるんだけど、改めて振り返ってみると内容は特にないって云うか。大量のお麩を食べてる気持ちになると云うか。

    「たしかにそうかもしれない。春樹は書きたいから書く、好きだから書く。何かを啓蒙しようとか感動させてやろうとか、そんなことは多分考えていない。春樹の作品を深読みするのは読者の勝手だけど、深読みしない読者を否定したりもしない。物語が始まり、物語が終わり、本を閉じる。それだけだ。何も残らなくてもいいんだ。何かを残すために書かれた小説じゃないんだから」

    聞く人が聞けば挑発とも受け取られかねないような感想を述べたにも関わらず、逆にそれを肯定されてしまって、何だか肩透かしを食らった気分。
    でも「斯く読まねばならぬ」なんてアレコレを長々と解説されたりした日には、春樹どころか彼そのものと半永久的におさらばしていた可能性もあるので、つくづく本というのは恐ろしいものですね。

    『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、上下巻ともに一気読みしましたが、読み終わった瞬間にどんな話だったかほぼ忘れました。
    下巻の裏表紙、「村上春樹のメッセージが、君に届くか!?」って煽り文句が一体何の事を言っているのかは解りませんが、こういう小説を書く作家さんってもしかしたら村上春樹氏しかいないんじゃないかなあ、とは思います。稀有な小説。

    ちなみに彼は現在の夫ですが、「マフィンだの小海老のサラダ苺ソースかけだの、こいつらの洒落臭い食生活がイライラする。黙って納豆ご飯食えや」と舌打ちする私に向かってニヤニヤしながら、「じゃあ僕は毎日眠る前にチョコレートを2欠け食べる事を日課にしようかな」とか意味不明の春樹言語を浴びせてくるのが憎らしかったです。

  • 幻想的でドラマチックで一種独特な世界観。作品の最後の方、主人公が残された僅かな人生の時間で街をさまよう時にボブ・ディランの曲が出てきます。
    そして終局の方では名曲『ダニーボーイ』も…
    今はYouTubeがあるので作中に出てくる曲をBGMとして聴きながら、ゆっくりとページをめくると物語の中に同化しそうな、そんな錯覚に陥ります。
    レンタカー店の知的な女性の店員さんとの会話で、同女がボブ・ディランの声を「まるで小さな子が窓に立って雨降りをじっと見つめているような声なんです」と表現するあたり、村上流の知的でお洒落な感じが出ててすごく良かったです。
    二つの異なる世界が交互に進行し、やがて混じり合い、そしてアウターワールド(外界)に脱出する。1Q84でも同じ様なテーマに沿って描かれていますよね。

    石田衣良の小説も古い洋楽やクラッシックの曲名がよく出てきますが、これらの曲をYouTubeで検索してBGMに、その世界観にどっぷりと浸かって読書を楽しむ。
    これが最近の私のお気に入りです(≧▽≦)ゞ

    • piyopiyo27さん
      わかります。

      わたしも同じ楽しみ方してます。
      いいですよね、唯一、進化に感謝した瞬間です。
      わかります。

      わたしも同じ楽しみ方してます。
      いいですよね、唯一、進化に感謝した瞬間です。
      2013/04/22
  • うわ〜全然わからなかった〜!(悲劇)

    もっと読解力が欲しいよ〜!

    終始淡々とした主人公の語り方、それだけで何度か読んでて楽しいし、これからもっと解説とか調べてわけわかるようになりたいです。

    あれ〜村上春樹作品は比較的わけわかる方だと思ってたのにわからなかった…ああ!自分の理解力のなさがともかく悲しい。

    でも好きな台詞は「勃起している」です。

    村上春樹さんの作品の中にもわけわかる作品とそうでないのがあるのね。

    1Q84の方がまだわかった気がする。でもね〜すげ〜面白かったです。

  • 村上作品でもっとも好きな作品。何度も読み返している。
    村上作品の初期の特徴でもあるかもしれないが、死について考えさせられる作品です。
    村上春樹初心者には読みやすい作品かもしれません。

  • 村上春樹作品で一番好きです。高校生当時に読みましたが、音楽を含めて文化的にまだ知らないものが多くあったのでまたいつか戻ってきたいと思います。

  • 「ウイスキーというのは最初はじっと眺めるべきものなのだ。そして眺めるのに飽きたら飲むのだ。綺麗な女の子と同じだ。」
    「我々は柱の影から出てプラットフォームの手前の端まで速足で歩き、それからこんなことは毎日やり慣れていて面白くもなんともないという風を装って鉄の梯子をのぼり、木の柵を越えた。」
    「待っている乾燥機は半永久的に停まらない」

    話を収拾させようとしない駅員さんとのやりとりも好き

  • 非常に面白かった。
    上で感じていたのは村上春樹の創作物というのが感じられるところにあった。しかしそれらも下を読むことで消化させるかとができた。というのも物語自体にその気があるというのもある。私自身村上春樹の冷たいクールで人間臭くないところが好きなのだが、それが存分に出ていたのではないかと感じる。そしてまた村上春樹の哲学的な部分には少し恥ずかしさを感じるとともに、私自身が若いというのもあると思うが、深く頷くことのできる内容であったと思う。

  • 上巻は、私に対する理不尽な出来事にやきもきしながらも、続きが気になってどんどん読み進みましたけど。
    下巻に入って、しょっぱなから、ちょっと気持ち悪かったり、ちょっと難しかったりする話にやや辟易し。
    まぁ、そうは言っても、この結末はどうなるのか? と、やはり気になるので、通勤のお供として、毎日読んでいた訳ですけれども(笑)。

    2つの世界に共通するような景観の描写があるので、どちらかが過去か未来?
    とか、なんとなーく思っていたんですけどね。

    結局、『世界の終わり』の僕(私の思考システムの第3回路)=『ハードボイルド・ワンダーランド』の私(現実/第1回路)。
    現実世界での私(体)は、意識を失って、博士の孫娘によって冷凍保存される事になるが、意識としては、自分が作り上げた壁に囲まれた世界で存在している。
    …という事でいいんでしょうか?
    うーん、何か難しいな、これ。
    独特な世界観で、解釈は読者次第? みたいなラスト。
    読み物としては面白かったけど、ちょっともやっとしますかね。

  • 内容はともかくとして,独自のまわりくどい文章と終わり方は好き。
    作中のビールが美味しそうで,やたらビールが飲みたくなる。

  • とても壮大なストーリーだと思う。
    設定の複雑さゆえに大冒険。
    そのため、前半(上巻)が説明的な印象を持つが、このストーリーを頭の中で構想しきってしまうのは本当にすごいと思う。

    この壮大なストーリーはそれ自体楽しめばいいのかもしれないけれど、「心とは何か?」「世界の終りとは?」といった万人が漠然と持つ普遍的なテーマに言及しているため、何かそこから読み解けそうな心をくすぐられる思いがする。

    とてもおもしろかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心をくすぐられる思いがする。」
      村上春樹の出した物語に身を委ねつつ、何故?どうして??を繰り返す。答えは出ないけど、とっても心地良い疲れを...
      「心をくすぐられる思いがする。」
      村上春樹の出した物語に身を委ねつつ、何故?どうして??を繰り返す。答えは出ないけど、とっても心地良い疲れを感じて、ぐっすり眠れます!
      2013/02/26
  • ロシア文学からジャズ、クラシック、洋楽まで精通していると思われる著者。
    2つの世界での物語がどのように折りなし、終結を迎えるのかとても楽しく読めた。
    多視点(同一人物)からの物語は、女性と老人とで話は展開され、ぐちゃぐちゃってしていたものがすっと腑に落ちる構成となっている。

  • 楽器。唄。発電所。手風琴。完全な世界。私の心をみつけて。影との脱出。南のたまり。

    穴。蛭。水。円筒。ダムの壁の影。祭壇。博士。やみくろの巣。地下鉄。コインランドリー。洋服にとって一番良いことは過度な運動と過度な飲食を避けることです。レンタカー。気の利いた女の子というのは三百種類くらいの返事のしかたを知っているのだ。イタリア料理。三回の性交。太った娘との電話。

  • 再読。初読2005

    ビールとサンドイッチがほしくなる。

    また出会うときのことを約束する別れ
    他人に祝福を与えること

    ○しかしもう一度私が私の人生をやりなおせるとしても、私はやはり同じような人生を辿るだろうという気がした。何故ならそれが―その失いつづける人生が―私自身だからだ。私には私自身になる以外に道はないのだ。どれだけ人々が私を見捨て、どれだけ私が人々を見捨て、様々な美しい感情やすぐれた資質や夢が消滅し制限されていったとしても、私は私自身以外のなにものかになることはできないのだ。(234頁)

    ○君を失うのはとてもつらい。しかし僕は君を愛しているし、大事なのはその気持ちのありようなんだ。それを不自然なものに変形させてまでして、君を手に入れたいとは思わない。それくらいならこの心を抱いたまま君を失う方がまだ耐えることができる(252頁)

    ○僕は自分のこれまでの生活を振りかえるとき、いつもそんな浜辺のがらくたのことを思い出す。僕の生活というのはいつもそんな具合だった。がらくたを集めて自分なりに清潔にして別の場所に放りだす―しかし使いみちはない。そこで朽ちはてるだけだ(298頁)

    ○私は声をあげて泣きたかったが、泣くわけにはいかなかった。涙を流すには私はもう年をとりすぎていたし、あまりに多くのことを経験しすぎていた。世界には涙を流すことのできない哀しみというのが存在するのだ。(332頁)

  • 分かった気にすらなれない著書だった。でもふつーに世界観と登場人物が好きだしのめり込んで読んだ。

  • 後半が断然面白いです。上は読んでてきつかったんですが、彼が決めた最後の決断が切なかったですね。

  • 読むのが20年遅かったんかなー。今読んでも正直そんなに響かへんな・・・文章が上手いのはなんとなくわかるけど、合ってないのかとにかく目が滑る。

  • 自分自身が完璧で無いことを理解したうえで受け入れることは大事。

    それと同じくらい心の底に1つくらい完璧な理想や世界の終わりを持っておくのも大事。

    どっちもあるから自分があると思えた。

  • 世界観が独特で読んでいて不思議な気分になったが、著者が伝えたかったメッセージは一体なんだったのか理解することはできなかった。

  • 二つの世界との関わりが理解できる下巻。
    読み終えても謎が多い。

    ハードボイルドワンダーランドの私と、世界の終わりの僕と。

    ラストでこの二人の関係性もそれとなく明言していると思う。

    同時並行だけど、過去と未来の関係とも読めるし、不思議な世界だった。

    これまで読んだ村上春樹作品の中でも登場人物が好きで、ピンクのスーツの太った娘は気丈でたくましく頼り甲斐があるし、図書館のリファレンス係の女の子はリリカルな魅力がある。

    二つの世界で文体の使い分けがされているのも興味深く、とくにハードボイルドワンダーランドの私の語りはとても独特な比喩表現であふれている。

    静と動の二つの世界観を眺めるだけでとても楽しい。

    普通の小説では味わえない日常と非日常が錯綜する世界観をたっぷりと味わえた。

  •  二つの世界が交互にやってくるため、読んでいてそれぞれの続きが待ち遠しくて仕方がなかった。
     25.27のシャフリングシステムの解説は圧巻だった。脳が痺れるような感覚に陥った。中でも「人間は時間を拡大して不死に至るのではなく、時間を分解して不死に至る」という科白がお気に入りだ。
     私の意識の中に〈世界の終わり〉があると分かってからも暗闇に目が慣れてしまって、陽の光を見ることが出来ないことなど、二つの世界がリンクする瞬間はたまらなかった。最後に僕と僕の影は〈世界の終わり〉から脱出するものだと思ったけれど、僕だけが残る結末になった。であれば、図書館の彼女との話ももう少し続きが読んでみたい気がした。

     作者の遠回しな言い回しが、心地よかったような気もするし、あるいはそうではなかったのかもしれない。

  • もしかして、ねじまきの続きかな?
    ところどころ見覚えのあるある描写が出てくる。

    あと、偶然ではあるが、
    地下鉄の電車の中でむさぼるように読んでいたら、ちょうど青山一丁目付近に差し掛かったところで、「私」(=本の主人公)が改札を出るのに手こずっていた。「世界の終わり」の世界と「ハードボイルド・ワンダーランド」の世界に入り込んでしまったような感覚がして震えた。

  • ちょっと現実的なファンタジーで、色々おしゃれで、複雑で…でも楽しめました。とくに後半の「私」が自分の時間がもうないとわかってから…一気に読めました。

    読んだあと、「僕」が世界の終わりから脱出していたら「僕」として「私」私の世界を生きることができたのだろうか…世界の終わりの図書館の女性はピンクの子・「私」の世界の図書館の女の人・元嫁・どれ(もしくは全部)からできているものなのだろうか、そもそも世界の終わりと僕の世界はどっちが現実なんだろうか、などなど色々…ついつい思ってしまいました。

    時間をおいて何回か読み返したいです。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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